今読んでる本。
これまた面白くて、どんどんひきこまれています。(たくさん人が亡くなってる遭難事故なので面白いというのはちょっと語弊がありますが)
1996年大量遭難事件の当事者(ロシア人ガイド)が振り返った本です。
同じ事件を書いた本は「空へ エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか」
も読みましたが、人により立場も見方も違うことに気付かされます。
登山なんかしないのにこんなにヒマラヤの本を読んでしまうのは、生と死の極限が描かれているからなんでしょうね。
1/19 読了
通勤電車の中で読みながら泣いてしまった。
ラストの邂逅はまるでおとぎ話。
ラストの邂逅はまるでおとぎ話。
映画のラストシーンのようでした。
「空へ エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか」では「ガイドの務めを果たしていない」と徹底的に批判されていたブクレーエフ氏ですが、この本を読むと彼の誠実さや登山家魂を素直に感じることができ、「空へ~」の記述が眉唾に感じられます。もちろん誰しも神の視点には立つことは不可能なので、「空へ~」の著者にも言い分があるとは思いますが。
1990年代にエベレスト登山が商業化され、それによっていろいろなひずみが生じ、ブクレーエフのような従来型の登山家の精神が通用せず、非難される・・・この遭難事件はそのひずみの現れだと思います。
今はもっともっと商業化されていて、頂上付近での渋滞などもニュースになっていますし、ごみ問題も深刻らしいです。アジアの最貧国の一つネパールの貴重な外貨獲得源でもあり、この問題も資本主義の問題につながっていきます。
でもこの本の中で読み取れるブクレーエフの人柄、山への思い、人への敬意には素直に感動します。
いまNHKでやってて録画してみてる「グレートヒマラヤ」に登場する貫田宗男さんもこの本に出てきます。エベレストほどの山にかかわる人は世界でもそうそう多くはなく、つながっているのですね。番組の中で重廣恒夫さんや松田宏也さん(ミニヤコンカで奇跡の生還を果たした人)に遭遇する場面が出てきましたが、本で読んだ「すごい人」に続々出会うのがヒマラヤなんだな。。(いえ、私がそこに行ったとしても会えないと思いますが)