『ボローニャ紀行』のメモ書き。
以下の引用は、日本でも大量の派遣切りがあった際、年越し派遣村が開かれたように、情報が届くことが大事なことを示しています。
今から二十年近く前、ボローニャの街のそこここにホームレスの姿が目につくようになったが、それに鋭く反応したのがボローニャ大学の三人の学生だったそうで、「ホームレスの出現によって街の風景が変わりはじめた。この事実を早く市民たちに伝えたい。それには新聞を出すのが効果的だ」と考え、企画書を書いて市役所に提出しました。こういうことにすぐ予算をつけるのがこの街のいいところで、さっそく新聞が発行されることになりました。
(略)仕事と住まいを失ったとき、まずどこへ相談に行くべきか、どこへ行けばシャワーが浴びられるか、洗濯はどこですればいいか、無料宿泊所はどこか、衣類はどこで入手できるか、体調をこわしたらどこへ駆け込めばいいか、法律相談はどこですればいいか……そういった情報がぎっしりと詰まっている。そんな情報紙ならどこにでもあるとおっしゃる方もおいででしょうが、しかし、その内容と文体が傑作で、たとえば、「食事」という欄を見ると、
<インディペンデンツァ通りの高級料理店ディアナでは、水曜と木曜はパンヤハムがあまるから、閉店間近かの午後十時すぎに裏口へ行くのがいい。ただし、給仕のジュリアーノはケチな上に無愛想なので、彼を避けるのが賢明である。ジュリアーノは大男で、若いのに禿げているからすぐわかる。>(42〜44ページ)
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