3月12日の衆院国土交通委員会で、日本共産党の穀田恵二衆院議員の質問に対し、冬柴鉄三大臣が、東京湾口道路など6つの海峡横断道路プロジェクト(上の図参照)の調査を中止すると明言しました。
この海峡横断道路は膨大な税金の無駄づかいです。すでにつくられたアクアラインは、1メートル作るのに1億円もかけましたが、利用者は計画の4割程度とか。ものすごい赤字路線です。
その上さらに6本も。正気の沙汰とは思えない計画でした。
この新たな海峡横断道路については、穀田議員や笠井議員が「無謀な計画は撤回すべき」と政府を追及していました。
その成果で、3月7日には、国土交通省の道路関係業務改革本部が、海峡横断プロジェクトの調査を請け負っていた財団法人「海洋架橋・橋梁調査会」の2009年度中の解散を決定した中間まとめを発表。そして今回、冬柴大臣は、「今国会での論議をふまえ、今後(調査を)行わないという決断をした」と答弁したのです。
日本共産党は、さらに、海峡横断プロジェクト計画そのものを国交省の「国土形成計画」から削除し、中止するべきだと求めています。冬柴大臣は、「国土形成計画にどう書くかは慎重に検討させてほしい」と述べたそうです。
以下、2月21日の論戦を紹介するしんぶん「赤旗」の記事の引用です。
まだ造るか巨大横断道
無謀な計画撤回せよ
笠井議員追及 国交相が再検討表明
日本共産党の笠井亮議員は二十一日の衆院予算委員会で、道路特定財源をもとに採算を度外視した六横断道計画などが次々に進む実態を示し、「無謀な計画は撤回すべきだ」と政府に迫りました。野党席からは応援、与党席からは驚きの声が上がり、冬柴鉄三国交相は「今日の議論を踏まえ検討する」と答えざるをえませんでした。
笠井氏はまず、「全国一の大赤字路線」と言われる東京湾横断道路=アクアライン(総額一兆四千億円)の実態を告発。交通量は当初計画のわずか四割です。一九九七年開通以降、十年で三度も借金返済計画が作り直されています。
「政治の責任は重大だ」と批判した笠井氏は、政府が東京湾に、さらに新しい道路建設計画(東京湾口道路)まで立てていることを示し、「成功する保障がどこにあるのか」とただしました。しかし、冬柴国交相は「(建設費が)いくらかかるか分からない」などと答弁しました。
笠井氏は、政府が東京湾口道路だけでなく、全国に六カ所(図)も海峡横断道路の新建設を計画し、今年三月に閣議決定しようとしていると暴露しました。
「(計画は)調査の段階」などと弁明する冬柴国交相に対し、笠井氏が「調査はいくらで、どんな団体がやっているのか」とただすと、平井たくや国交副大臣は、調査費が七十七億円にのぼることを明らかにしましたが、「発注先を特定することは困難」と繰り返すだけ。
笠井氏は「税金を使った調査が、どんな団体に渡っているかも言わないのはとんでもない」と批判。独自の調べで、国交省の天下りや大手ゼネコン役員が理事をつとめる財団法人「海洋架橋・橋梁調査会」が調査を請け負っていることを明らかにして、「これでは自分たちがうまくもうかるよう調査をしていると言われても仕方ない」と、閣議決定をやめるよう求めました。
冬柴国交相は「庶民の目で見ておかしいと思うものは、改革する」と述べ、年度末の閣議決定についても再検討を表明しました。
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