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本日偶然読んだ、90年代に出された某雑誌からです。
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【ホンモノの達人の極意】
どこの世界にも、その道の達人はいる。
だが、本物は少ない。
昔、中国に木の像を彫る名人がいた。名前はリン。
彼の彫る虎は本物そっくりで、生きているように見えたという。
また鳥を彫らせれば、今にも飛び立ってしまうのではないかと思わせる
出来栄えだったらしい。
人々は彼を「北の国一の名人」と褒め称え、彼は自らを「東方随一の
彫物師」と自慢した。
ある日リンの耳に、像を彫る名人が南の国にもいると云う噂が入る。
その名人の名はワン。
ワンの彫った鳥は美しい鳴き声で鳴くという専らの評判である。
そこでリンはどちらが本当の名人か勝負したくなった。
やがて時の皇帝がその勝負の審判を引き受けたが、二人の彫った像は
どちらも素晴らしく、勝負が何日続いても引き分けに終わりそうだった。
リンは「自分こそ天下一の彫物師」と人々に言わせたかった為に
非常に焦っていた。
そこでリンは最後の勝負を仏像で行おうと提案した。
仏像であれば勝てるという勝算が、彼にはあった。
自分を援助してくれる金持ちに頼んで、金箔を存分にしようした仏像を
作って、勝とうという作戦である。
そして観音像で決着をつける事が決まった。
この勝負では、「どちらが拝みたくなるか」という一般人の審査までも
加えられる事になった。
リンは何人もの弟子を使い、贅沢に金を使用する。
それに対し、ワンはただ一人で静かに滝に打たれていた。
審査員達は既にリンの勝利をささやき合っていた。
リンは絢爛豪華な世にも美しい観音像を作る事に成功し、審査員を
唸らせた一方、ワンが作った観音像は木彫りの素朴なものだった。
まずリンの作った観音像が一般人の前に公開され、どよめきの声が
上がった。
その声を聞いたリンは、自分の勝利を確信した。
次はワンの番であるが、ワンの観音像はこつ然と消えてしまっている
ではないか!
何とワンの作った観音像は、天に昇って世の人々を救いに行ったのである。
【本物とニセモノはどう違うのだろう】
何から何までそっくりに真似ても、偽物はやはり本物になれない。
何故なら、本物とは形の事ではないからだ。
(後略)
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この後は「本物の人生」を生きるにはどうするか、という話になり、
「人の評価よりも、天に認められる事の素晴らしさ」が説かれ、
また
「誰かに評価されなくても平気な人になろう。
天知る、地知る、我知る、それでいい。」
というわかり易い言葉があります。
ニセモノというのは単に他の真似やコピーをするという事だけでなく、
勝ち負けや、外からの評判や評価、自分の体面を異常に気にするという
共通点があるのかもしれません。
いずれにしても偽物はどう真似しても「表面的で浅い」という事で、
そして本物を越える可能性がないという事でしょう。
本日偶然読んだ、90年代に出された某雑誌からです。
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【ホンモノの達人の極意】
どこの世界にも、その道の達人はいる。
だが、本物は少ない。
昔、中国に木の像を彫る名人がいた。名前はリン。
彼の彫る虎は本物そっくりで、生きているように見えたという。
また鳥を彫らせれば、今にも飛び立ってしまうのではないかと思わせる
出来栄えだったらしい。
人々は彼を「北の国一の名人」と褒め称え、彼は自らを「東方随一の
彫物師」と自慢した。
ある日リンの耳に、像を彫る名人が南の国にもいると云う噂が入る。
その名人の名はワン。
ワンの彫った鳥は美しい鳴き声で鳴くという専らの評判である。
そこでリンはどちらが本当の名人か勝負したくなった。
やがて時の皇帝がその勝負の審判を引き受けたが、二人の彫った像は
どちらも素晴らしく、勝負が何日続いても引き分けに終わりそうだった。
リンは「自分こそ天下一の彫物師」と人々に言わせたかった為に
非常に焦っていた。
そこでリンは最後の勝負を仏像で行おうと提案した。
仏像であれば勝てるという勝算が、彼にはあった。
自分を援助してくれる金持ちに頼んで、金箔を存分にしようした仏像を
作って、勝とうという作戦である。
そして観音像で決着をつける事が決まった。
この勝負では、「どちらが拝みたくなるか」という一般人の審査までも
加えられる事になった。
リンは何人もの弟子を使い、贅沢に金を使用する。
それに対し、ワンはただ一人で静かに滝に打たれていた。
審査員達は既にリンの勝利をささやき合っていた。
リンは絢爛豪華な世にも美しい観音像を作る事に成功し、審査員を
唸らせた一方、ワンが作った観音像は木彫りの素朴なものだった。
まずリンの作った観音像が一般人の前に公開され、どよめきの声が
上がった。
その声を聞いたリンは、自分の勝利を確信した。
次はワンの番であるが、ワンの観音像はこつ然と消えてしまっている
ではないか!
何とワンの作った観音像は、天に昇って世の人々を救いに行ったのである。
【本物とニセモノはどう違うのだろう】
何から何までそっくりに真似ても、偽物はやはり本物になれない。
何故なら、本物とは形の事ではないからだ。
(後略)
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この後は「本物の人生」を生きるにはどうするか、という話になり、
「人の評価よりも、天に認められる事の素晴らしさ」が説かれ、
また
「誰かに評価されなくても平気な人になろう。
天知る、地知る、我知る、それでいい。」
というわかり易い言葉があります。
ニセモノというのは単に他の真似やコピーをするという事だけでなく、
勝ち負けや、外からの評判や評価、自分の体面を異常に気にするという
共通点があるのかもしれません。
いずれにしても偽物はどう真似しても「表面的で浅い」という事で、
そして本物を越える可能性がないという事でしょう。