宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

「月神降臨儀式 白いイシスの召喚」

2009年10月19日 | Weblog



昨日は新月でした。

西洋魔術では特に、月の位相や月齢、入宮が重視され、
また月の女神に関する瞑想や祈りも沢山行われてます。

そして男女の団員が集まった魔術団体では、魔女の主神の力を
降ろすため、女司祭に月の女神を降神し、一体化させる儀式を
行います。

魔女宗において、とりわけ「月神降臨儀式」が重視されているか、
その理由について、鏡リュウジ氏は、このように説明されて
いました。

………………
「この秘儀、すなわち月神降神儀式によって、女司祭長は女神そのものと化し、
サバトをはじめとする、様々な儀式を司る訳だ。

月神降臨なしには、魔女の儀式は充分な力を持ち得ない。
いや、この秘儀なくしては、魔女の儀式など、単なる素人劇、
バカ騒ぎでしかない。
何しろ、崇めるべき神が、そこにいないのだから。

一方、月神降臨に成功し、大いなる女神を召喚出来た時、魔女団の魔力は
頂点に達する。
現界ち異界の境界(はざま)たる魔法円の中には、巨大なパワーが満ち、
慈愛に満ちた女神の存在が、あなたの隣に、いや、あなたの内に感じられるだろう。

一見、稚拙で原始的に見える魔女カルトが、なぜ、多くの欧米人を惹きつけるのか、
解答の一つがここにある。
魔女の儀式では、確かに女神がそこに生きているのだから。」
………………

実際の降臨儀式は、「電流が流れる為には、陰陽の対極が必要である」
という原理によって、女司祭長と男性の司祭がペアとなって行うもので、
成功し、更に力を集める作業をした場合には、魔法円内の霊的な圧力が
極度に上がって失神したり、金切り声を上げる魔女も出ているという事です。

この正式な儀式を行うには、団体に属していなければ難しく、また初心者には
リスクもあるとの事で、鏡リュウジ氏は、一人でも出来る安全な方法を再構築して
紹介されていました。

これを行うタイミングは、新月直後の日が最も理想的との事ですが、満月の
一日前までの「満ちる月」の期間であれば、構わないとの事です。
しかし、「欠ける月」の期間中は、「黒いイシスの召喚」となってしまい、召喚と
統御が難しく、初心者は絶対に行わないように、との注意がありました。

この儀式では、自分の願い事が叶えられるようにも祈りますが、これは、
「単なる願望実現の為のまじないではなく、全地上の月の女神の豊穣の力を
引き降ろすもので、私利私欲の為には用いないように」との事です。

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●場所:誰の目にも触れない静かな個室。

●服装:出来るなら白いローブ。難しければ清潔なトレーナーでもよい。
女性の場合は、出来れば三日月冠をつける。

●祭壇:机の上に黒い布をかけ、その上に、キャンドル・カップ・塩・香を置く。
キャンドルは、青いもの1本、白いもの2本。
香はジャスミン香が望ましい。
祭壇の中央に、円形の鏡か、銀色の皿を置く。

●武器:右手にワンド、左手にアサミー(黒柄短剣)を持つ。
なければ、省略して構わない。

●手紙:女神に自分の願いを伝えるもの。
白い紙片に赤い文字で、願望を具体的かつ、簡潔に書く。
ただし、今回召喚するのは「白いイシス」なので、破壊的な内容のものは無効だ。
手紙は、ローブのたもとかポケットの中にしのばせておく。


【儀式の手順 (女性用)】

① 祭壇の周りを右回りに三周し、最後に十字を切る。
もしくは、「小五芒星儀礼」を行う。

② 術者は祭壇の西側に立ち、東側を向いて呪文を唱える。

「おおイシスよ、地にありては、その面を覆われしと言えど、光輝に満つるもの。
万物の母よ。
いと高き天より降り来たり、汝が子らの間へ進まれよ。
我らが声を聞き、おのみ姿を現し給え。
シャダイ・エル・カイ・レア・ビナー・ゲー。」

術者は、祭壇の東側の空高くに、美しい女神を視覚化する。

③ 術者は、祭壇の東側に進み、呪文を唱える。

「おお、地の造られし前よりありし者。レア・ビナー・ゲー。
千の名を持つ大いなる女神。
我は御身の女司祭なり。わが声に応えよ。
わが身体を持って、汝の神殿とせしめよ。」

術者は、両手をさし上げ、次に額の前で交差させ、女神が降りて来て、自分の
身体と一つになるシーンを強く想像する。

これで、術者は月神の化身となった。ただし、これは憑依現象ではない。
あくまで己の覚醒した意識を持つ事。
この時の感覚は絶妙で、言葉では表現し尽くせないが、女神が降りたら、
すぐにそれと判るはずだ。
ある達人(アデプト)に言わせれば、それは「無数の星に取り囲まれたような
感じ」だと言う。

④ 術者は、祭壇の東側から西に向き、呪文を唱える。

「我は海より昇る星。我は無限なる静かなる大洋。
母なる女神の言葉に耳を傾けよ。
我は、我を求むる声を聞きて来たり。
シャダイ・エル・カイ・レア・ビナ・ゲー。」


⑤ 術者は、前もって用意した手紙を取り出して唱える。

「我は、わが愛児の嘆きの声を聞けり。
汝、我に望むや。(ここで手紙を読む)
汝の望みは聞き入れられたり。

(ここで手紙を、祭壇の中央、鏡の上に置く)

我はムチと口づけ、愛と祝福をもって、このサインの下に力を与えん。」

(右手で「地の召喚の五芒星」を描き、魔法円内にチャージされた諸力が、
祭壇の中央に集中していく。)


(「地の召喚の五芒星」)


⑥ 女神の帰還。呪文はこう唱える。

「わが役目は終えり。しかして、天の宮に戻らん。
シャダイ・エル・カイ・レア・ビナ・ゲー。」
(術者は、自分の身体から女神が天に帰って行く姿を、はっきりと視覚化する。)

⑦ 女神への謝辞。
術者は祭壇の西側に戻り、唱える。

「大いなる母、我は御身に感謝す。
願わくは天に永遠にありて、御身がすべての子らに、限りなき慈愛の恵みを
給わんことを。」

⑧ 魔法円を閉じる。
(「小五芒星儀礼」か、円を三周し、最後に十字を切る。)

⑨ 儀式終了。

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【儀式の手順 (男性用)】

本来の儀式では、男性には太陽神や、牧羊神パンを引き降ろすが、
ここでは女性抜きの月神降臨儀式になる。

準備や儀式の手順①~②までは女性の方法と同じ。

③ 祭壇の西側に立ったまま、女性版と同じ呪文を唱える。
次に、両手を高くさし伸べ、手を下ろしながらながら、ひざまずく。
祭壇の東側に、美しい月の女神が降り立つ。


④ そのままの姿勢で、このように唱える。

「おおイシス、最も聖にして誉むべき者。海より昇る星。
汝は無限なる静かなる大洋。
わが嘆きの声を聞き給え。
シャダイ・エル・カイ・レア・ビナ・ゲー。」

(ここで手紙を、祭壇の中央、鏡の上に置き、右手で「地の召喚の五芒星」を描くと、
イシスはその姿を大きくし、魔法円の中いっぱいに力が満ちる。
術者は、母なる女神に抱かれるような、安らかな気持ちに浸る。)

⑤ 再び女神は祭壇の東側に等身大の姿に戻る。そして、唱える。

「御身、わが願いを聞き入れられたり。
わが身を屈めて感謝す。
しかして、美しき天の宮へ帰られ給え。
シャダイ・エル・カイ・レア・ビナ・ゲー。」

⑥術者は立ち上がり、女神が天の月宮に昇って行く姿を、鮮明に視覚化する。

⑦ 魔法円を閉じる。

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「アメイジング・グレース:エルヴィス・プレスリー」
http://www.youtube.com/watch?v=B3XdXEJEI4E

カトリックで歌は「聖歌」と呼び、プロテスタント諸派では「賛美歌」と呼んで
区別されています。

聖歌「驚くばかりの」

驚くばかりの 恵みなり
この身の汚れを 知れる我に

恵みはわが身の 恐れを消し
任する心を 起こさせたり


讃美歌「われをもすくいし」

我をも救いし くしき恵み
迷いし身も今 立ち帰りぬ

おそれを信仰に 変え給いし
我が主の御恵み げに尊し



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