乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

ひとりごと・・・ 『女殺油地獄』一色の七月。そら みたことか!の空虚感

2007-08-02 | 舞台・音楽 雑感メモ

(写真は道頓堀川。文楽船と落語船が浮かんでいた。) 

 

 

  『女殺油地獄』一色の七月。そら みたことか!の空虚感

 

 

 八月二日。

 空虚感。

 仁左衛門丈の『女殺油地獄』が終わり、夏が去ったような寂しさが残る。

 この演目、上手い具合に私は三回、家族はひとりを除いて、各自一回ずつ観る頃ができた。

 

 海老蔵丈の代役として、仁左衛門竹が出演することを知った 七月十四日の朝は忙しかった。

 化粧もせずに、必需品だけを抱えて家を飛び出す。

 松竹座に着いたのは、午前十一時前。

 幸運にも一階最後列は空いていた。

 7月末に夜の部をとっているにもかかわらず、夫と二人で、夜の部を観劇。

 

 チケット売り場嬢は、

「かなりひどい怪我ですから、当分、代役出演となります。」

「今月は当分、代役かもしれません・・・」

と、教えてくださった。

 できるだけ仁左衛門サイドにも、海老蔵丈サイドにもつかない話し方を努力されているが、声色は高ぶっておられる。

 おそらく、ここまでの大きな変形代役は、史上例をみないほどに少ないのではないかと思われる。

 

 翌日の七月十五日。

 まだ仁左衛門丈が出演かも知れない・・・

 子どもが幕見席を購入するため、朝七時前に 家を出る。

 親孝行な子ども・・・

 子どもの努力の甲斐あって、『身替座禅』と『女殺油地獄』の座席ゲット。

 子どもは『女殺油地獄』を見終わった後、あまりの迫力に腰をぬかしてしまう。

 

 数日して、七月歌舞伎の昼の部を夫と楽しむ。

 この日も まだ、代役。

 昼の部もいいが、夜が観たくて恨めしい・・・

 初めに予約していた、楽日の夜が仁左衛門丈のままかどうかが、気にかかる・・・

 夫が

「夜も観ていいよ。」

と勧めてくれるが、辞退。

 

 そして『女殺油地獄』の最終日。

 この日も、仁左衛門出演。

 夜の部を観るのが二度目の夫。

『身替座禅』と『女殺油地獄』には目を輝かして、舞台に食い入る。

 彼は同じ興行の同演目(夜の部)を観るのは初めてだ。

 

 三回目に観た『女殺油地獄』は手などの動きは小さくなっていたが、迫力はパワーアップしていた。

 各場面のポイントが、派手に、大胆に演じられている。

 例えば最後の帯の上を伝って逃げていくシーン。

 十四、十五日に比べて、帯(道)の長さが長くなっていた。

 

 仁左衛門丈は還暦を過ぎておられ、連日の過酷なスケジュールだが、丁寧に見事に演じられていた。

 ただ、観る度に、少しづつお痩せになっていた。

『女殺油地獄』では、芝居に対する意気込みを感じると、家族がつぶやいていた。

 

 私は仁左衛門丈は かなり好きだ。

 だが、取り立てて仁左衛門丈だけが 好きなわけでもない。

 他にも好きな役者さんが多い。

 

 好きな役者さんの共通点は、

 演技が上手い>芝居四倍>声が良い>男前>個性的>上品>嫌いな顔でないなど・・・・・・

 たいした理由は無い。

 要は好感が持てるかどうかだけなのかもしれない。

 この年になり、頼りない芝居感や役者感しか持ち合わせてないのが、恥ずかしい。

 

 ではどうして今回、大人げも無く、仁左衛門出演の『女殺油地獄』に走ったのか・・・

 

 それはかねてからの念願の、果たすことのできないであろうとあきらめていた、仁左衛門出演の『女殺油地獄』という理由。

 一生見ることはできないとあきらめ、家族にぶつぶつといい続けていた演目だったから・・・

 家族の方も私にそういった事情を再三申しており、家族は『仁左衛門出演の 女殺油地獄、仁左衛門出演の 女殺油地獄・・・・・・』と刷り込まれ、観たがっていた。

 夫も、理解を示してくれ、あと二、三回ならいってもいいよと言ってくれていたが、そこは理性で押さえることにした。

 

 結果的に楽日まで仁左衛門丈が演じ続けたわけですが、三度も観ることができて、満足感が残っている。

 人から見れば ほんの些細なことなのでしょうが、実現しようはずの無かった夢の一つが実現したという 満足感はこの上ないものです。

 それだけに今は空虚感が大きいのかもしれないと感じるのです。

 

 天気(台風気味)も私も愚図ついてますが・・・・・・

 ま、気を取り直して、また明日からは、はじけっか!な・・・・・・

 

 明日は八月三日。

 これを読んでくださったあなたも、そして私も・・・素敵な時が連鎖して、素敵な日になり、素敵な日々を送りたいと願っております。

 多くの皆様にご訪問をいただいて、感謝しております。

 

 

 

 

 

コメント (4)
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