在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

DOCG Romagna Albanaの規定

2017-10-30 19:11:32 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
DOCG Romagna Albana 規定



アルバーナの試飲会ついでにアルバーナの規定を調べて見る。

なお、今はRomagna Albanaロマーニャ・アルバーナを呼ばれているが、以前は、Albana di Romagnaアルバーナ・ディ・ロマーニャと呼ばれていた。

ロマーニャは、エミリア・ロマーニャのロマーニャ、つまり、東側の地域にあたり、生産地域は、ボローニャ、ラヴェンナ、フォルリ–チェセーナ県。

アルバーナ・ディ・ロマーニャとしては、実は一番最初の白のDOCGワイン(知らなかった人には驚き、というか驚いてください)で、制定が1987年という古さ。
なお、当然その前にDOCになっているわけで、それは1967年。

現在のDOCG ロマーニャ・アルバーナとして大きく改定されたのは2011年。

アルバーナは房の大きな、というか、かなり長い品種。



1。種類。

以下の5種類。デザートワインのカテゴリーがリゼルヴァも含み、これだけあることに注目。つまり、アルバーナは、実はデザートワインでその本領を発揮すると言っても過言ではないことがわかる。

Romagna Albana Secco (asciutto)

Romagna Albana Amabile

Romagna Albana Dolce

Romagna Albana Passito

Romagna Albana Passito Riserva

2。品種

当然、アルバーナだが、95%以上。
5%までは、その他、認可されている白ブドウ品種を混ぜることができる。

3。生産地域  

ボローニャ県 7市町村
フォルリ–チェセーナ県 10市町村
ラヴェンナ県 5市町村

4。収量

ヘクタールあたり 10t、これはかなり多い。

5。液量

Romagna Albana Secco (asciutto)  70% ヘクタールあたり 7000l

Romagna Albana Amabile 70% 7000l

Romagna Albana Dolce 70% 7000l

Romagna Albana Passito 50% 5000l

Romagna Albana Passito Riserva 50% 5000l

液の収量が75%ないし55%を超えた場合、DOCGとすることはできない。

凝縮したモストの使用は可能だが、最高1度まで。

パッシートとパッシート・リゼルヴァは、干したぶどう(翌年の3月30日まで可能)を使用すること、10月15日以前の醸造は不可。
干すのに、空調、除湿機の使用は可能。
糖分は284g/l以上含むこと。
遅摘みぶどう(貴腐が付いている場合、付いていない場合も)を使用する場合は10月15日以降、でなくでも良い。
貴腐のついた遅摘みぶどうを使用する場合は、DOCG Romagna Albana passito riservaとすることができるが、アルコール度4%以上、醸造の際に、400g/lの糖分を含んでいること。

醸造の際に、木樽の使用は可能。

Passitoの販売は翌年の9月1日以降、Passito riservaは翌年の12月1日以降に可能。

6。特質

Romagna Albana Secco (asciutto)  アルコール度12%以上

Romagna Albana Amabile 12、5%以上 残糖分は12−30g/l

Romagna Albana Dolce 8、5%以上(潜在アルコールも含め12、5%) 残糖分は45−80g/l

Romagna Albana Passito 12、5%(潜在アルコールも含め17%)

Romagna Albana Passito Riserva 4−11%(潜在アルコールも含め24%)



Romagna Albana 他 アルバーナ 10社 10種

2017-10-30 13:57:04 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
ロマーニャ・アルバーナ 10社 10種 全部辛口


 
*Forlì Bianco 2016 Marta Valpiani
*Romagna Albana Secco Bianco di Ceparano 2016 Fattoria Zerbina
*Progetto 2016 Leone Conti
*Corallo Giallo 2016 Gallegati
*Vigna Rocca 2016 Tre Monti
*GioJa 2016 Giovannini
*Ravenna Bianco SabbiaGialla 2016 Cantina San Biagio Vecchio
*Santa Lusa 2015 Ancarani
*Vino Bianco Arcaica 2015 Paolo Francesconi
*Ravenna Bianco Montere 2014 Vigna dei Boschi





友人のモニカがアルバーナの試飲会を開いた。
ローマでアルバーナの試飲会が開かれたのはほとんど初めてのような気がする。少なくとも、品質の良いアルバーナを、10社の生産者を招いて、着席できちんとした試飲会はかなり珍しい。

完全招待者のみで、テレビに出ているジャーナリスト、ワインページの代表者、レストラン関係者など、50人程度の試飲会だった。

アルバーナには個人的にはちょっと思い入れがある。
某ガイドブックの試飲を始めた頃、まだ新米だったこともあり、担当としていただけた州、地域は、当然イタリアでもマイナーな地域。
その中に、ロマーニャも入っていた。
しかし、そういう機会でもないと、こういった地域の試飲を真剣に、そして、集中して、それもほとんどのワイナリーのワインを試飲するような機会はなかったと思う。

ヴィニタリーでも、他にもっと美味しいワインを飲みたい。。。と思いながら、担当のマイナーな州を回った時期があったが、今思うと、非常に勉強になったし、貴重な経験だった。

さて、今回の10社。
10社全てを知っていた招待客はいないよう。
最後に、大御所たちも、口々に、数社しか知らなかったので、とても良いサプライズになった、と言っていた。
同感。

ちなみに、今回のアルバーナは全部辛口のもの。
アルバーナはデザートワインもかなり美味しい。


①Forlì Bianco 2016 Marta Valpiani
通常の試飲会は購入はできないのだが、少し前に、購入もできる試飲会が開かれた。
そこで見つけ、安くて良かったのだが、戻った時には売り切れになって買えなかったワインと再会。

花の香り(柑橘系)、品の良いフルーツの香り(白桃など)に緑の香りが入り、柑橘をプシュッと絞った感じが加わる。
思うよりボディがあり、酸味はまずまず、ほろ苦さも残るが、持続性は決して悪くない。+++

②Romagna Albana Secco Bianco di Ceparano 2016 Fattoria Zerbina
柑橘と緑のバランスがよく、エレガントでとても綺麗にできている。
アルバーナらしい酸味が際立ち、重たさがなく、余韻にとても綺麗にミネラルが残り、持続性がかなりある。+++(+)

③Progetto 2016 Leone Conti
がらっとかわって、色がかなり濃く、一見してビオ。
ニワトコ、熟したフルーツ、フルーツのジェラティーナ、ミネラル、はちみつが出そうな雰囲気で甘く、太さがある。
アタックに強さ、ボディがあり、太さのある持続性。でも、全体にアルバーナの印象とはちょっと違う。++++

④Corallo Giallo 2016 Gallegati
前のワインの次では仕方ないのだが、その分、エレガントな印象が出てくる。海藻も含め、ミネラルがふわっとでる。
酸が綺麗に出ていて、ややほろ苦さが残り、持続性も十分だが、面白みに欠けるかも。+++

⑤Vigna Rocca 2016 Tre Monti
前のワインが細い感じだったのもあり、やや太さ、重さがでる。
しかし、酸味はあり、ほろ苦さとともに残る、持続性は良い。+++

⑥GioJa 2016 Giovannini
ビタミン、柑橘、藁、桃など、結構複雑。
ボディよく、全体的になかなか良い。+++(+)

⑦Ravenna Bianco SabbiaGialla 2016 Cantina San Biagio Vecchio
色濃いめ、ビオの臭み、チョーク、トリ。。
酸味があり、ビオの臭みが最後まで残る。持続性はよいのだが。+++

⑧Santa Lusa 2015 Ancarani
柑橘、花など、香りのバランスが良い。
エレガントで、やや細め、持続性もあり、酸とほろ苦さが残る。
シンプルだが、個人的には好み。+++

⑨Vino Bianco Arcaica 2015 Paolo Francesconi
ビオディナミで、マセレーション60日、10%にアンフォラ熟成を使用。
色はほぼオレンジ、アプリコットが綺麗とはいえ、セメダインの香りも混じる。かなり複雑。酸もあるが、タンニンもかなり感じられ、持続性は良い。好きか嫌いか、良いか悪いか、賛否両論タイプ。+++(+)

10 Ravenna Bianco Montere 2014 Vigna dei Boschi
くさみがなかり強く、完全にビオとわかる。
ボディがあり、(白だが)タンニンも感じ、酸を多い隠す感じ。持続性も良いが、個性強すぎ。好きな人は病みつきになるだろう、と思うタイプのワイン。