上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

MICE(桜町の3000人大会議場)整備の中止を!

2014-06-24 20:57:36 | 議会活動
6月23日、市議会最終日に、「桜町再開発への補助金支出とMICE整備の中止を求める請願」の賛成討論を行いました。

【内容】
請願第3号「桜町再開発への補助金支出とMICE施設整備の中止を求める請願」の賛成討論を行います。
 今議会での論議を通じ、改めて、桜町再開発事業やMICE整備に市が多額の税金を投入して強硬にすすめていくことの矛盾が明らかになってきたことを痛感します。
 請願では、1地権者の再開発事業への107億円の補助金支出をやめることが一番に挙げられています。私どものところに、「桜町再開発は、1民間企業の老朽化した自社施設の建て替えではないか。なぜそこに市民の税金を100億円以上も使わなければならないのか。」という意見がありました。市民の立場に立てば、これが率直な意見ではないかと思います。本会議で紹介しましたように、長野市では「市街地再開発事業等補助金交付要綱取り扱い要領」が定められ、補助採択の要件について具体的な点が明記されています。再開発事業を行う地権者の要件については、「法定再開発事業にあっては5人以上で構成されるものでなければならない。」と決められています。何度も申しますように、市街地再開発事業の基本は、「区域内の敷地の共同化」であり、複数地権者というのは大前提です。長野市が説明されているように、都市再開発法の趣旨に沿うならば、規則や要綱に複数地権者の規定を明記するのは当然のことです。「熊本市市街地再開発事業補助金交付規則」には、再開発事業者に対し、予算の範囲内で補助金を交付するという定めはあるものの、その基準について明確な定めはありません。本市の規則が不備であるということを大いに反省し、適切な補助金支出となるよう、規則の整備こそ、早急に行うべきです。
 また、もともと公共的な場所であるということから、九州産交が安く手に入れた土地を、企業的な会計処理によって莫大な資産価値を生み出し、その資産を活用する形で再開発事業を行い、地権者は1円もお金を出すことなく、所有する老朽化した資産をすべてリニューアルし、しかも新しくなった再開発ビルの床の処分や貸し出しによって、多額の売却益やテナント料、営業利益を得ていくのですから、目を見張るような儲け仕事です。しかも、総事業費523億のうち、400億円は税金でやるというのですから、誰もが「なぜ」と思ってしまうのは当然です。「住宅リフォーム助成制度」の議論では、個人資産の形成に税金を使うことはできないと繰り返しおっしゃる市長が、1民間企業の資産形成に多額の税金をつぎ込んで平気なのが、私には全く理解できません。請願の主旨を汲み、1民間企業の儲けのために107億円もの補助金を支出することは絶対にやめていただくことを強く要望します。
 請願の2点目、MICE整備の問題でも、福岡市を上回るような利用見通しが全く過大であることがはっきりしました。しかも、委員会での答弁にありましたように、MICE施設はずっと赤字で、黒字に転ずることはありません。今後5年間に400億円もの投資をし、その後借金返済と維持管理費で毎年25億円もの負担をし続けることになるMICE整備は、本市財政に大きな負担となることはまちがいありません。人口減少低成長の時代に向かい、今後、大幅な税収増が見込めない中、バブル期を上回る市政史上最大の投資となる大型ハコモノ建設をすすめることは、自殺行為に等しいと思います。しかも、MICE施設は、街のにぎわいを生み出す施設ではないので、中心市街地の活性化にも効果は期待できません。本市財政や市民生活にかかわる様々な施策への影響を考えるならば、400億円もの桜町再開発・MICE整備への税金投入はすべきでありません。市としてのMICE整備は中止すべきです。どうしても、MICE施設が必要であるのならば、市長が大好きな民間活力を、こういう時にこそ大いに生かして、大阪梅田のコングレなどを参考に民設民営の効率的なMICE施設を整備なさってはいかがでしょうか。赤字になる施設だから市が整備するというのは、誰も納得しないと思います。
 3点目は、市民への説明責任の問題です。本会議でも言いましたように、市政だより6月号の4ページ・5ページに大きく見開きで、桜町再開発事業とMICE施設整備が特集されました。再開発の全体イメージにしても、MICEの予想イメージにしても大変立派で、目を見張るような素晴らしい施設として紹介されていました。これについても、市民の方から声が寄せられました。「熊本城と庭続き・まちの大広間はとても立派ですが、市民の税金をいくら使うのか、一言も書いてありませんね」というものでした。補助金や整備費に市民の税金を400億円使うと説明すると、ビックリされていました。税金をいくら使うか言わないで、こんな立派なものをつくります、実際にできたら、借金のツケは皆さんの負担ですでは、詐欺にあった気分です。
 今でも、少なくない市民の方々が「MICEって何のことですか」と聞かれます。帳面消しのような説明会で済まし、400億円もの税金を使う桜町再開発とMICEについて、多くの人が理解しないまま事業がすすめられています。大変問題です。
いよいよ再開発事業は、都市計画決定が済んで、事業認可へと向かっています。
大阪・堺市では、すでに都市計画決定されていた堺東中瓦町2丁地区第1種市街地再開発事業が、組合設立に係る認可申請の際、内容が慎重に精査された結果、再開発の保留床取得によるホール整備が断念され、再開発が不認可となったことを紹介しましたが、熊本市のMICE計画も、多額の税金が使われ、再開発ビルに入居することで整備費が高くなり、莫大な財政負担となること、一方で、施設設計上も様々制約があること、また利用見通しは過大で、中心市街地活性化の効果もあいまいなこと、そして地元企業を追い出し、1400人の雇用を奪ってしまうなど、多くの問題を抱えながら、市民に対してはまともな説明がなされていないことなど、あらゆる面で、問題点と矛盾を残したままです。まともに、事業を精査するならば、とても事業認可のできる状況ではありません。請願の主旨を汲んで、速やかにMICE整備を中止していただくことを要望するとともに、この請願に議員各位のご賛同を賜りますこともお願い致しまして、賛成討論といたします。



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