在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Barolo 2008 Giovanni Canonica

2013-05-25 23:29:54 | Piemonte ピエモンテ
Barolo 2008 Giovanni Canonica



自然派のワインは大好きだが、最近は少し疑問に持つことも多い。
まず、昨今の自然派ブーム。
証明をとっているワイナリー、とっていないワイナリー、ちょっと疑わしいワイナリー、本物の自然派ワイナリーと入り混じり、悲しいことに、少し前に、某有名自然派ワインの試飲会に出ていたワインの検査をしたところ、結構な数のワインから化学物質が検出されたという記事まで目にした。
亜硫酸を使わないことが重要視されたり、自然派だからいい、と手放しに考える人がいたりして、ちょっと戸惑う。

さて、このところ忙しく、久々に(と言っても数日ぶり)にプライベートで試飲をした。時間があまりなかったので2種。
いつものワインバーで、赤、とだけ言ってワインを出してもらった。
そのうちの1種がカノニカであった。
反論はたくさんあると思うが、自然派大好きの私が、どうしても好きになれなかったのである。
なお、ボトルは、当日の朝開けたと言ったが、グラスで出していたので酸化は若干進んでいたと思う。

そう、ブラインドで飲むと、全く違うのである。
ラベルから入ると、バローロ~!そして自然派!美味しいね~となるのだろうが、ブラインドで品種も何もわからないと、大雑把な印象のあとに欠点を探してしまう。(これは、ブラインドでの試飲の欠点だと思う)

感じたのは、フルーツが熟している、コンフィを超えて、煮詰まった感じ、そしてアルコールが上がる。
スパイスにほのかなアニマル、濡れた毛皮、腐葉土などもあるが、そしてラベルを見たあとは、ネッビオーロであることに納得できないわけではないのだが、とにかくアルコールが後味にも残り、ちょっと重たいワインに感じた。
南の品種にこんな感じはないような、でもこの感じは南のワイン、もしこれが北のだったら驚き!と思った通り。。。北のワインだった。
ネッビオーロの良さが消えてしまっている。。。。。
多分、メルロー当たりで造っても似たようなワインになるのではないかと疑問を持ってしまう。

う~ん。ちょっとすぐに結論は出ないが、考えさせられたワインなのでした。

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