▼「尊敬によってつくられた友情が真実で完全で永続的である」詩人・ダンテの友情観である
尊敬できる、よき友を持つこと。
そして、自分自身も尊敬に値する、よき友になっていくこと。
▼この世界を、平和の方向へ、幸福の方向へ、繁栄の方向へ、調和の方向へと前進させていくためには、正義が厳然たる力を持たねばならない—これがダンテの一つの結論であった。
▼では、正義が力を持つためには、どうすればよいのか。
それは、一人でも多く、力のある正義の人を育てることだ。
▼正しい人が誹謗中傷され、悪人が民衆から尊敬を集める―この「正義と邪悪の転倒」をいかにして正すか。
ダンテは亡命生活の中で思索を深めた。そして、真実を世に示すために「神曲」の筆を起こした。
「作品の目的は、人びとを今陥っている悲惨な状況から遠ざけ、幸福な状態に導くことにある」と。
どこまでも「民衆の幸福」を基準とした。
▼一流の人格の指導者は、決して「へこたれない」。
また、「人を妬まない」。
▼前へ進む人、成長し続ける人には、他人を妬んでいる暇などありえない。
人を嫉妬するのは、自分が前へ進んでいない証拠だ。
▼ダンテは苦難をバネにして、「汝自身」を育てていった。
「わが道」を前へ前へ進んでいった。
▼きっとダンテは「あの嫉妬深い悪人どものおかげで、わが使命の執筆ができたのだ」と、敵を悠然と見下ろしながら「大きな心」で前進していったに違いない。
▼ダンテは「神曲」の中で「意志の力が十分に養成されているならば、すべてに克てるはずだ」と訴えている。
そして、真実を語り抜くことで誓って物語の幕を閉じている。
ダンテは人類の道しるべなとなる不滅の傑作を書き上げた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます