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Caterina va in città di Paolo Virzi イタリア映画の紹介 「カテリーナ、都会へ行く」(邦題)

2017-03-23 11:01:34 | 何故か突然イタリア映画
Caterina va in città 「カテリーナ、都会へ行く」
監督 パオロ・ヴィルズィ



2003年の映画。ヴィルズィ監督のヒット作。

タイトルから想像するに、カテリーナという田舎の少女が 、 何かのきっかけで都会へ出て、まあ見たこともない初めての都会生活でいろいろなことが起こる。

かなりハズレ。

まず、カテリーナは中学3年の女の子。
頭はいいのだが、鈍臭いところのある内気な少女。
田舎ではあるが、トスカーナの海岸線の街に育ったから、例えばシチリアやカラブリアの山奥のような田舎ではない。

カテリーナの両親はどちらもかなり変わっている。
特にお父さん。カタブツ高校教師。
人生にプッツン来て、生まれ育ったローマの家に戻ることにする。

お母さんは専業主婦。
これまた鈍臭いところいっぱいで、頭が良いことが自慢の夫には逆らえない。

一家でローマへ移住、カテリーナが転入したのは、ローマの町の中心の中学校。
お父さんが通っていた学校だが、政治家の娘、息子などがたくさん通っている。

このクラスがハチャメチャで、「右」と「左」で、クラスの女子が真っ二つのグループに分かれている。(この歳でありえないー)

最初は知らぬ間に「左」へ。

どーしようもないお父さんが、あっちこっちでしゃしゃり出て、カテリーナはいつの間にか「右」のグループに。

カテリーナもそうだが、特にお母さんが、トンデモお父さんに抑圧されてる。
お母さんが黙ってお皿を投げる、次から次に落として壊す、そして、これまた黙って片付け、黙黙とご飯を食べ始める場面は、結構恐怖。そこらのホラーより怖いかも。

妻が、幼馴染と少し良い仲になっているのを見てショックで(楽しそうに話していただけだが)、トンデモお父さんプッツン、家出。失踪。

歌の大好きなカテリーナ。
1年後には夢を叶えるべく、音楽学校に入っっている。

つまり、あくまでも主役はお父さん(カステッリートは映画監督もするが、さすがうまい。はまり役)が主役の、トンデモ、プッツン家族の話。
お母さんはマルゲリータ・ブイ、これもはまり役。ブイは今では超大御所女優。

カテリーナは、かなりのオーディションをして選ばれたというが、彼女もまたいい。
「ナブッコ」に合わせて踊っちゃう。(笑)

彼女の素朴な感じがすごく好感。この色があるから、現実の世界(田舎の少女が都会に)と創作の世界(ハチャメチャコメディ)のギャップ、違和感が薄れる。

つまり、田舎の少女が。。。というのを割り引いて、ハチャメチャコメディと思ってみるとかなり面白い。傑作。

また、ミケーレ・プラチドや、なんとあのロベルト・ベニーニまで友情出演してる。

今年の「イタリア映画祭」アンコール上映作品の1本。

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