「カンドンブレの祈り」からの続きです。
カトリック教では、燃える牢獄の中で苦熱と孤独に耐え、天国に挙げられる事をひたすら
熱望する魂の姿が描かれ、「アニマ・ソラ(孤独なる魂)」という名称もありますが、
中南米のカンドンブレ信仰の中では、この「アニマ・ソラ」の具体的な伝説、そして
苦熱と孤独より救い出す為の祈りなどが具体的に行われたりしています。
これは、苦界にある万霊供養の一種と見てよさそうです。
こういった供養は世界の様々な宗教の中で見られ、こうした事を折に触れて行う事で、
供養をする自分も天徳を積んで霊格が向上するとか、吉祥を得るとか、自分が死んだ後は
供養した霊に助けられるなど、色々と言われていますが、そうした事を期待しないでも、
苦界にある死者を助けよう、先祖や霊的なものを粗末にしないというような心がけが、
大切であると思います。
この画像は、「アニマ・ソラ(孤独なる魂)」の最も有名なイメージで、
セレスティーナ・アブデナーゴという若く美しい女性の有名な伝説からきています。
彼女は、三つのそれぞれの十字架に水を捧げる仕事が割り当てられましたが、
セレスティーナは、キリストの隣りの、一緒に磔刑にされた二人の強盗に水を捧げ、
キリストだけには故意に水を捧げなかった事から、死後煉獄に入れられ、煉獄で浄罪を
受けるのは、通常はどんなに長くても期限があるのですが、彼女は例外的に、
永遠に苦熱と孤独を味わうことになり、そこでカンドンブレ信仰の中では、2月1日に、
沢山のキャンドルが、このイメージの前で捧げられるようになったということです。
(メキシコの「アニマ・ソラ」に捧げる祈り)
★おお主よ、この孤独なる魂の救いのために、我が祈りを捧げん。
おんみいつと愛直をもって、憐れみ深きみ目を、孤独なる魂に投げかけたまえ。
【食前の祈り】
★我等の主よ、汝の報いより我等の受けし、これら汝の賜物を祝福したまえ。
我等の主 イエズス・キリストによりて。アーメン。
【取り去りの精霊への祈り】
(これは、魔術用の黒いキャンドルを灯して、別離や消去を願う祈りのようです。)
★おお、取り去りの精霊よ、我は汝を呼び求めたり。
汝の大いなる秘力もて(取り去りたいもの)を、我が実存より永久に取り去りたまえ。
ここに汝に灯せし、この黒いローソクにより、忘却の地に敵を去らせたまえ。
おお、取り去りの精霊よ、汝に願い、たたえ、祝福し、捧げし願いを叶えたまえ。アーメン。」