宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

ほうきと大鍋

2008年05月18日 | Weblog
(画像はクリックされましたら拡大します。)

アメリカの「スコット・カニンガム」氏は、有名な魔法の
研究家で、著作も多数あります。
ハーブや民間の魔法、神話や伝承などに非常に詳しい方ですが、
そうした魔法に関する事は、父親の継承であるとの事です。

そうした多数の著作から日本語ではこれまで「アメリカの自然魔術」
などの二冊ほどが邦訳されましたが、現在全て絶版で入手が
難しい本となっています。

しかし今月画像の本が出版され、今の所唯一入手が容易な、
氏の邦訳本となりました。

邦題の「神と結ばれる魔術」と言えば、人によっては過剰な反応を
呼び起こしてしまいそうですが、内容的にはそれほど難しくなく、
また日本人は一般的にキリスト教文化の影響も少ないので、
西洋人よりもむしろ心理的抵抗が少なく読めるのではないかと思われ
ました。

この本の主題である「自然魔術」というのは著者が言うように、
「自然への畏敬をテーマにして緩やかに結ばれた者達の実践」であり、
また訳者が言うように、「自然への畏敬の念を持って、季節の変わり目ごとに、
自然のリズムに自らを調和させ、その力を取り入れる」というもので、
恐怖や流血や狂気を引き起こすようなものでは決してありません。

本中では月齢や節におけるそれぞれの祝い方や石の使用法の紹介が
特に詳しいですが、この本にも「ルーン文字」に関する事が紹介
されています。
特にあまり一般的ではないルーン文字も掲載されており、興味深く
感じました。

この本はもったいぶった書き方ではなく、非常に平易な文章で
書かれてあってとても読み易い印象を受けましたが、著者の言葉で
共感させて頂いたものがあります。


「パワーは人に危害を加え、傷つけるため、或いは人を支配する
目的で使ってはならない。
但し人生を守るため、或いは他者の生活を守る必要がある場合は、
使われるべきです。

パワーが使われるのは、やむを得ない場合のみです。
(中略)

傲慢な利益獲得のためにパワーを使ってはならない。
パワーは女神、男神からの神聖な贈り物で、悪用や乱用は禁物で
ある事を忘れてはなりません。

これがパワーの掟なのです。」


ここでは「パワー」と説明されていますが、魔法に関する知識の悪用や、
魔法に関わる男女の集まりにおける序列の権威に関しても同じ事が
言えるように感じました。

「魔法」の知識を得た事で自分が特別に偉大な存在と感じて、他者に対し
何から何まで押し付けて命令したり、他人を利用出来る権利を得たと
思ったり、知識を受け売りしたり、気ままに解放して自己利益を
得ようとしたり、パワーそのものを乱用しようという姿勢には必ず
それに応じた反動があるのだと思います。
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