しにたい気持ちが消えるまで

2023年07月10日 12時48分18秒 | 社会・文化・政治・経済
 
 
競走するのをやめて、人に頼れるようになったら生きやすくなった 車椅子の詩人が綴る『しにたい気持ちが消えるまで』 16歳のとき、死のうと思った。
すごく天気の良い日で、こんな日に死ねるなんて幸せだと思った。
自宅のベランダから飛び降り、頸髄を損傷するが一命をとりとめる。
「死ななくて良かった」 「何もできなくても生きていていい」
現在を生きる筆者による 自死を止めたい、やさしくなりたい、お守りのような言葉。
書き下ろし自伝エッセイ。
 
豆塚エリさんプロフィール 1993年、愛媛県生まれ。16歳のとき、飛び降り自殺を図り頸髄を損傷、現在は車椅子で生活する。大分県別府市で、こんぺき出版を拠点に、詩や短歌、短編小説などを発表。NHK Eテレ『ハートネットTV』に出演するなど、幅広く活動中。
 
「人に迷惑かけるな」と言われて育った。
だから、悩みを相談したり、誰かを頼ったするのはいけないことだと思っていた。
だが、胸から下がまひした状態では、誰かの手を借りなければ生きていけない。
 
よくよく考えたら、自分も誰かに頼られたら、うれしいですよね。
頼ると嫌われるんじゃないかと思ったけど、そうじゃなかった。
 
厳しいん言葉も言われたけど、私にはそれがすごくよかった。
恩人です。
私を追い詰めたのも人だけど、助けてくれたのも人。
いい意味で生まれ変わった気がして、私にはとても大きかったですね。
死にたいとは思わなくなりました。
 
「居場所がない、死にたいと思っていたけれど、積極的に死を選んだといより、それしか選択肢がなくて。助かってホッとしたのは覚えてます。ああ、死ねなかったな—って。でも、気がすんだという感じでした。やっぱり死ぬのは怖いです」
 
今回の出版は「自己肯定感について書いてみては」と東京の出版社から勧められ実現しました。
コツコツ続けてきたご褒美だと思っています。
 
自分が好きなことと、誰かが求めていることが合致すると、幸せを感じます。
本の感想に「救われんました」と書かれているけど、逆に私がその言葉に救われます(著者)。
 
 
多分「しにたい」検索をしている時にたまたま出会ったのがきっかけだと思う。自殺未遂や希死念慮に関するエッセイや本は他にもいろいろあるけれど、本書は一線を画す。
何より、文章が美しい。凄まじい体験を淡々と語る。ナチュラルなリズムと表現。言葉が心に染み渡る。ここまで磨き込むには、相当の時間と労力を費やされたのだと思う。魂が求めているものに出会えた幸運。生きていてよかったと思えた。

今日、本書と同タイトルの、著者の講演会に行ってきた。素晴らしかった。市の公民館がこうしたイベントを企画するということが興味深い。
 
 
文章に引き込まれて、どこにも、コレで死にたくなる気が無くなった、という描写は無いのに、読み終わると、このタイトルに納得しました。
 
 
打ち込むことで鬱になる。期待と現実との乖離が大きくなるからだろうか。筆者には栄光的な体験とともに如何ともし難い肉親との柵がまとわりついている。栄光はまばゆいばかりで、カンダタが見出した蜘蛛の糸のよう。柵を背負いながら、糸を手繰り寄せて登る様は圧巻だが、自ら課したあるべき姿からの乖離に耐えられなくなり、手を離してしまう。

当然柵はまとわりついたままだが、望む光がか細い先のみにあるわけではないことに、体の自由を失くしたがゆえに気づく。望みの本質は自由だった。
 
 
 
 
さらっと文章にしていますが、どれだけの時間自分と対話し自分の中へ、中へ入っていく作業をしたのか。
簡単なようでたぶん、辛い時間だったのではないかと思います。難しい言葉は使われていませんが表現が素晴らしく(難しい国語表現の事はわからないですが)心にどんどん入ってきます。ぜひ一度読んでください。自分の中をそれぞれ見つめてみてください。
 
 
 
この本を書いてくださってありがとうございます。

前半から後半へかけて、物語のように綴られた豆塚さんの実体験談。

とても多くの言葉がこころに響きました。感想を書くというのは勇気がいるのだけれども、お礼と感謝の気持ちを伝えたいのと

そしてなによりももっと多くの人にこの作品を読んでもらいたくて
つたない自分の言葉ですが表現してます。

「たすけることで、(自分が)たすけられる」

これがとても新鮮で、また気に入りました。

「楽しいことをやっていればいい(そのことを引け目に感じる必要はない)」

なんだかホッとして、生きていて嬉しくなってしまいました。

もしよかったらなんですが、もっと本を書いてみて下さい。ファンになります。

あとつらくて大変な体験をなさったと思いますが、僕は全体として

『羨ましいなあ、しあわせだなぁ』

と感じました。しあわせのオーラを感じる本でした。。。
 
 
車椅子暮らしと引き換えに生きる気力を得た豆塚さんの魂の言葉を聞け!とにかく読んでいて心が泣けてくる。自分も死にたい気持ちを何となく抱えてはエリさんはスケープゴートになってくれてこの本が生まれたと信じたい。生きづらさが少しでも和らいで生きる気力を取り戻せると思う。有無を言わさずに読むべし!
 
 
 
著者のこれまでの人生について赤裸々に語られた一冊。

一般的に語るには勇気のある内容を本人は包み隠すことなく書いており、人生の本質、人との出会いや価値観などについて考えさせられた。

実際に介護の仕事をしてる自分にとってはそれからの章から始まる内容は当事者目線からで気づくことも多かった。

これからも心に届く素敵な書籍を楽しみにしたい。
 
 
 
 
 

 
 
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