(写真は中国雲南省の大理古城)
北京ヴァイオリン
感動度 ★★★★★
満足度 ★★★★★+おまけ★
構図 ★★★★★+おまけ★★★
色彩 ★★★★★+おまけ
影・光・湯気の使い方 ★★★★★+おまけ★★
音楽 ★★★★★
キャスト★★★★★
話の展開★★★★☆
お勧め度★★★★★
2002年 中国 117分
監督 チェン・カイコー
脚本 チェン・カイコー
シュエ・シャオルー
キャスト タン・ユン
リウ・ペイチー
ワン・チーウェン
チェン・ホン
チェン・カイコー
チェン・チアン
チャン・チン
キム・ヘリ
リー・チュアンユン 他
話は少年のの散発、バックスタイルから始まる。
見事に大胆な構図。
さすが、『さらば わが愛』のj監督。
中国の蘇州のような北部の古鎮に住む、ヴァイオリン名人の13歳の少年チュン。
親の形見のヴァイオリンを弾きこなす。
息子にヴァイオリンの成功を遂げさせたい父は、全財産をもって、北京のバイオリンコンクールへ・・・。結果は五位。実力だけでは成し遂げられない成功への道を目のあたりにする。
師を見つけレッスンに通わす父。良かれと思い夜にはばかる実力者(師)の元へ。
幸運にも実力が認められるが、同時に父との関係も知ることとなる。
おそらく音楽家だった親に捨てられ、稲も父親に本当のことして育てられていた少年。
だが、少年の一歩ずつ成功に通じる階段を登る父は、そっと身を引こうとする。
だが・・・
後は言うまい。
ハンカチは必須であることだkrを付け加えておきたい。
この映画の背景には、田舎もののそこそこ食べていけるだけのコックとしての父と、富裕層に近い大音楽家の生活の違いが大きい。
少年の腕を見込んで自宅に住まわそうとする音楽教授は、少年に頭からつま先までぴかぴかに磨き上げ、ある意味においては、一個の商品として扱う。
そして実直な父にも
「これで服でも買うように。」
とおそらく千元位に思える札を手渡す。
父は礼をいいながらもその札はテーブルにおいて、少年の元を去ろうとする。
『少年のことを思えば、自分は身を引くほうか良い・・・』
おそらく父は僧考えたに違いない。
少年との別れ際に、だぶだぶで手編みのハイカラではないが、心のこもった手編みのセーターを手渡す。
少年は上質のセーターの変わりにセーターを着込む。
セーターは解いて編んだ懐かしいふるさとの香りのするオレンジ。
右前身ごろには音符が踊ったようにデザインされていた。
北京の大切なコンクールに出場予選を告げられた少年は、父のことを思うと心が痛い。
『父は自分を捨てるのではないだろうか・・・』
そんな時、ライバルの少女が、自分の捨てられた横に、親が残しておいたバイオリンを取り出す。
『先生が隠しておいたのよ。・・・・・・・・・。』
少年はそのバイオリンを持って、一路空港へ。
少年は走る。
捨て子を広い、親を必死で探す父の姿と自分を重ね合わせる。
バイオリンの成功よりも父の重要性に、少年はひたすら走る。
やっとのことで父を見つけた少年。
父のそばには、本当に自分を心配し思いやりを持って接してくれた、初めに習った先生と女性。
少年は路上で三人と党利係りのみんなに囲まれて、今まで出一番心のこもったバイオリンを演奏。
その少年と開場できらびやかな衣装に身を包まれてバイオリンをひく姿が重なり合う。
素晴らしい作品だ。
少年にとって将来を見据えた場合、これでよかったのだろうかといった疑問と、これで炉買ったのだという肯定する心が、交互に波のように打ち寄せてくる。
それだけに深く考えさせられる映画だといえよう。
興味深かったのは北の田舎の暮らし。
川や太鼓橋やレンガの道が美しい・・・
子どもが生まれたといって村中の人間が集まって祝賀会が行われる。
村にはスピーカーで、
「チュン少年がバイオリン・北京コンクールに出場決定しました。それから、・・・さんたくで赤ん坊が生まれました。41・・グラムだったということです。」
といった具合に、逐一 知らせがある。
のどかだ。
そんなのどかな村で、子どもが生きがいとなった父がバイオリン教育を受けさせるといった教育熱心さが、なんともはや中国らしい映画のつくりである。
コックの給料で我が子として育てるだけでも見事な話。それを教育を受けてないだろう父が、子にバイオリンを慣わす心意気がにくい。
昨今中国の教育熱のオーバーヒート気味だが、この映画は古陳にまで吹き込む教育に対する考えと、親の愛情を見事に描き出している。
乱鳥の中国の教育事情の記録 ↓
http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/018c38aba166da185246e6feba30fa94
多くを語るよりも、もう一度みてみたいと思ってしまう一作品。
「あっぱれじゃぁ~~」