井上ひさしさんの『ボローニャ紀行』(文春文庫)に、イタリアの憲法について書かれています。
日本国憲法の前文や第九条と同じようにイタリア憲法第一条もすこぶる感動的です。
<イタリアは、労働に基礎を置く民主的共和国である。
主権は、人民に属する。人民は、この憲法の定める形式および制限において、これを行使する。>(宮沢俊義編『世界憲法集第四版』岩波文庫)
まずここが労働者の国であること、そして憲法は国家に対する人民からの命令であることが示されています。さっそく注釈を入れると、憲法が人民から国家への命令書であるのに対し、法律は国家から人民への命令です。
では、憲法と法律が衝突したときはどうなるか。もちろん、そのあらゆる場合において、憲法が法律に優越します。憲法の方が法律よりはるかに強くて、偉いんです。そして、国家の決める法律が憲法に背いていないかどうかを監視するのが最高裁判所。ここまでのことは、わたしたちの日本国憲法にもそのまま当てはまります。最も日本国の最高裁判所はウッカリ者で、憲法に背く法律が発令されても、気がつかない(ふりをしている)ようですが。
アタマから七面倒なことを言っておりますが、でも、ここを押さえておかないと、ボローニャの人たいtが、どうしてやたらに組合を作ろうとするのか、それがわからなくなります。さらにイタリア憲法の第四十五条を読んでみましょう。
<(イタリア)共和国は、相互性の性格を有し、私的投機の目的を有しない協同組合の社会的機能を承認する。法律は、最も有効な方法により、その増加を推進し、助成し、および適当な監督により、その性格と目的とを確保する。>
互いに共生するための社会的協同組合をどしどし作りましょうと、人民が宣言しているわけです。国家は、そのための法律をきちんと作りなさいと、これまた人民が国家に命令しているのです。(75〜76ページ)
イタリアの協同組合については、この本のあちらこちらに登場していますが、憲法とは何かを掴む上でとても大事ではないかということで紹介しておきます。
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