宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

「カフナ魔術(続)」

2009年10月13日 | Weblog



「ハワイのカフナ魔術」からの続きです。

このハワイの神秘体系の中では、東洋で「気」と捉えられる
「マナ」というものが全ての力の源となっており、現在では
呼吸法や自然からエネルギーを受ける事で、自らに「マナ」を
貯える方法が普通となっていますが、かつては膨大な量の
「マナ」を貯え、強大な超自然的な力を発揮するために、罪人や
奴隷を生贄として捧げ、そこから膨大な「マナ」を獲得するという
事も行われていたそうです。

この神秘体系では、人間の意識は、「低次自我」「高次自我」
そして「超自我」にそれぞれ分かれており、願望を実現したり、
未来を変えたり、超常的な力を発揮する為には、「低次自我」から
「超自我」を結ぶつなぎのコードを辿って、「超自我」に自らの意思や
意図を送り届けなければなりませんが、「超自我」までのコードを
辿り、送り届ける為に必要な、充分な量の「マナ」を先に獲得する必要が
あると教えられています。


ハワイがアメリカに併合され、呪術やカフナ魔術の禁止、キリスト教への
改宗、英語の使用が進められた後は、真のカフナ魔術の使い手は
隠れるようになり、その後70年代にカフナ族を保護する法律が制定され、
カフナ魔術も徐々にそれから世界に知れ渡るようになりましたが、今は
反対に、カフナの名を騙る、自称カフナ魔術師達が現れて商売を始めだした
との事で、真のカフナ魔術師達は、自称カフナ魔術師に対し、このような言葉を
使うそうです。
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「お前は、私の仲間ではない。
だからお前は、私の秘儀を知る術もない。」
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以下、真のカフナ魔術師達と交流を図り、自らもカフナの力を体験した
博士の報告の紹介です。

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プリガム博士は、キラウェア火山が噴火した際、未だろくに固まってもいない溶岩の
上を、カフナ達が、事も無げに歩いていくのを偶然目撃し、びっくり仰天してしまった。
博士は様々なつてを辿って、何とかカフナ達と親交を結ぶ事に成功した。
そして、ナポポのサウス・コナで噴火が起きた際、友人のカフナ達に連絡を取り、
自分も是非、溶岩流の上を歩いてみたいと申し出たのである。

その求めに応じて、3人のカフナがカヌーで現地までやってきた。
博士は彼らと共に、溶岩の流れている場所を目指して山を登っていった。
途中で一泊し、翌日の日没一時間前に、ようやく実験に適した場所を発見した。

谷底に溶岩が固まっている。
かなり温度は下がっているようだが、あちこちに裂け目が生じ、赤い輝きが
見えている。
カフナ達は、さっさと谷底に降りて行った。
博士も慌てて彼らの後を追う。
谷底は、オーブンよりもひどい熱さだった。
プリガム博士は、こんな事に関わったのを後悔した。

カフナ達はサンダルを脱ぎ、シュラロンの葉を足に巻きつけた。
博士も真似をして、ブーツの上から葉を巻いた。
カフナ達は、古いハワイ語で聖歌を歌った。

まず、最年長のカフナが、溶岩の上を早足で渡っていった。
博士がそれを呆然と見ていると、後ろにいたカフナが博士の背中を押した。
頭から溶岩に突っ込むか、走って溶岩を渡るしかない。
博士は、50メートル近い距離を全力疾走した。
だが、ほんの数秒で、ブーツの靴底が焼け、片方は完全に取れてしまい、
もう片方も、かろうじてくっついているという有様だった。
ブーツは完全に駄目になり、靴下も燃えくすぶっていたが、不思議な事に、
足には全く異常がなく、ヤケドひとつしていなかった。
フナの呪術は、ブーツは保護してくれなかったが、博士の足はちゃんと
熱から防護してくれたのだ。
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「カフナ魔術」の本の中で紹介されていた祈りや呪文の中の一つに、「悪霊が近づいてきた
時に、守護神を呼び寄せて退散させる」呪文があり、今回こちらを抄掲させて頂きます。

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「O Akua-loa 背の高い神よ
O Akua-poko 生の低い神よ
O Akua-muki シューシューと音を立ててやって来る神よ
O Akua-hokio つむじ風と共にやってくる神よ
O Akua-nalo すぐに見えなくなってしまう神よ
O Akua 神よ
Amama アーメン。」

……………

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