”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

トランス脂肪酸について考えた

2011-04-22 15:07:45 | お勉強

袋井市健康づくり食生活推進協議会の総会が開かれ、

その後の研修会で日本植物油協会の方の講演を拝聴しました。

テーマは「知っておきたい植物油の基礎知識」。

その中で、トランス脂肪酸について触れられたのですが、

私は正直悩んでしまいました。

 

では、トランス脂肪酸の簡単な説明から入ります。

●トランス脂肪酸って何?

 植物油に含まれる「不飽和脂肪酸」は健康効果が期待できますが、

 酸化しやすく、日持ちが悪いという弱点もあります。

 そこで、植物油に水素を添加し、固体化あるいは半固体化することで

 日持ちも食感も良くなるマーガリンなどが作られました。

 しかし、この水素を添加する時に発生するのがトランス脂肪酸です。

 

●トランス脂肪酸の健康に与える影響は

 悪玉コレステロールを増やすだけでなく、善玉コレステロールを減らし、

 心疾患のリスクを高めると言われています。

 

しかし、講師の先生は

「トランス脂肪酸は昔から摂っているもの。

 昨日まで平気で食べていたものが、急に毒物になることはない。」

とおっしゃいます。

確かに、トランス脂肪酸はマーガリンなどの加工品以外にも、

牛乳、牛肉、羊肉など天然のものにも微量ながら含まれています。

 

また、「トランス脂肪酸が日本では問題にならない。」という時に

必ず引き合いに出されるのが、日本とアメリカの食生活の違い。

WHOは2003年に、トランス脂肪酸の摂取を

総エネルギー摂取量の1%未満となるように勧告していますが、

日本の摂取量は0.6%程度です。

gで表すと、日本1.56g以下、アメリカ5.8gとなります。

1年間に牛肉を食べる量も、日本9kg、アメリカ43kg。

つまり、食生活が全く異なる国と比較して、余計な不安をあおることはない

ということらしいのですが・・・。

 

しかし、若者や女性の中にはトランス脂肪酸の摂取量が

基準値を超える人が増えているとの報告もあります。

日本における食の欧米化、脂質の摂り過ぎに関しては

決して楽観はできないと思うのです。

安心を確保するためにも、トランス脂肪酸の表示は必要なのでは?

コメント (2)
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