コロナ医療から見た公明党
「公明党の迅速な行動が後押しになったのではないか」長崎大学大学院の迎 寛(むかえ ひろし)教授
重点政策で掲げる主なコロナ対策
新型コロナ対策で公明党は、政府への70回を超える政策要望などを通じ、数多くの施策を実現しました。
さらに衆院選向け重点政策では、懸念される“感染第6波”への備えに万全を期し、感染症に強い国を築くための具体策を示しています。
感染予防と重症化防止に重要なのがワクチン接種です。
ワクチンの効果を持続させるために政府が検討している3回目接種の無料化をめざします。
先の臨時国会で岸田文雄首相は、公明党の提案に対し「全額公費負担で行う」と明言しました。
今後、財源を確保し、円滑な接種体制を構築します。併せて、国産ワクチンの開発から備蓄まで一貫して国が支援する体制も整備します。
重症化を防ぐには、治療薬の開発・実用化も欠かせません。既に使用され効果を上げている軽症・中等症患者向けの「抗体カクテル療法」や中等症・重症患者向けの「レムデシビル」に加え、質の高い国産経口薬(飲み薬)の早期開発を強力に支援し、国内自給をめざします。現在、塩野義製薬や中外製薬が開発中の治療薬は最終治験の段階に入り、早ければ今年度中に供給される可能性があります。
病床・医療従事者を確保 PCR検査、大幅拡充へ
感染第5波では病床が逼迫し、自宅療養中に亡くなる人が相次ぎました。医療提供体制や検査体制の拡充・強化が急務です。
具体的には入院待機者ゼロをめざし、病床や医療従事者の確保を進めるとともに、感染急拡大時に備えて臨時医療施設などの整備を着実に推進。自宅療養者の健康管理体制を強化するため、医師の往診や訪問看護の拡充にも取り組みます。さらに、保健所の機能も強化します。
感染者の早期発見・治療につなげるため、現在は1日33万件のPCR検査能力を大幅に拡充し、100万件をめざします
。また、抗原定量検査機器の増産なども含め検査体制を抜本的に強化します。
感染から時間が経過しても心身に不調を来す「コロナ後遺症」の実態調査や原因究明の研究を進めるほか、地域で相談できる体制を整備します。
信用できない立憲の公約
消費税減税や所得税免除、実現性にマスコミも疑問符
今回の衆院選で立憲民主党は、さまざまな選挙公約を掲げていますが、実現性に疑問符の付くものが少なくありません。
同党の源流である民主党が政権を担った当時、重要政策がコロコロ変わって迷走した記憶がよみがえってきます。
典型的な例が消費税を巡る対応。2009年の衆院選で「増税は必要ない」と訴えて政権に就いた民主党は翌年、菅直人首相が突如、消費税増税を表明し、国民を混乱させました。社会保障の充実と消費税率引き上げを柱に民主、自民、公明の3党が合意した12年の「社会保障と税の一体改革」では、関連法案の採決を巡って民主党が分裂しました。
今回も、立憲の枝野幸男代表は6月の衆院本会議で5%への消費税減税を主張しましたが、その直後に「選挙公約ではない」と発言。党内から不満が上がると慌てて公約に明記しました。
個人年収1000万円程度までの所得税免除も掲げています。しかし、マスコミからは「信頼に足る内容とはとてもいえない」(15日付「日経」)などと厳しく指摘されています。
その理由の一つは、減収分を穴埋めする財源が本当に確保できるのか不透明だからです。計18兆円に上る財源について各紙は「必要な財源を確保できるのか、景気への悪影響はないのか」(14日付「毎日」)などと実現を疑問視しています。
とりわけ、消費税は社会保障を維持するための貴重な財源です。マスコミからは「立民は、政権を担おうとする以上、財政にも責任を持つ姿勢が必要である。(中略)社会保障の安定財源である消費税の引き下げを安易に語るのは疑問だ」(15日付「読売」)と指摘されています。
沖縄・普天間返還問題でも民主党政権の迷走再び?
人気取り政策を並べる立憲の手法は、09年衆院選で掲げた民主党のマニフェストと酷似しています。
当時も、月額2万6000円を支給する子ども手当の支給や最低保障年金の創設などを打ち出したものの、結局「財源が手当てできずに行き詰まった」(14日付「毎日」)結果に。
高速道路の無料化や八ツ場ダムの建設中止、ガソリン税の暫定税率廃止も実現せず、マニフェストは破綻しました。
沖縄の米軍普天間飛行場の移設を巡っても 09年の衆院選前に当時の鳩山由紀夫代表は「最低でも県外」と発言。ところが新たな移設先は見つけられず、当初案の名護市辺野古に回帰。沖縄県民や米国からの信頼を失いました。
立憲は今回も、移設先の代替案を示さぬまま、辺野古移設を中止して米国と交渉すると主張。これでは、迷走した09年の二の舞となる恐れが強く、「本気で政権を取ろうとしているのか疑わしい」(9月26日付「産経」)と指摘されています。