大切なのは教訓の学び方

2025年01月19日 11時22分07秒 | その気になる言葉

【No.4 "教訓法"という学び方】

 
2023年8月15日 12:27
 

1. はじめに

大学1年生の頃、とりあえず授業を必死に受けるという生活を送っていた一方で、長い休みを挟んで継続が止まれば、次学期にはほぼ覚えておらず、積み重ねを無駄にした感じで自分を悔やむことがよくありました。

そんな中、どうにか興味のない科目でも自らの人生に活きる定着した学びに繋げられないか模索し続けていました。

最近、やっと自分なりにできた方法が、
勝手に名前を付けて"教訓法"です。

今回はこの"教訓法"を具体的に紹介していきます🙇‍♂️

皆さんなりの学びの方法があれば、是非Facebook等々で教えて下さい!


2. "教訓法"とは?

"教訓法"を時系列順に説明すると

  1. 学びを抽象化:
    授業で習う専門的内容からその本質となる要素(目的や性質)を取り出す

  2. 1と経験から教訓を作成:
    1と自分の考え方や今までの経験を重ね合わせて、自分なりの教訓を作る

  3. 教訓を蓄積/実践:
    2の教訓のみをインプットして実生活にも活かす

となります。中二病みたいな内容ですが、授業からインスピレーションを得て、自分なりの格言を作ってインプットするというとわかりやすいのではないでしょうか?

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"教訓法"のフローチャート

3. "教訓法"の具体例

具体例がないとよくわからないと思いますので、自分の専門を少し用いながら説明したいと思います👉

1. 「情報の非対称性」から教訓を考える

ゲーム理論やミクロ経済学を学ぶ上でよく「情報の非対称性」という言葉が出てきます。

「情報の非対称性」とは、取引の主体間で持っている情報の量・質に格差があることです。これによって、「逆選択」や「モラルハザード」という問題が生まれ、今話題の中古車自動車市場や自動車保険市場などで非合理的な状況が発生することがあります。

簡単に言うと、「情報の非対称性」があると対称性が保たれている時より市場の損失が大きくなるということです💰

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「情報の非対称性」とは

専門的内容はさておき、この授業を"教訓法"に落とし込むと

  1. 情報の非対称性があると市場の損失が大きくなる

  2. 「情報の非対称性があると環境の利益(幸福度)は低くなる」

  3. 実生活の人間関係において、情報の非対称性があると幸福度は下がってしまう

実際のところ、この教訓(仮説)が正しいかは再度検証が必要ですが、このように自分なりのインプットが授業での学びから生まれます。

*互いに情報の対称性があるという前提の上で成り立つので、自分の全てを色んな人に話せばよいということにはなりません。相手を選ばないと相手だけ自分の情報を知っているというそれこそ情報の非対称性が生まれ、自分が利益を被る可能性があるので注意が必要です😅

「情報の非対称性」とは

2. 「線形代数」から教訓を考える

線形代数というとどんなイメージを持たれるでしょうか?
大学1年生の自分は訳も分からず、目の前の問題を解きまくっていました。

「線形代数」とは簡単に説明すると、現実世界のさまざまな現象をベクトル空間へと抽象化し、その抽象空間の中でさまざまな解析や分析を行うというものです。そこでの発見が科学、工学、コンピュータグラフィックス、機械学習、経済学、物理学、統計学などのさまざまな分野で広く応用されています。

そんな線形代数において、連立方程式を解く過程で、さまざまな要素や制約を考慮して、変数を操作し、バランスを保った上で問題を解いていく必要があります。

これを今学んだつもりで先程の学びフローで説明すると

  1. 線形代数において、さまざまな要因や制約を考慮しながら変数を操作して問題を解く必要がある

  2. 「さまざまな要因や制約が考慮されたバランスの取れた方法で問題解決に応用することが重要」

  3. 実生活において、目に見えた1つの要因や制約だけで物事を判断せず、多面的にバランスの取れた見方で判断すること

などなど、強引かもしれませんが、教訓に落とし込むことができ、授業での学びと連動させることができます💪

「線形代数」とは

今回はこの2つを取り上げましたが、考え方次第で自分なりの解釈を加えて自らの教訓に変換することはどんな科目でも可能なのではないでしょうか?

4. "教訓法"による効果

皆さん、記憶法でよく使われる「関連付け記憶法」はご存知でしょうか?

「連想結合法」とも呼ばれ、覚えたいことを、連想で関連づけて覚えていく手法です。人間の脳においては限られたニューロンの数を有効活用するために、同じニューロンをいくつもの異なる事柄に対して使いまわして記憶しているため、これは有力な記憶法と言えます📀

「関連付け記憶法」とは

その上で今回、紹介した"教訓法"の効果ですが、

  • 今まで学んでいる実感の無かった大学の授業が自分の生き方や考え方をブラッシュアップする機会になる

  • 結果的に作成した教訓が"関連付け記憶法"によって、単元の内容をより覚えていられるようになる

  • 人に何を大学で学んでいるか説明しやすくなる

という3点の効果を自分自身で実感しています。

2に関しては以前、暗記法を軽く学んだ際に点と点が繋がった感じで今回紹介しているのですが、確実にテスト前は時間をかけずに思い出せることが増え、かなり勉強を効率化できたのではないかと個人的には思っています。

また3の通り教訓として抽象化するため、人に説明する際に端的にわかりやすく説明できるようになったことも良いことだなと思います。

凡事徹底
中学時代からの自分のモットー(本文とは特に関係ありません笑)

5. さいごに

自分としては格言とか教訓とかを見たり聞いたりすることが結構好きなので、自分にあった学びの方かなと思っています。

もちろん誰にでも当てはまるほど汎用性が高いとは思っていませんが、
専門的すぎる内容でも、自分の興味や関心、考え方などと重ね合わせて教を作ることで、全体のフレームを捉えるきっかけになり、専門的内容との距離も近づくのではないかと個人的には思っています👍

また【学ぶ楽しさを知る】でも書いた通り、多様化する社会で学ぶことはいくらでもあり、義務教育においても教科数が増えている時代です。

根本にある「何のために学ぶのか」ということを見失わないためにも、各々が教訓までは行かずとも、自分の中で学びを自らの懐に落とし込む作業は必要だなと感じます。

今後、学校を飛び出しても尚、聞く話を鵜吞みにするのではなく、自らを介して教訓としてインプットしていくことが各々で必要なのではないかと学生ながらに思っています✍️

という感じで、引き続きアウトプットしていきます!

➢参考資料
「情報の非対称性」とは
「線形代数」とは
「関連付け記憶法」とは
【ep.2 学ぶ楽しさを知る】|毛利康聖 (note.com)

【ep.4 "教訓法"という学び方】 2023/8/14

 

はじめに

変化の激しい今の時代、「レジリエンス」という言葉が注目されています。

レジリエンス(resilience)とは、強いストレスに直面した時に、適応する精神力と心理的プロセスです。

良し悪しに関わらず、自分を取り巻く状況が変化する時には、心身ともに以前のままでは対応できません。そのギャップがストレスを生み出します。変化のスピードが加速し先の読めないこの時代、私たちはいつ何時強いストレスにさらされるかわかりません。今回は、そんなストレスに対応する力、レジリエンスについて一緒に学びましょう。

レジリエンスを鍛える理由

レジリエンスを言い換えるなら、「しなやかな心の強さ」「精神的な回復力」です。レジリエンスは誰もが持っている心理的な資質ですが、ストレスや失敗体験などで消耗していきます。

進学、就職、結婚など人生の大きな節目で私たちはその環境や対人関係の変化に一生懸命対応しようとします。ここで辛い状況が続くと、ふさぎこんだり感情のコントロールが効かなくなったりします。だからといって、その環境から逃げ出すこともできません。

誰しもが迎える人生の節目は、ストレスと隣り合わせ。だからこそストレスと上手く付き合う技術が必要です。

レジリエンスを高めるためのステップ

レジリエンスを高める方法について順を追って説明します。

心の状態をラベリングする

心がモヤモヤしている時、そのモヤモヤを放っておかず、明確な言葉にしてみましょう。つまり言葉による感情のラベリングです。怒り・不安・恐れ・心配・罪悪感・羞恥などなど、色を付けてイメージしてみるのも良いでしょう。実はこの工程でネガティブな感情の連鎖をストップすることができます。

脳科学の研究では、このラベリングによって感情を抑制する大脳皮質が活発化し、恐れの中枢である扁桃体が沈静化することが分かっています。

思い込みに気付く

「~しなきゃ!」「~が当たり前!」「どうせ私は…」という考えの時、自分の考えで心がいっぱいになっていませんか?

人には誰しも思い込みがあります。正しい正しくないを尺度にしている間はその思い込みから抜け出すことはできません。自分が正しいという思い込みが自分を苦しめている場合だってあるのです。

なので、日頃から自分の思考とネガティブな感情のパターンを観察しておくことです。すると、行き詰まった時や感情が収められなさそうな時に「ああ、またこんな風に考えているな。」と自分で気付くことができます。

視点を変える

次は視点を変えて考えてみます。相手の立場になって考えてみたり、自分の状況を客観的に見てみたり、難しい場合は友達に話してみるのも1つの方法です。

視点を変えてみることができたら、その視点から自分に助言してみましょう。感情で支配されていた頃とは違う考えが浮かんでくるはずです。

もし既に周りに助言してくれる友人や先輩がいたらとても幸せなことなのです。心の中にその隙間を少し開けておくことで、大切な言葉を聞き逃さないようにしましょう。

過去を教訓化する

「成功を祝うのは良いことだが、もっと大切なのは失敗の教訓に耳を傾けることだ。企業が失敗にどのように対応するかは、その企業が社員からどれだけ優秀なアイデアや才能を引き出し、変化にどれだけ効果的に対応できるかを示している。どんな企業にも失敗があり、それを最大限活かしたことのある人が必要だ。」

マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏の言葉です。成功よりももっと大切なのは失敗を学びにし、次に活かしていくことだと伝えています。

また、先が読みにくくなった今のような時代、過去の成功体験でさえそのままでは通用しない場合が多いです。

過去起こったことが、未来の自分にそのまま当てはまるわけではありません。では過去から何を得るかというと教訓です。成功も失敗も要因があります。その核心部分を教訓化し、そこに現在#の価値観や状況を顧みて対応していくことです。自分で文章を作っても良いですし、当てはまる名言や人生訓を覚えておくのもに良いでしょう。

変化は目的への挑戦

自分から起こした変化にしても、状況的に必要な変化にしても、目的があります。変化はその目的に対する挑戦です。

例えば今回のStayHome期間やこれからの「新しい生活様式」はすべて、新型コロナウィルスの感染を封じ込むための挑戦です。その根本の目的は、私たちが安全で健康な生活を送っていくためです。方法ではなく目的が中心です。これを見失ってはいけません。

目的を最後まで見失わず、①~④のステップを意識しながら新しいことに挑戦していく時、レジリエンスは飛躍的に鍛えられます。そうなると私たちの心はどんな状況にも折れることなく、強く前に突き進むことができるようになります。

まとめ

今回はしなやかな心の強さ、レジリエンスについてお伝えしました。

水は柔らかいけれどもスピードを出して急流になれば強くなり、ものすごい威力を発揮します。心が水ならば、思考と精神でスピードを出すことで、次々とやるべきことが行なえるようになり、時を逃さずに何事もできるようになるでしょう。

予測不能な今の時代、レジリエンスを鍛えて、どんな場所や場所でもしなやかに強く生きていけるようにしましょう!

【参考文献】
・『世界のエリートがIQ・学歴よりも重視 「レジリエンス」の鍛え方』,久世浩司著,実業之日本社
・『マンガでやさしくわかるレジリエンス ストレスに負けない”折れない心”をつくる』,久世浩司著,日本能率協会マネジメントセンター
・『変わり続ける 人生のリポジショニング戦略』,出井信之著,ダイヤモンド社

 

※本記事は2020年6月8日に投稿された記事のリメイク版になります。

   

「教訓を得る」は、「教えさとしを得る」という意味になりますから、人からでなくても、「ある経験から教えさとしを得る」と使えます。

これが「教訓をたれる」ですと「目上の者が目下の者に教えさとしを与える」という意味になります。

人間て、マニュアルや最適解だけ提示されても、それだけではなかなか習得実行までいかないんです。

人間が動くために必要なのは「動機」であり、動機付けする手段の一つとして、実際に体験した人の経験を直接語ってもらうとか、当事者の実録などを読むなどの行為を通して「共感」を得ることで自身にもそれに備えるための「動機」が生まれるのです。

戦争も同じだし、ある意味では勉強とか運動とかでも同じですよ。

自分の気持ちがあって情報が提示されるのと、なんの関心も気持ちもなく情報だけ提示されるのでは人間は前者の方がずっと習得実践効率が高いのです もっと簡単に言えば「人間興味がないと身につかない」ってことです。

 

 

 


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