旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

日本最長距離普通列車で行く道東の旅3 富良野まで

2015-01-28 05:04:45 | 日本最長距離普通列車で行く道東の旅
 第5列車 根室本線 普通 釧路行 乗車距離 308.4㎞  日本最長距離普通列車
滝  川          09:37発
東 滝 川(ひがしたきかわ) 09:46着 09:50発
赤  平(あかびら)    09:57着 09:57発
茂  尻(もしり)     10:02着 10:03発
平  岸(ひらきし)    10:07着 10:08発
芦  別(あしべつ)    10:14着 10:15発
上 芦 別(かみあしべつ)  10:20着 10:20発
野 花 南(のかなん)    10:26着 10:26発
島 ノ 下(しまのした)   10:41着 10:42発
富 良 野(ふらの)     10:48着 11:08発
布  部(ぬのべ)     11:15着 11:15発
山  部(やまべ)     11:22着 11:23発
下 金 山(しもかなやま)  11:32着 11:32発
金  山(かなやま)    11:40着 11:40発
東 鹿 越(ひがししかごえ) 11:53着 11:54発
幾  寅(いくとら)    11:59着 11:59発
落  合(おちあい)    12:10着 12:21発
新  得(しんとく)    12:46着 12:51発
十勝清水(とかちしみず)  12:59着 13:00発
羽  帯(はおび)       レ
御  影(みかげ)     13:12着 13:16発
芽  室(めむろ)     13:36着 13:44発
大  成(たいせい)    13:47着 13:48発
西 帯 広(にしおびひろ)  13:54着 13:59発
柏 林 台(はくりんだい)  14:05着 14:05発
帯  広(おびひろ)    14:10着 14:24発
札  内(さつない)    14:30着 14:30発
稲 士 別(いあなしべつ)    レ
幕  別(まくべつ)    14:41着 14:46発
利  別(としべつ)    14:53着 14:53発
池  田(いけだ)     14:58着 14:59発
十  弗(とおふつ)    15:08着 15:08発
豊  頃(とよころ)    15:14着 15:15発
新 吉 野(しんよしの)   15:22着 15:22発
浦  幌(うらほろ)    15:29着 15:35発
上 厚 内(かみあつない)  15:58着 15:58発
厚  内(あつない)    16:06着 16:06発
直  別(ちょくべつ)   16:14着 16:15発
尺  別(しゃくべつ)   16:20着 16:20発
音  別(おんべつ)    16:25着 16:25発
古  瀬(ふるせ)     16:36着 16:41発
白  糠(しらぬか)    16:48着 16:53発
西 庶 路(にししょろ)   16:59着 16:59発
庶  路(しょろ)     17:02着 17:03発
大 楽 毛(おたのしけ)   17:13着 17:25発
新大楽毛(しんおたのしけ) 17:28着 17:29発
新 富 士(しんふじ)    17:34着 17:35発
釧  路(くしろ)     17:39着
 
滝川駅からは、今回の旅のメインの一つ目の根室本線を走っている「日本最長距離普通列車」に乗車します。


 根室本線は、滝川駅から富良野町・帯広市・釧路市を経て根室市の根室駅を結ぶ、総延長443.8㎞の路線です。日高山脈を貫く石勝線が開通する前までは、函館・札幌方面と帯広・釧路方面を結ぶ幹線でした。このうち釧路駅から根室駅までの区間には「花咲線」の愛称が付けられています。


 この「日本最長距離普通列車」は滝川駅を9時37分に発車し、308.4㎞を8時間2分かけて走り、終着釧路駅に17時39分に着きます。駅構内にもこの列車のポスターが貼ってありましたからJR公認と言っていいでしょう。
 と言うのも、山陽本線の岡山駅6時57分発下関駅14時21分着の普通列車が363㎞を7時間24分かけて走っているのです。しかしこちらは、岡山駅から1725M、途中糸崎駅から33M、岩国駅からは3341Mと車両が同じでも、列車番号が変わるので同列車と見なさないのが一般的なようです。
 いよいよ乗車です。JR北海道はほとんどの駅で発車5分前にならないと改札しませんが、「日本最長距離普通列車」は、15分ほど前に入ってきました。


 ポスターには国鉄色「朱色5号」を塗装したキハ40系が乗っていましたが、こちらは第2・第4土曜日限定の運転。今日は、JR北海道標準塗装のキハ40-1778が1両で「日本一長い距離を走る定期普通列車(2429D)」と添え書きされた行先票(サボ)をつけていました。


 ほぼ満席状態で定刻通りの9時37分に1番ホームから出発しました。
 滝川駅を出発し、すぐに函館本線と別れて滝川の市街地をかすめるように走ると、東滝川駅に到着しました。4分の停車で富良野発滝川行快速列車行き違うのですが快速が遅れていたため9分停車しました。ここでは、本州で見たことのない草刈り装置をつけたモーターカーが止まっていました。


 5分遅れで東滝川駅を出て次の赤平駅の間で空知川を渡ります。この先かなやま湖まで延々空知川に沿って走り、何度も川を渡ります。


 赤平駅は総工費18億円をかけて平成11年10月にオープンした「赤平市交流センターみらい」という6階建ての立派な建物。札幌駅を除くJR北海道の駅舎としては最高層建築だそうです。
 次の茂尻駅は、駅名は「もしり」と濁りませんが、地元では「もじり」と言い、バス停も「もじり」だそうです。


 赤平、茂尻、平岸、芦別と道路に沿って集落が続くのは炭鉱町独特のものだそうです。このあたりの線路は山側の小高いところを走っており、途中で国道38号と空知川を見下ろす絶景のポイントがあります。この空知川は延長195km。石狩川、天塩川に次ぐ北海道第3の大河です。

(国道38号と空知川~茂尻・芦別間~)

 平岸駅を過ぎ、間もなく芦別駅に着く頃、左前方に「北の京・芦別」のシンボルである、北海道大観音が見えてきます。「北の京・芦別」は、北芦別市にある、「芦別レジャーランド」として生まれ、その後「北の京・芦別」に改称された宿泊施設を備えたレジャーランドで、巨大な観音像の他にも日本各地の名所を模して造られた旅館や神社があることで知られているそうです。


 芦別駅前には小さな五重塔がありますが、下が電話ボックスになっていました。「北の京・芦別」には五重塔のホテルがあるとのことです。


 芦別駅を出ると、かつて炭鉱の城下町として栄えた上芦別駅。そして野花南駅。当て字も美しく響きもいいのですが、アイヌ語の語源でヌカナンは「しかけ弓の糸を置くところ」だそうです。野花南駅では池田発滝川行と行き違いました。


 野花南駅から次の島ノ下駅までは13.9㎞15分ほどですが、途中5,595mの滝里トンネルと2,839mの島ノ下トンネルが短いスノーシェルターでつながっている所を7~8分かけて通過すると島ノ下駅に着きます。


 島ノ下駅付近は空知川沿いを走り根室本線が富良野線に合流するようにして、富良野駅構内に入ると、左手に貨物のコンテナが集積していました。道内有数の農業地帯である富良野盆地からはこのコンテナで農産物が出荷されているそうですが、出荷の最盛期には普段のトラック輸送に加えて貨物列車が臨時に運転されるそうです。


 富良野は、ドラマ「北の国から」ロケ地で今でも北海道で人気のある観光地の一つです。列車で訪れる観光客も多く、今の時期はリーゾート気動車を使った札幌との間で3往復運転されています。
 富良野駅では20分間の停車。駅にはキヨスクのほか、立ち食いそばとしては珍しい名前の付いた「圭子ちゃんの店」が営業していました。


 「展望台のある駅は当駅だけです」という跨線橋があったが、平成12年1月12日、跨線橋の横に自由通路「ポッポブリッジ」が完成し、十勝岳連峰、芦別岳・夕張岳の素晴らしい展望は遮られていました。


 富良野に開拓が始まって数年後の大正3年、当時の京都帝国大学理学部教授新城蔵博士ら一行が地球重力の測定・天文観測・経緯度測定のため機械を据え付けた地がここで、「北海道のへそ」として全国に知られるようになりました。跨線橋の階段には毎年夏に開かれる「北海へそ祭り」のイラストが描かれていました。



 つづく