元県民局長と親交あった県OB「いま兵庫は混乱の極み。本当に悲しい」 

2025年03月03日 19時26分20秒 | その気になる言葉

斎藤知事“パワハラ疑惑”の告発文書問題 百条委は調査報告書をとりまとめへ

配信  MBSニュース

兵庫県の斎藤元彦知事をめぐる一連の問題。始まりは去年3月、週に一度の定例記者会見の時です。

 (斎藤元彦知事 去年3月)「不満があるからと言って、業務時間中にうそ八百を含めて文書を作って流す行為は公務員として失格です」  

冷静な語り口が特徴だった斎藤知事が、公の場で自らの部下について強い言葉で非難したのです。

その矛先は、この会見の2週間前に斎藤知事の疑惑を告発する文書を配布した元県民局長でした。  (告発文書より)『知事のパワハラは職員の限界を超え、あちこちから悲鳴が聞こえてくる』  告発は匿名で報道機関や県議らに送られましたが、文書を把握した県はすぐさま「内部調査」に着手。

3月下旬には元県民局長を告発者として特定します。元県民局長は4月にも県の公益通報制度を使って内部通報していましたが、県はこれらについて法律で告発者の保護が義務付けられている「公益通報」として扱わず、去年5月「誹謗中傷の文書を作成・配布し、県政への信頼を著しく損なわせた」などとして元県民局長を停職3か月の懲戒処分にしました。

 処分から2か月後、元県民局長は「一死をもって抗議する」とのメッセージを残して死亡しました。

一体なぜ「公益通報」として扱わず“告発者さがし”を行ったのか?当時対応にあたった県の認識は…  (片山安孝元副知事 去年9月)「(告発文書を)誰が出したのか、どういう目的で出したのか、知事から『徹底的に調べてくれ』という話があったような記憶がある」  

かつて斎藤知事の最側近だった片山元副知事は、県が告発文書の内容を把握した翌日に斎藤知事から告発者さがしの指示を受けたと百条委員会で証言。さらに、文書を公益通報として扱うかについては…  (片山元副知事)「そういう議論はなく『すぐ調べろ』という指示。そういう議論はしませんでした」  

一方、斎藤知事は…  (斎藤知事)「誰がこの文書を作成したのか、なぜ作成したのか、意図などをしっかり事案として把握することが大事だということを指示しました」  (奥谷謙一委員長)「徹底的に調べてくれと言ったのは間違いない?」  (斎藤知事)「そのように記憶している」

 (奥谷委員長)「公益通報として告発者さがしをしてはいけないと協議した?」  (斎藤知事)「そういった協議はしていないと思う」  

自らの指示だったことをあっさりと認めるも「文書は誹謗中傷性が高く公益通報にはあたらない」「告発者さがしにも違法性はない」との認識を再三にわたり繰り広げました。不信任による失職を経て再選を果たしてからも、斎藤知事は県が行った初動について適切だったとするスタンスを崩していません。  今年2月28日の議会でも…  (斎藤知事)

「(告発文書を作成した元県民局長に対して)『公務員失格』のような強い表現をしたことについては反省しています。一連の県の対応は適切だったと考えています」  こうした中、告発を行った元県民局長と親しい間柄だったという県OBが、匿名を条件に3月3日、初めてカメラ取材に応じました。  (県OB)「本当に好かれていたと思いますよ。特に若手から慕われていたというのが、彼の特徴の一つだったと思う」  

告発の1週間後に姫路市内の飲食店で食事をともにした際、元県民局長は自身が告発者であることを伏せながらも、県の未来を憂いていたと振り返ります。  (県OB)「当然、県の職員ですから県民のために仕事しているわけですけど、最近の県庁は知事のためだけに仕事させられていることが多いということ。知事が出張・視察に行ったりするときに、担当の職員が2回も3回も下見をし、昼食の場所までいろいろ試食して準備をしないといけないと」

 その後、元県民局長が告発文書を出したと知った県OB。本人から電話で県の強引な調査方法の一端を聞きました。  

(県OB)「パソコンから何から何まで全部持っていかれたんで『データが残っていないねん』『いっさいがっさい持っていかれたんで』という言い方をしていました」  県OBは、元県民局長の死の理由は「はっきりとはわからない」としながらも、県に「通報者を守る」という意識があったならこのような結果にはならなかったと話します。  

(県OB)「元県民局長が告発を勇気をもってやったら、結果として死に至ってしまったことを目の当たりにすると、今後、公益通報制度にのせて内部通報していく勇気をもてる職員なんてたぶんいないでしょうね。流言飛語とか誹謗中傷とか、本当の真実を覆い隠してしまうような、別の情報が氾濫してしまって、いま兵庫県は混乱の極みじゃないですか、県民も分断されてね。本当に悲しいことだと思います」  

百条委員会は3月3日にも調査報告書をとりまとめ、今週の県議会本会議で提出する見通しです。

MBSニュース


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