
皆さんこんにちは。
信州安曇野・おぐらやま農場で果樹栽培をしております
松村暁生(まつむらあきお)と申します。

2003年に新規就農し今シーズンで22年目。
当初より低農薬栽培を志向し取り組んできた訳ですが、
当地標準使用量の5割減、7割減と理想ばかりが先行し
失敗ばかり重ねていた初めの6年ほど。
肥料散布の多寡によって
病虫害の軽重がはっきり変化することに気付いたところから、
無施肥栽培への転換を始めます。
しかしただ窒素肥料をやめればよいという単純なものではなく
管理作業の内容が変わらないうちは年々樹勢が弱り、
枝が伸びず果実が太らない、
樹勢が弱るからまた病害に弱くなるという
なかなか安定できない8年ほどがありました。
大きな転機になったのは広島の自然栽培指導者、
道法正徳さんが提唱する道法スタイルに出会ったこと。
2016年秋のことでした。
無施肥は正解。
でも植物ホルモンのことが分からないと
無施肥栽培はうまくいかないよと、
様々な指導をもらい続けることができたおかげで、
高収量・高品質が両立する農場に変化してきました。

植物ホルモンの活性化した果物の樹たちが
どんなにいきいきとした表情をしているのか、
毎日観察し手をかけてやれるこの仕事が
本当に楽しくて有難いものだと
心の底から感じております。
気が付いたら当地標準の15%程度まで
化学農薬使用量を抑えることができるようになっていました。

高知とは距離も遠いですが、
消費者のみなさまがいつか果樹園の
見学に来てくれたら嬉しいなと思っています。

※ この記事は、NPO法人土といのち『土といのち通信』2024年10月号より転載しました。