4月22日の朝日新聞の記事「風力発電で原発40基分の発電可能 環境省試算」については、このブログでもすでに紹介しましたが、もともとは、4月21日に環境省が発表した「平成22年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査の結果について(お知らせ)」です。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13696
が、残念ながら、環境省のこの「お知らせ」はシロウトにむずかしすぎます。
すぐ挫折しました。
お役所の発表ですから、カタいのものしかたないかもしれません。
そこをシロウトにもわかるように報道するのもマスコミの仕事のはずですが、環境省のこの発表はマスコミからほとんど無視されています。
マスコミでの数少ない報道のひとつが『朝日新聞』の記事だったわけですが、『共同通信』の「47ニュース」でも報道されていました。
風力や地熱の潜在力大きいと発表 東北のエネルギー調査
環境省は21日、風力や地熱、水力発電など再生可能エネルギーの利用可能性について、東北地方(新潟県を含む)では、火力や原子力などによる現行の発電量を上回る潜在力があるとする調査結果を発表した。福島第1原発事故を受け原子力を含むエネルギー政策の見直しが避けられない中、注目を集めそうだ。
環境省が民間調査会社に調査を委託。規制などのため立地困難な場合を除き、風速や河川流量などの一定要件を満たす場所すべてで設置を進めると仮定し、発電可能な電力量を推計した。
それによると、風力発電は陸上と洋上設置を合わせて全国で19億キロワットの発電が可能だった。うち東北地方は3億キロワットで、東北電力の2009年度の供給力1655万キロワットを大きく上回った。
温泉発電を含む地熱発電は、全国1400万キロワットのうち東北が350万キロワット。河川や農業用水を利用した中小水力発電は、全国1400万キロワットに対し東北430万キロワットだった。
環境省は「太陽光は地域によって大きな差は出ないが、風力や地熱は地形など自然条件から東北に大きな可能性がある」と話している。
また、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を導入した場合、事業として採算が取れる発電量も試算。風力発電は全国ベースで2400万~1億4千万キロワット、地熱発電は110万~480万キロワットだった。ただ今国会に提出済みの同制度の導入を盛り込んだ関連法案は、成立の見通しは立っていない。
URLです。
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011042101001090.html
ちなみに、マスコミではありませんが、『オルタナ』というビジネス情報誌にも環境省発表についての解説があります。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110422-00000303-alterna-soci
それによれば、環境省の試算は、風力発電の実力が、控えめにみても日本の全発電量の7割をまかなうことも可能なものであり、さらに技術革新や補助金を駆使すれば、風力だけで、日本の全発電量の7倍以上をまかなえる計算になる、ということを示すもののようです。
ところで、環境省のこの発表をうけて、4月29日の『琉球新報』にはこんな社説がでました
再生エネルギー 脱原発の国家戦略急げ
「原発震災」で、原発に頼る日本のエネルギー政策は破綻した。まずこの現実を直視したい。
原発増設を盛り込んだ現在の「エネルギー基本計画」を廃棄し、脱原発のグリーンエネルギー戦略の構築と実現を目指したい。
脱原発は世界的な流れだ。2010年の世界の発電容量は、太陽光や風力などの小規模で分散型の再生可能エネルギーが原発を初めて逆転した。
環境省の試算によると、風力発電を導入した場合、全国で19億キロワットの発電が可能だ。東北地方だけでも東北電力の供給力を大きく上回る3億キロワットの発電が可能だった。
原発はコストが安いというのは「神話」にすぎない。原子炉の建設コストは高騰している。廃炉には1基当たり数千億円掛かるといわれる。賠償リスクを加えるとさらにコストは膨らむ。
米シンクタンクは、原発より小規模分散型の発電を増やす方が、電力を早く供給できるだけでなく、年間の費用も安く済むという調査報告をまとめている。省エネや再生可能エネルギーへの投資は不確定要素が少なく、二酸化炭素(CO2)の排出量も大幅に減らせるという。
原発など大型発電所を集中的に立地する現行の電力供給体制は、大震災に対してもろかった。だが、小規模分散型発電は逆に震災に耐えた。今回の地震と津波で原発は大きな被害を受けたが、風力発電装置はほとんど被害を受けず、多くの風車が、地震直後から発電を再開した。
小規模分散型発電がなかなか普及しない背景の一つに、大型発電を主力とする電力会社が、地域ごとに発電から送配電までの全てを握り、市場をほぼ独占している実態が指摘されている。
原発の場合、メーカーやゼネコン、鉄鋼、セメントなど多くの企業が恩恵を受けている。原発を受け入れた自治体には国から交付金、原発から税金が入る。
今後のエネルギー政策はこうした仕組みと決別し、発電と送配電を分離すべきだ。太陽光、風力、地熱など再生可能エネルギー技術を確立し、分散型発電に適した高性能の次世代送電網(スマートグリッド)を開発すれば、先端技術で世界をリードし市場開拓につながる。
分散型発電の建設と新しい送電網整備に国家予算を集中的に投入すれば、雇用創出につながり経済再生にも寄与するだろう。
URLです。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-176584-storytopic-11.html
進むべき未来が見えてくる社説です。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13696
が、残念ながら、環境省のこの「お知らせ」はシロウトにむずかしすぎます。
すぐ挫折しました。
お役所の発表ですから、カタいのものしかたないかもしれません。
そこをシロウトにもわかるように報道するのもマスコミの仕事のはずですが、環境省のこの発表はマスコミからほとんど無視されています。
マスコミでの数少ない報道のひとつが『朝日新聞』の記事だったわけですが、『共同通信』の「47ニュース」でも報道されていました。
風力や地熱の潜在力大きいと発表 東北のエネルギー調査
環境省は21日、風力や地熱、水力発電など再生可能エネルギーの利用可能性について、東北地方(新潟県を含む)では、火力や原子力などによる現行の発電量を上回る潜在力があるとする調査結果を発表した。福島第1原発事故を受け原子力を含むエネルギー政策の見直しが避けられない中、注目を集めそうだ。
環境省が民間調査会社に調査を委託。規制などのため立地困難な場合を除き、風速や河川流量などの一定要件を満たす場所すべてで設置を進めると仮定し、発電可能な電力量を推計した。
それによると、風力発電は陸上と洋上設置を合わせて全国で19億キロワットの発電が可能だった。うち東北地方は3億キロワットで、東北電力の2009年度の供給力1655万キロワットを大きく上回った。
温泉発電を含む地熱発電は、全国1400万キロワットのうち東北が350万キロワット。河川や農業用水を利用した中小水力発電は、全国1400万キロワットに対し東北430万キロワットだった。
環境省は「太陽光は地域によって大きな差は出ないが、風力や地熱は地形など自然条件から東北に大きな可能性がある」と話している。
また、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を導入した場合、事業として採算が取れる発電量も試算。風力発電は全国ベースで2400万~1億4千万キロワット、地熱発電は110万~480万キロワットだった。ただ今国会に提出済みの同制度の導入を盛り込んだ関連法案は、成立の見通しは立っていない。
URLです。
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011042101001090.html
ちなみに、マスコミではありませんが、『オルタナ』というビジネス情報誌にも環境省発表についての解説があります。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110422-00000303-alterna-soci
それによれば、環境省の試算は、風力発電の実力が、控えめにみても日本の全発電量の7割をまかなうことも可能なものであり、さらに技術革新や補助金を駆使すれば、風力だけで、日本の全発電量の7倍以上をまかなえる計算になる、ということを示すもののようです。
ところで、環境省のこの発表をうけて、4月29日の『琉球新報』にはこんな社説がでました
再生エネルギー 脱原発の国家戦略急げ
「原発震災」で、原発に頼る日本のエネルギー政策は破綻した。まずこの現実を直視したい。
原発増設を盛り込んだ現在の「エネルギー基本計画」を廃棄し、脱原発のグリーンエネルギー戦略の構築と実現を目指したい。
脱原発は世界的な流れだ。2010年の世界の発電容量は、太陽光や風力などの小規模で分散型の再生可能エネルギーが原発を初めて逆転した。
環境省の試算によると、風力発電を導入した場合、全国で19億キロワットの発電が可能だ。東北地方だけでも東北電力の供給力を大きく上回る3億キロワットの発電が可能だった。
原発はコストが安いというのは「神話」にすぎない。原子炉の建設コストは高騰している。廃炉には1基当たり数千億円掛かるといわれる。賠償リスクを加えるとさらにコストは膨らむ。
米シンクタンクは、原発より小規模分散型の発電を増やす方が、電力を早く供給できるだけでなく、年間の費用も安く済むという調査報告をまとめている。省エネや再生可能エネルギーへの投資は不確定要素が少なく、二酸化炭素(CO2)の排出量も大幅に減らせるという。
原発など大型発電所を集中的に立地する現行の電力供給体制は、大震災に対してもろかった。だが、小規模分散型発電は逆に震災に耐えた。今回の地震と津波で原発は大きな被害を受けたが、風力発電装置はほとんど被害を受けず、多くの風車が、地震直後から発電を再開した。
小規模分散型発電がなかなか普及しない背景の一つに、大型発電を主力とする電力会社が、地域ごとに発電から送配電までの全てを握り、市場をほぼ独占している実態が指摘されている。
原発の場合、メーカーやゼネコン、鉄鋼、セメントなど多くの企業が恩恵を受けている。原発を受け入れた自治体には国から交付金、原発から税金が入る。
今後のエネルギー政策はこうした仕組みと決別し、発電と送配電を分離すべきだ。太陽光、風力、地熱など再生可能エネルギー技術を確立し、分散型発電に適した高性能の次世代送電網(スマートグリッド)を開発すれば、先端技術で世界をリードし市場開拓につながる。
分散型発電の建設と新しい送電網整備に国家予算を集中的に投入すれば、雇用創出につながり経済再生にも寄与するだろう。
URLです。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-176584-storytopic-11.html
進むべき未来が見えてくる社説です。