【詳しく】トランプ大統領 “前政権の政策転換 関税など推進”
アメリカのトランプ大統領は今後の施政方針を示す演説を連邦議会で行い、政権発足以降、バイデン前政権の政策を転換してきたと強調した上で、関税措置など、今後も自身が主張する政策を推し進める考えを示しました。
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<button class="content--accordion--open js-accordion-open" aria-controls="accordion-07abfc87-ff12-45ed-9104-e34bf2208fc4" aria-expanded="false" aria-selected="false">目次を開く</button>演説ノーカット動画(1時間39分)
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トランプ大統領は4日、連邦議会の上下両院の合同会議で、2期目の就任後では初めてとなる、今後1年間の施政方針を示す演説を行いました。演説はおよそ1時間40分におよび、アメリカメディアによりますとこれまでで最長だったということです。
演説でトランプ大統領は、バイデン前大統領を「アメリカ史上最悪の大統領」と呼び、前政権の国境管理やインフレへの対応などを強く批判しました。
そして「政権発足以降の6週間で、100近い大統領令に署名した」と述べて、多様性などの理念を推進する政策の廃止や地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」からの離脱など、前政権が進めた政策を次々と転換してきたと強調しました。
またトランプ大統領は「数え切れない国々がわれわれよりもはるかに高い関税を課してきている。非常に不公平だ」と不満を述べて、自身が相次いで実行に移している他国からの輸入品に対する関税措置の正当性を主張しました。
その上で関税措置のほか、不法移民対策やエネルギー分野などで、今後も自身が主張する政策を推し進める考えを示しました。
さらにトランプ大統領はロシアによるウクライナ侵攻について「私はウクライナでの残忍な紛争を終わらせるために、休むことなく働いている」と述べて停戦の実現に意欲を示しました。

トランプ大統領の演説中、議場では、与党・共和党の議員からたびたび大きな歓声と拍手があがりました。
一方、野党・民主党の議員の多くは席に座ったまま無言で演説を聞く姿が目立ち、一部の議員はプラカードを掲げて抗議するなどトランプ大統領の政権運営をめぐり、対立した状況が浮き彫りとなりました。
「相互関税」4月2日から発動
トランプ大統領は演説の中で、みずからの政権下では「アメリカ国内で生産していない企業は関税を支払うことになり、場合によってはかなり高額になることもある」と述べました。
その上で「数え切れないほど多くの国々がアメリカが課している関税よりもはるかに高い関税を課している。これは非常に不公平だ」と述べて、貿易相手国がアメリカに対して高い関税を課している場合、その国からの輸入品への関税を同じ水準に引き上げる「相互関税」を4月2日に発動すると表明しました。
その際、EU=ヨーロッパ連合や中国、ブラジル、メキシコ、カナダ、韓国などを名指しして批判しました。
また、トランプ大統領は相手国が関税以外の手段でアメリカをその国の市場から排除しようとするなら、アメリカも同様の手段で対抗するという方針を示しました。
日本については直接的な言及はなく、日本が対象になるかどうかは不明です。
トランプ大統領は相互関税の導入によって「アメリカは何兆ドルもの利益をあげかつてないほどの雇用を創出するだろう」と導入の必要性を強調しました。
一方、今月4日から25%の関税を課したメキシコとカナダをめぐってはフェンタニルなどの薬物がかつてない水準でアメリカに流入しているとして「両国はこれまで以上のことをやる必要がある」と述べて対策の徹底を求めました。
ゼレンスキー大統領から書簡“いつでも署名する用意”
トランプ大統領はウクライナ情勢について、ゼレンスキー大統領から書簡を受け取ったことを明らかにし「ウクライナは、鉱物資源や安全保障をめぐる合意についていつでも署名する用意があるということだ」と述べました。
書簡では、このほか、ウクライナが恒久的な平和をもたらすために 早期に交渉のテーブルに着く用意があることや、ウクライナの主権や独立を維持するためのアメリカの支援を高く評価することなどが盛り込まれていたということです。
そのうえでトランプ大統領は「ゼレンスキー大統領が書簡を送ってくれたことを感謝している」と述べ謝意を示しました。
両国をめぐっては、先月28日に行われたホワイトハウスでの首脳会談で激しい口論に発展し、鉱物資源の権益をめぐる合意文書への署名が見送られたほか、トランプ政権は、ウクライナへの軍事支援を一時停止したことを明らかにしていて、今回の書簡をきっかけに、関係の改善につながるのかが焦点です。
また、トランプ大統領は演説で「われわれはロシアとも真剣に協議し、ロシアから和平の準備ができているという強いシグナルを受け取った」と述べていて、早期の停戦の実現に向けて、交渉が進展するのかも注目されます。
米メディアの評価分かれる
アメリカのトランプ大統領が4日に連邦議会で行った演説について、アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは「トランプ大統領の支持者には傲慢で楽観的なメッセージを、支持しない人たちには悲観的で絶望のメッセージを示した」と伝えました。
また、トランプ大統領の発言にはウクライナへの支援額など誤解を招くものや事実かどうか疑わしい主張があったと指摘し、26か所を挙げています。
政治専門サイト「ポリティコ」は、トランプ大統領の1期目の2017年に行われた施政方針を示す演説と比較し、「最初の演説では、混乱した選挙戦のあと、すべてのアメリカ人の大統領になろうと試みて、団結や超党派の連携を示した。それとは全く対照的だ」として大統領選挙でのみずからの支持者に向けた演説を思い起こさせるものだったと伝えています。
アメリカのCNNテレビは、「トランプ大統領はもはや選挙に立候補しているわけではないが、いつまでも選挙戦モードであることを浮き彫りにした」としています。
一方、アメリカのFOXニュースは、「トランプ大統領は偉大な時代になるだろうと約束した」というタイトルの記事で、「トランプ大統領は不法移民の入国を減少させたことなどこの6週間のうちに政権が達成したことを誇示した」と伝えています。
CBSテレビは、直後に行った世論調査として、トランプ大統領の演説をみた人の中で「支持する」と答えたのが76%、「支持しない」と答えたのが23%だったとしています。
ただ、演説を見た視聴者は民主党支持者が20%だったのに対し、共和党支持者が51%と共和党の支持者が多かったとしています。
一方、ホワイトハウスは、ウェブサイトに共和党の議員などからの演説をたたえる声などを紹介し、「トランプ大統領は就任後の最初の6週間の目覚ましい成果を強調し、今後4年間の繁栄への道筋を示す力強くすばらしい演説を行った。演説は幅広く称賛された」と強調しています。
==演説を詳しく==
「黄金時代の幕開け」
トランプ大統領は「アメリカは戻ってきた。6週間前、私はこの議事堂に立ち、アメリカの黄金時代の幕開けを宣言した。その瞬間から、歴史上最も偉大で最も成功した時代を切り開くため、迅速かつ容赦ない行動を続けてきた。われわれは43日間で、ほとんどの政権が4年または8年で達成した以上のことを成し遂げた」と述べました。
「アメリカが勢い取り戻した」
トランプ大統領は「わたしは今夜この議場に戻り、アメリカが勢いを取り戻したことを報告する。われわれの精神が、誇りが、自信が戻ったのだ。そしてアメリカンドリームはこれまで以上に大きくすばらしいものとして膨れ上がっている。アメリカンドリームは止めることはできない。わたしたちの国は世界がこれまで目にしたことがない、そしてこれからも目にすることがないような復活を果たそうとしている」と述べました。
議長が民主下院議員に退出呼びかけ

トランプ大統領の演説中にジョンソン下院議長が議会の秩序を乱したとして野党・民主党のグリーン下院議員に対して議会からの退出を呼びかけ、グリーン下院議員は退出しました。
「バイデン 史上最悪の大統領」
トランプ大統領は「アメリカ史上最悪の大統領であるジョー・バイデンのもとでは、毎月多くの不法入国があり、殺人犯や麻薬の売人、ギャングのメンバー、それに精神科の患者などを含む そのほとんどすべてが私たちの国に入ってきていた」と述べました。
「違法の国境越え 最低水準に」
トランプ大統領は「私は、わが国への侵略を撃退するためにアメリカ軍と国境警備隊を配備した。その結果、どんな仕事をしたのか。先月の違法な国境越えは、これまでで最も低い水準だった」と述べました。
「最も成果のある1か月」
トランプ大統領は「現代の歴史において初めて、アメリカ国民のなかで国は正しい方向に進んでいるという考えが間違った方向に進んでいるという考えより多くなった。選挙のあとだけを見ても驚くべき記録である27ポイントの揺り戻しだ。過去最大だ。同じように中小企業による楽観的な見通しも記録上最大となる1か月で41ポイントの増加を見せた。このすばらしい国の至る所に常識、安全、楽観主義、そして富を回復するため私はこの6週間で、100近い大統領令に署名した。国民は仕事をさせるために私を選び私はそれを実践している。実際、私の就任後の1か月は、国の歴史上最も成果のある1か月だったと多くの人が言っている」と述べました。
「多様性・公平性政策の横暴 終わらせた」
トランプ大統領は「いわゆる多様性や公平性などに関する政策の横暴を終わらせた。連邦政府全体、そして民間や軍でもだ」と述べました。
「連邦職員 出勤するか 職解かれるか」
トランプ大統領は「すべての連邦職員に職場に戻るよう命じる。彼らは出勤するか、その職を解かれるか、そのどちらかになる」と述べました。
「職員雇用 政府規制 対外援助を凍結」
トランプ大統領は「日々、私の政権はアメリカが必要とする変化、アメリカにふさわしい未来をもたらすため、闘っている。大きな夢を掲げ大胆な行動をとるべき時だ。就任後、私は即時にすべての連邦職員の雇用、新たな連邦政府の規制、すべての対外援助を凍結した」と述べました。
「最優先事項は経済救うこと」
トランプ大統領は「私の最優先事項の1つは経済を救い、労働者に素早く救済の手を差し伸べることだ。私たちは前の政権から経済の大混乱とインフレの悪夢を引き継いだ。前政権の政策はエネルギー価格を高騰させ、食料品の価格を押し上げ、何百万人ものアメリカ人にとって生活必需品が手の届かないものになった。大統領としてアメリカを再び手ごろな価格でモノが買える国にするために毎日、賢明に取り組んでいる」と述べました。
「アラスカでLNGパイプライン建設 日本の参画望む」
トランプ大統領は「私の政権はアラスカ州で世界最大級のLNG=液化天然ガスのパイプラインの建設に取り組んでいる。日本、韓国、そのほかの国々が何兆ドルもの資金を投じてパートナーとなることを望んでいる。本当にすばらしいものになるだろう」と述べました。
「非常識なEV政策廃止」
トランプ大統領は「われわれはアメリカを安全でなく、(エネルギー価格を)手の届かないものにしたバイデン政権の環境規制をすべて廃止した。重要なことは非常識なEV=電気自動車の購入についての助成を廃止し、自動車産業の労働者とメーカーを経済的な危機から救ったことだ」と述べました。
「相互関税 4月2日に発動」
トランプ大統領は、演説で貿易相手国がアメリカに対して高い関税を課している場合、その国からの輸入品への関税を同じ水準に引き上げる「相互関税」を4月2日に発動すると述べました。
トランプ大統領は「相手国がアメリカに課す関税と同じ関税をアメリカも課す。これは相互主義だ」と述べました。
その上で相互関税の導入によって「アメリカは何兆ドルもの利益をあげかつてないほどの雇用を創出するだろう」と述べました。
演説中にマスク氏紹介

トランプ大統領は議場に入ると与党・共和党議員から大きな歓声と拍手で迎えられ、求めに応じて一人ひとりと握手をしたり、ことばを交わしたりしていました。
演説中、トランプ大統領がことばを強調するたびにバンス副大統領やジョンソン下院議長などが立ち上がって拍手をしたり、会場から「USA」と歓声があがったりする場面もありました。
一方、野党・民主党議員の多くは席に座ったまま無言で演説を聞いていました。
またトランプ大統領が支出の削減を進めるDOGE=「政府効率化省」を設置したと強調した上で、DOGEを率いるイーロン・マスク氏を紹介するとマスク氏は立ち上がり、議場からの歓声に応えていました。
「パリ協定・WHOから離脱」
トランプ大統領は「私は、ほかの国々が支払っていない何兆ドルもの費用を負担させていた不公平なパリ協定から離脱した。腐敗したWHO=世界保健機関からも離脱した。そして、反米的な国連の人権理事会からも離脱した」と述べました。
「政府効率化省 ”支出のむだ”数千億ドルを発見」
トランプ大統領は演説の中でイーロン・マスク氏が率いる政府支出の削減策を検討する組織、DOGE=政府効率化省が支出のむだだとする18の事業を確認したと指摘しました。
そのうえで「あまりにもひどいことだ。ほかにも多くのことがイーロンが率いる非常に賢い主に若い人たちによって発見され、世にさらされ、迅速に停止されている。われわれは数千億ドルを発見し、インフレなどとたたかうために金を取り戻し、借金を減らした。これは始まりにすぎない」と述べました。
「米第一主義で巨額投資もたらされた」
トランプ大統領は「アメリカ第一主義のおかげでこの数週間で1兆7000億ドルもの新規投資がアメリカにもたらされた。選挙と経済政策の組み合わせでソフトバンクグループはオープンAIなどに巨額の投資を発表した」と述べました。
「変革に抵抗の官僚排除」
トランプ大統領は「無責任な官僚機構から権力を奪い返し、アメリカに民主主義を取り戻す。変革に抵抗する官僚はすぐに排除する」と述べました。
財政赤字 解消に意欲
トランプ大統領は「近い将来、私はこの24年間、誰も成し遂げられなかったことをしたい。連邦予算をバランスさせることだ」と述べ財政赤字の解消に意欲を示しました。
「残忍な紛争 終わらせる」
トランプ大統領は「私はウクライナでの残忍な紛争を終わらせるために、休むことなく働いている」と述べました。
「ロシア 和平の準備できている」
トランプ大統領は「われわれはロシアとも真剣に協議し、ロシアから和平の準備ができているという強いシグナルを受け取った」と述べました。
「ウクライナは鉱物・安保合意に署名する用意」
トランプ大統領は「きょう、私はウクライナのゼレンスキー大統領から重要な書簡を受け取った。ウクライナは、恒久的な平和をもたらすためにできるだけ早く交渉のテーブルに着く用意があるということだ。ウクライナは、鉱物資源や安全保障をめぐる合意についていつでも署名する用意がある」と述べました。
「米 ウクライナ防衛に多くの資金提供 欧州は…」
トランプ大統領は「アメリカはウクライナを防衛するため多くの資金を提供してきた。一方、ヨーロッパは悲しいことに、ウクライナの防衛に費やした金額よりも、ロシアの石油とガスを購入するために費やした金額のほうがはるかに多い。そして、バイデン前大統領はヨーロッパが費やした以上の資金をこの戦闘に使うことを承認した」と述べました。
「環境・食べ物から有害物質取り除き 子どもを健康に」
トランプ大統領は「1975年以降、子どものがんが増加している」とした上で「この傾向を逆転させることがロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官が率いる新しい委員会の最優先事項のひとつだ。われわれの目標は環境中や食べ物から有害物質を取り除き、子どもたちを健康で強くすることだ」と述べました。
「パナマ運河を取り戻す」
トランプ大統領は「パナマ運河を取り戻す。すでに着手している。まさにきょう、アメリカの企業がパナマ運河周辺の港などを買収すると発表した」と述べました。
「米の造船業を復活させる」
トランプ大統領は「国防産業基盤を強化するために、商船や軍艦を含むアメリカの造船業を復活させる。このため私は今夜、ホワイトハウスに造船に関する新たな部署を設置し、この産業を再びアメリカ国内に戻すために特別な税制優遇措置を講じることを発表する」と述べました。
「グリーンランドは安全保障面で必要」
トランプ大統領は「グリーンランドのすばらしい人たちにメッセージがある。もしあなたたちが選ぶならわれわれはアメリカに迎え入れる。われわれはグリーンランドを安全保障面で必要としている」と述べました。
「減税法案可決で史上最高の経済へ」
トランプ大統領は「史上最高の経済を実現するための次の計画は国民のために議会が減税の法案を可決することだ」と述べました。
法案には1期目の政権で導入した所得減税を恒久化することや飲食店の従業員などが受けとるチップや残業代への課税の廃止、国内で生産する製造業への減税などが含まれているとしています。
「火星に星条旗を立てる」
トランプ大統領は「今後4年間で、われわれはこの国をさらに高いレベルへと導き、地球上に存在したことがなかったような、最も自由で進歩し、最も活力に満ちて、支配的な文明を築き上げるつもりだ」としたうえで「われわれは人類を宇宙へと導き、火星に星条旗を立て、さらにその先に行く」と述べました。
野党・民主党 「関税引き上げは逆効果」
トランプ大統領の今後の施政方針を示す演説に対して、野党・民主党からは、CIA=中央情報局や国防総省で勤務した経歴を持つスロトキン上院議員が反対演説を行いました。
地元ミシガン州から演説したスロトキン氏は「国民は変化を求めた。しかし、変化を起こすには、責任ある方法と無謀な方法がある」と述べました。
そのうえでトランプ大統領の経済や通商政策をめぐって、関税の引き上げはさらなる物価の高騰を招くおそれがあるなどとして、逆効果だと批判しました。
また、外交や安全保障政策を巡っても「トランプ大統領は『力による平和』ということばを好んで使う。レーガン大統領のまねだ。しかし、先週、大統領執務室で起きたことを見たらレーガン大統領は墓の中で怒っているにちがいない。われわれは皆、ウクライナでの戦争の終結を望んでいる。しかし、レーガン大統領は、本当の強さは、軍事力、経済力とともにモラルが必要だと理解していた。トランプ大統領は、プーチンのような独裁者にすり寄る一方、カナダのような友人をけなすことを信条としている」と非難しました。
民主党 女性議員はピンク色の上着で抗議
野党・民主党の女性議員の一部はピンク色の上着などを着てトランプ大統領の政策に抗議の姿勢を示していました。
また男性の議員の中にもピンクのネクタイを着用して抗議に加わる人の姿が見られました。
アメリカメディアによりますとピンクの服を着る意味について、民主党の女性議員でつくる団体の代表は「ピンクは力と抗議の色で、女性や家族に悪影響を及ぼしているトランプ大統領の政策に対する抗議の意思を示すためだ」と説明しているということです。
またトランプ大統領の演説中には与党・共和党の議員が立ち上がって拍手を送るなか、民主党議員の一部は「誤り」という意味がある「FALSE」など と書かれたプラカードを掲げて抗議していました。
林官房長官「相互関税は精査し適切に対応」
林官房長官は午後の記者会見で「幅広いテーマでトランプ大統領の考えを示すものだった。『相互関税』は日本が対象になるべきでないと申し入れながら意思疎通を行っており、措置の具体的な内容や影響を十分に精査し、適切に対応していく」と述べました。
また、トランプ大統領が関税に言及した際、中国やブラジルなどを名指しして批判したことをめぐり「わが国への言及がなかったことは留意している」と述べました。
LNG=液化天然ガスのパイプラインに対する日本などからの投資に期待を示したことについては「供給源の多角化にも貢献することから、LNGのさらなる購入について経済性や供給の開始時期などを踏まえ官民で検討する。日米双方の利益につながる議論が積み重ねられるよう必要な環境整備を行っていく」と述べました。
一方、ウクライナ情勢に関する発言をめぐっては「アメリカとウクライナの協議の行方を注視したい。アメリカを含む各国の外交努力が、戦闘行為の終結やウクライナの公正かつ永続的な平和の実現につながることが重要だ」と述べました。
中国外務省「“中国が運河支配している”は全くのでたらめ」
トランプ大統領が施政方針を示す演説で「パナマ運河を取り戻す」などと発言したことについて、中国外務省の林剣報道官は5日の記者会見で「中国は運河に対するパナマの主権を支持し、運河が恒久的に中立な国際航路として維持されるよう努めている」と述べました。
そのうえで「中国はこれまで運河の管理・運営に関与したことはなく、干渉もしていない。『中国が運河を支配している』という主張は全くのでたらめだ」と強調しました。
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