在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Fiano di Avellino -Joaquin

2013-02-19 10:24:22 | Campania カンパーニア
フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ 2009 ジャクイーン

自然派ワインの良さをわかってもらうことは非常に難しい。
昨今、自然派ワインが宗教がかっていることもあると思う。
無神論者に神の存在を教えるようなものだ、とある友人は言った。
確かにそれに近いかもしれないと思う。

そして、何をして自然派ワインというか、というこの定義がまずあいまいである。
ビオの証明書は畑だけの話である。
自然派が全て亜硫酸を添加していないわけではない。むしろ多くが使っているし、私個人も、使わないことに賛成ではない。量をいかにして少なくするか、を深く考えていればいいと思う。(安易に使うのではないという意味)
ビオは当然のことで、あえてビオであると言わないワイナリーもある。
昨今の自然派ブームに乗っているだけのニセ(と言ったら失礼だが)自然派ワイナリーもある。
ビオだからおいしい、と、ビオのラベルだけを見ておいしいと思い込んでいる人もいる。
そして、なんだか、ビオの神様、ビオが神様のようになっているところもあり、そういうところが宗教がかっている理由のひとつでもあろう。
うーん、マンダム・・・(かなり古いというか、若い人は知らないオチ・・・)

良いビオと、あまりほめられたものではないビオがあり、ビオディナミも自然派も同様で、難しい。
自然派だから好きとか嫌い、というのを出来るだけ基準にしないでいただきたい。
ただ、味、香り、品質はちょとおいておいて、造り手の意気込みや心、造り方に敬意を評したい自然派があるのは別のこととしたい。



さて、フィアーノ。
色は自然派らしくかなり濃い目。
香りは、スパイスとフルーツ、ミネラルがかなりを占め、アニマルっぽい香はしない。良く熟したフルーツ、柑橘の砂糖漬け、ハチミツの甘い香り、わずかグリーン、ユーカリ風の香り、ナッツ風のドライの香り。自然派だと、色からも分かるが、香りからもはっきり取れる。
香りの変化がなかなか良い。
インパクトは比較的易しく、しかし、フィアーノらしい強さ、程よい酸味がある。ほろ苦さではなく、乾いたナッツの風味が残る感じがある。持続性は、短くはないのだが、後もう少し、といいたくなる感じがある。
頻繁に飲みたいフィアーノ。

ワイナリーのオーナーと知り合う機会があり今ではFBの友人。
良い自然派のワインを造る、人工的(極端だが)に造られたワインには興味がない、というちょっと頑固な人。
ちょっとおしゃれな自然派、信頼できるフィアーノ。