
夫婦岩の男岩と女岩を結ぶ大注連縄は、「結界の縄」と称され大注連縄の
向こうを常世神(とこよのかみ)が太平洋の彼方から寄り付く聖なる場所、
そして手前を俗世という隔たりを表しています。
【トワイライトゾーン86年1月号】古代信仰が息づく聖なる石と水の国・伊勢
日本人の心の故郷と言われる伊勢。
そこは、大和朝廷を中心とする古代の人々にとって、太陽の昇る地であり、
海を通じて、理想郷と接している地でもあった。
そして伊勢はまた、石と水にもゆかりの深い土地である。
現代にまで残っている霊水・霊石をたずねて、伊勢の各地を巡っていると、
いつしか古代の日本人の信仰心がよみがえり、深い感動に包まれる……。
(中略)
例えば、観光の名所として知られる二見浦。
夏至の日、太陽は夫婦岩の中央から昇る。
この大小の夫婦岩から東北に660メートルの海中に、霊岩・興玉石がある。
対岸にある興玉神社は、この猿田彦大神が出現した神跡を、夫婦岩を通して
拝めるように建てられたものだった。