映画『雪之丞変化』
★★★★★ ★☆☆☆☆
1963年 日本 カラー
監督 市川崑
キャスト
先代中村鴈治郎
長谷川一夫(中村雪之丞、闇太郎の二役)
市川雷蔵
山本富士子
若尾文子
歌舞伎の好きなわたしは長谷川一夫演じる映画『雪之丞変化』の劇中劇、歌舞伎の女形を興味深く見た。
長谷川一夫をほとんどしらないわたしは長谷川一夫の方の下がらぬおやま役と小芝居並みの濃いアイラインをひいたあくのきついメークに、逆に興味を覚える。
この映画は一人で見ていたので、夜家族に色々と尋ねてみた。
長谷川一夫はその昔かなりの人気ぶりだったらしい。
昔は石原裕次郎といい長谷川一夫といい、こういった顔立ちに人気があったのか・・・。
この映画の筋書きは結構半端な感じがする。
おそらく役者を楽しむための映画なのだろう。
どうりで闇太郎といった無くてもいいような役で、長谷川一夫が男役でも出てきたはずと、ほくそ笑む。
芝居の座長?役は市川雷蔵か?
もしかして昼太郎という盗人も市川雷蔵の二役なのか?
わたしにはわからないが、昼太郎の演じぶりは好きだった。
長谷川一夫の女役に対して、先代の中村鴈治郎が悪役で出られていた。
先代の中村鴈治郎は男役になると、とたんに迫力満点。
声色がほんに怖く、驚く。
高校時代に見た先代中村鴈治郎は後ろ姿だけ見ていても存在感のある女形であった事が心に残っている。
先代中村鴈治郎はこの映画では九州出身で江戸の住んでいると言った設定であった。
ところが節々に関西弁の言い回しが出てきて、ほくそ笑んだ。
もしあれが無ければ、子どもならあの言い回しはリアルすぎて泣き出すかもしれない。(笑み)
嬉しかった。
私は先代中村鴈治郎も藤十郎丈も勘雀丈も好きだ。
山本富士子が女白波役で出ておられた。
顔は美しいのは知っていた。
しかし山本富士子がこんなにかっこいいとは知らなかった。
きりっとしまった女が見ても素敵なきっぷの良さである。
勝新太郎がいい役でちょろっと出ておられた。
短い時間だが、かなり印象深い。
インパクトの強い役者なんだなぁと、改めて感じた。
面白かった。
もし好きな役者が主役だったら、この映画はのめり込む事 間違いないなと感じた。