次の比羅夫までは、尻別川の渓谷や羊蹄山、ニセコアンヌプリなどの山々が見え、景色を楽しむことができる区間でした。
比羅夫の地名は、日本書紀に阿倍比羅夫がここにに郡領を置いたという伝説によるそうです。一時期は羊蹄山などの登山基地として賑わっていましたが駅も無人化され、駅舎は民宿も担っていて、ホーム横には離れのコテージがありました。
比羅夫の次は、カタカナ表記のニセコ。開業当時は真狩駅。しかし真狩は隣村の名前なので本来の町の名をとって狩太駅にに改称。その後、町名が狩太町からニセコ町に改称したのに合わせて駅名も改められました。ただし、この町名変更は、ニセコの入り口にある駅の名前を「ニセコ」にしたいと言ったことに、当時の国鉄が難色を示したために、それならと、町名をニセコに変えることによって、変えさせたという説もあります。
ニセコにも、倶知安と同じく「むかい鐘」のレプリカがありました。
引き続き羊蹄山やニセコの山々を見ながら、昆布を目指します。
海辺でもないのに地名が「昆布」。その由来には諸説ありますが、一説には近くの山「昆布岳」に由来し、この山はかつてアイヌ語でトコンポ・ヌプリ(小さなこぶ山の意味。ヌプリは「山」)と呼ばれており、これが転じて「昆布岳」となり、ここから地名「昆布」が生まれたと言われています。
もう一説は、この地域は尻別川、昆布川の合流点にあり、古くから農産物の産地でした。また、日本海に面する磯谷にも近く、そこでは海産物が豊富に取れました。昔、アイヌの人たちは昆布などの海産物を持ってこの昆布地区にきて農産物との物々交換をしたといいます。当時は道もなかったので目印として立ち木に昆布をしばりつけ、それを目当てに歩いたと言われ、そこから「昆布」となったとも言われています。
なお、昆布はアイヌ語からの外来語と言われています。
昆布の次は、蘭越。
駅舎の壁に掲げられた「蘭越駅」の大きな駅名標が印象的でした。ホームからは、ニセコの山々も見えました。
蘭越は尻別村から分村して南尻別村となりましたが、町制施行にあたって役場所在地が蘭越にあることから町名を蘭越町と改称したそうです。蘭越とは、アイヌ語の「ランコ・ウシ」が訛ったもので、桂の木の多い所という意味だそうです。
ちなみに、町の花木は「こぶし」だそうです。
駅の横には、花いっぱいの町だけあって、公園などが整備されていました。
10分停車の後、目名を目指します。
ここまで、「山線」と言われるように、20‰の勾配で小樽・塩谷間の於多萌峠、銀山・小沢間の稲穂峠、小沢・倶知安間の倶知安峠と大きな山越えをしてきて、再び20‰の勾配で標高を上げ、車窓には針葉樹の保安林が途切れ途切れに続きます。
目名駅はログハウスの駅舎でした。
ここには、平成12年の有珠山噴火で室蘭本線が一時不通になり、特急列車が函館線を迂回したとき、輸送力を上げるため、一度廃止された交換設備の復活工事をした跡が残っていました。しかし、完成と同時に迂回運転も終わったので実際に使用されることはなかったとのことです。
列車は更に列車は高度を上げます。
長いスノーシェルターを抜け、カーブを切ると短いスノーシェルターが。ここが最後のサミット。
ここからS字にカーブしながら、第二、第一白井川トンネルを越え下っていくと、勾配もなだらかになってくると熱郛です。
アイヌ語のクンネ・ネッ・ペッ(黒い漂木のある川)が由来なのですが、この熱郛駅、開業当初は熱郛駅、その1年後に歌棄(うたすつ)駅に改称。そしてその1年後に再び熱郛駅に改称し、現在に至っています。
そもそも、歌棄とは日本海に面した寿都湾にある寿都町の集落の地名だそうです。たった1年の改称の理由は定かではありません。
駅舎は「熱郛ホール」となっていました。
次の黒松内までは、函館本線で15.5㎞の最長駅間。
黒松内は、黒松が生い茂るところが地名の由来かと思ったら、ここは北海道。アイヌ語のクル・マッ・ナイ(大和民族の女がいる沢)由来とのこと。江戸時代、北海道に渡来していた和人・大和民族は大抵が男で、女性が大変に珍しかったのでついた地名とのこと。
なぜ、ここに女性がいたかと言えば、漁師である夫を慕って蝦夷地に渡ろうとした妻の船が難破し、やむなくここにとどまったという言い伝えがあるそうです。
次の蕨岱は、名の通りかつてはワラビが群生していたことからついた地名。駅舎は「山線」では珍しい車掌車を改造した駅舎でした。駅名を50音順に並べると最後に出てくる駅名でもあります。
終点長万部の一つ手前が、二股。内浦湾に注ぐ長万部川をさかのぼってくると、ここで知来川と二股川に分かれることからついた地名。ここは貨車駅でした。
二股を出て、道央自動車道をくぐり大きく右へカーブすると、かつては鉄道の要衝であったことわかる長万部駅の広い構内が見えてきます。
長万部には定刻の11時13分に到着しました。
普通列車の旅の場合、長万部では必ず乗り換えをしなくてはなりません。
つづく
比羅夫の地名は、日本書紀に阿倍比羅夫がここにに郡領を置いたという伝説によるそうです。一時期は羊蹄山などの登山基地として賑わっていましたが駅も無人化され、駅舎は民宿も担っていて、ホーム横には離れのコテージがありました。
比羅夫の次は、カタカナ表記のニセコ。開業当時は真狩駅。しかし真狩は隣村の名前なので本来の町の名をとって狩太駅にに改称。その後、町名が狩太町からニセコ町に改称したのに合わせて駅名も改められました。ただし、この町名変更は、ニセコの入り口にある駅の名前を「ニセコ」にしたいと言ったことに、当時の国鉄が難色を示したために、それならと、町名をニセコに変えることによって、変えさせたという説もあります。
ニセコにも、倶知安と同じく「むかい鐘」のレプリカがありました。
引き続き羊蹄山やニセコの山々を見ながら、昆布を目指します。
海辺でもないのに地名が「昆布」。その由来には諸説ありますが、一説には近くの山「昆布岳」に由来し、この山はかつてアイヌ語でトコンポ・ヌプリ(小さなこぶ山の意味。ヌプリは「山」)と呼ばれており、これが転じて「昆布岳」となり、ここから地名「昆布」が生まれたと言われています。
もう一説は、この地域は尻別川、昆布川の合流点にあり、古くから農産物の産地でした。また、日本海に面する磯谷にも近く、そこでは海産物が豊富に取れました。昔、アイヌの人たちは昆布などの海産物を持ってこの昆布地区にきて農産物との物々交換をしたといいます。当時は道もなかったので目印として立ち木に昆布をしばりつけ、それを目当てに歩いたと言われ、そこから「昆布」となったとも言われています。
なお、昆布はアイヌ語からの外来語と言われています。
昆布の次は、蘭越。
駅舎の壁に掲げられた「蘭越駅」の大きな駅名標が印象的でした。ホームからは、ニセコの山々も見えました。
蘭越は尻別村から分村して南尻別村となりましたが、町制施行にあたって役場所在地が蘭越にあることから町名を蘭越町と改称したそうです。蘭越とは、アイヌ語の「ランコ・ウシ」が訛ったもので、桂の木の多い所という意味だそうです。
ちなみに、町の花木は「こぶし」だそうです。
駅の横には、花いっぱいの町だけあって、公園などが整備されていました。
10分停車の後、目名を目指します。
ここまで、「山線」と言われるように、20‰の勾配で小樽・塩谷間の於多萌峠、銀山・小沢間の稲穂峠、小沢・倶知安間の倶知安峠と大きな山越えをしてきて、再び20‰の勾配で標高を上げ、車窓には針葉樹の保安林が途切れ途切れに続きます。
目名駅はログハウスの駅舎でした。
ここには、平成12年の有珠山噴火で室蘭本線が一時不通になり、特急列車が函館線を迂回したとき、輸送力を上げるため、一度廃止された交換設備の復活工事をした跡が残っていました。しかし、完成と同時に迂回運転も終わったので実際に使用されることはなかったとのことです。
列車は更に列車は高度を上げます。
長いスノーシェルターを抜け、カーブを切ると短いスノーシェルターが。ここが最後のサミット。
ここからS字にカーブしながら、第二、第一白井川トンネルを越え下っていくと、勾配もなだらかになってくると熱郛です。
アイヌ語のクンネ・ネッ・ペッ(黒い漂木のある川)が由来なのですが、この熱郛駅、開業当初は熱郛駅、その1年後に歌棄(うたすつ)駅に改称。そしてその1年後に再び熱郛駅に改称し、現在に至っています。
そもそも、歌棄とは日本海に面した寿都湾にある寿都町の集落の地名だそうです。たった1年の改称の理由は定かではありません。
駅舎は「熱郛ホール」となっていました。
次の黒松内までは、函館本線で15.5㎞の最長駅間。
黒松内は、黒松が生い茂るところが地名の由来かと思ったら、ここは北海道。アイヌ語のクル・マッ・ナイ(大和民族の女がいる沢)由来とのこと。江戸時代、北海道に渡来していた和人・大和民族は大抵が男で、女性が大変に珍しかったのでついた地名とのこと。
なぜ、ここに女性がいたかと言えば、漁師である夫を慕って蝦夷地に渡ろうとした妻の船が難破し、やむなくここにとどまったという言い伝えがあるそうです。
次の蕨岱は、名の通りかつてはワラビが群生していたことからついた地名。駅舎は「山線」では珍しい車掌車を改造した駅舎でした。駅名を50音順に並べると最後に出てくる駅名でもあります。
終点長万部の一つ手前が、二股。内浦湾に注ぐ長万部川をさかのぼってくると、ここで知来川と二股川に分かれることからついた地名。ここは貨車駅でした。
二股を出て、道央自動車道をくぐり大きく右へカーブすると、かつては鉄道の要衝であったことわかる長万部駅の広い構内が見えてきます。
長万部には定刻の11時13分に到着しました。
普通列車の旅の場合、長万部では必ず乗り換えをしなくてはなりません。
つづく