袋井市健康づくり食生活推進協議会の総会が開かれ、
その後の研修会で日本植物油協会の方の講演を拝聴しました。
テーマは「知っておきたい植物油の基礎知識」。
その中で、トランス脂肪酸について触れられたのですが、
私は正直悩んでしまいました。
では、トランス脂肪酸の簡単な説明から入ります。
●トランス脂肪酸って何?
植物油に含まれる「不飽和脂肪酸」は健康効果が期待できますが、
酸化しやすく、日持ちが悪いという弱点もあります。
そこで、植物油に水素を添加し、固体化あるいは半固体化することで
日持ちも食感も良くなるマーガリンなどが作られました。
しかし、この水素を添加する時に発生するのがトランス脂肪酸です。
●トランス脂肪酸の健康に与える影響は
悪玉コレステロールを増やすだけでなく、善玉コレステロールを減らし、
心疾患のリスクを高めると言われています。
しかし、講師の先生は
「トランス脂肪酸は昔から摂っているもの。
昨日まで平気で食べていたものが、急に毒物になることはない。」
とおっしゃいます。
確かに、トランス脂肪酸はマーガリンなどの加工品以外にも、
牛乳、牛肉、羊肉など天然のものにも微量ながら含まれています。
また、「トランス脂肪酸が日本では問題にならない。」という時に
必ず引き合いに出されるのが、日本とアメリカの食生活の違い。
WHOは2003年に、トランス脂肪酸の摂取を
総エネルギー摂取量の1%未満となるように勧告していますが、
日本の摂取量は0.6%程度です。
gで表すと、日本1.56g以下、アメリカ5.8gとなります。
1年間に牛肉を食べる量も、日本9kg、アメリカ43kg。
つまり、食生活が全く異なる国と比較して、余計な不安をあおることはない
ということらしいのですが・・・。
しかし、若者や女性の中にはトランス脂肪酸の摂取量が
基準値を超える人が増えているとの報告もあります。
日本における食の欧米化、脂質の摂り過ぎに関しては
決して楽観はできないと思うのです。
安心を確保するためにも、トランス脂肪酸の表示は必要なのでは?