乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

京都・瑞巌山 圓光寺の水琴窟

2007-03-21 | お出かけ

 

 京都 洛北

    瑞巌山 圓光寺の水琴窟

 

 

 子どもが留守の間に、下宿の掃除をせんと、七日ばかり京都に居座る。

 生まれ育った町並みが心地よい。

 布団干しや掃除の合間を楽しむべく、バイクにまたがる。

 まだ、風は冷たい。

 

 

 下宿付近を行ったり来たりするだけで心はきらめく。

 学生が多い・・・

 古いものと新しいものが同居し、老人と若人が笑っている。

 京言葉も懐かしい・・・

 

 

 出町商店街にも立ち寄る。

 入り口の『ふたば』は長蛇の列だ。

 前日、観劇がてら かしわ餅を食べていた私。好物の『豆もち』は、今回は買わなかった。

 

 商店街をはいると、スーパーやすし屋、饅頭屋にうどん屋。

 気の早いミナミ座横の饅頭屋ではあった『かしわ餅味噌餡』も、ここの饅頭屋では、まだ店頭に並んでない。

 商店街のどんつきには蕎麦屋が在る。

 好物の『鯖寿司』を売る店が、三軒。

 

 

 気分良く十五から二十分ばかりバイクを滑らせ、詩仙堂まで足を伸ばす。

 この辺りは静寂を保ち、落ち着いたところ。

 桜はまだ咲かず。

 

 とりあえずバイクを置いて、かなりの裏道や小山の上まで散策。

 あまり遠いところは、その都度バイク使用。

 かれこれ五時間は楽しんだだろうか・・・

 色々なえらを門前で楽しむが、『家康公の現存する 日本最古の木活字』(1955)と『水琴窟』が気になり、圓光寺だけ拝観する事にした。

 

 

 人当たりの良さそうな 小顔の御住職が、門前の植木を手入れされていた。

 丁重なご挨拶を頂き、案内される。

 

 石段を少し上がると、美しい庭に通じる。

 入ってすぐ右には宝物殿。

 期待の『家康公の現存する 日本最古の木活字』は素晴らしく重々しかった。

 木の色も美しく、ことの外きれいな保存で驚きを隠しえない。

 観ているだけで、わくわくしてしまう・・・素晴らしい・・・

 

 渡部始興筆の『寿老人図』や『中峯和尚船居図』(作者、忘れる)、伝西金居土筆の『羅漢像』など多くの絵図が興味をそそる。これらの絵は好きだ。

 

 玄関の襖絵。

 墨一色で勢い良く左上から一気に書かれた丸。

 丸の中には重厚な松。

  この屏風も私の好み。

 

 玄関右横を過ぎると、庭園。

 庭園を眺める一室にある襖絵の『米鮎山水図』も好きだ。

 

 本堂前には水琴窟。

 竹筒に耳を傾けると、澄んだ涼しげな、片思いのような感覚をもたらす琴の音が奏でられる。

 その音は私たち世俗の垢を落としてくれるほどに、美しい。

 柄杓で水を落さずとも、水面を撫で付ける風の揺らぎだけで確立される旋律・・・切なささえも感じさせるのは、何故だろうか・・・

 私はこの心地の良い音色に、その場を離れることができなかった・・・

 世にこのような美しい音があったのかと自分の耳を疑う。

 小一時間この音色を楽しんだが、季節柄、私以外に拝観する客は無かった。

 鳥のさえずりも虫の音色も無く、だた冷風にささやく笹の葉と、琴より自然な美しい音色だけが、私の心に響く。

 季節や時間、天気や湿度や温度。全てが恵まれたのだろうか・・・。それとも、常時、このような美しい音色なのか・・・このような経験を味わえた私は、なんて幸せな人間なのかと自然の全てに感謝する。そんな素直な感覚にさせられる『宝の音』

 この至福の喜びを夫と分かちあいたかった・・・もう一度 是非家族と来てみようと心に誓う。

 

 

 庭全体もかなり手入れされており、庭のつくりの上品で美しい。

 一日いても飽きない寺だ。

 庭園にある栖龍池(せいりゅうち)は、洛北一の古い池といわれている。

 

 

 池と池の間を潜り抜け、竹やぶを右手に 少し登っていくと、墓。

 墓の後ろには名の書かれたような 竹板が立ててあり、風でカタコトと鳴る。

 私はその微妙な音に、少し肩を萎める・・・ちょっと怖い・・・

 儒学者の中村斎(てきさい)と井伊直弼に仕えた密偵・村山たかの墓があると言われても、怖いものは怖い。

 

 小山を登っていくと徳川家康を祀る「東照宮」、そして家康の墓。

 墓の前には京都の景色が広がる。

 

 私は一通り寺を嘗め回した後、縁側の腰をすえる。庭を堪能した後、もう一度 『水琴窟』の音のハーモニーを楽しみ、この寺を後にした。

 

 

圓光寺の HP ↓

http://www.mudo.jp/e_top.htm


コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

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Unknown (maki)
2007-03-24 09:34:49
乱さんはロマンチック派、
makiも水琴、キキタイ、、
返信する
Unknown (乱鳥)
2007-03-24 14:14:39
makiさん、できればいつか、是非行って聞いてみてください。
よろしければmakiさんの好きなところ、素敵な場所も教えて下さいね。
返信する
洛北かな? (えみこ)
2007-03-25 09:46:56
なかなか京都の北方面までたどりつけません。

行きたいですね。
返信する
Unknown (乱鳥)
2007-03-26 01:25:22
洛北も素敵な所が多いようです。
京都を離れてみて、京都の良さもわかってきたような気がします。
でも奈良も大好き。大阪も滋賀も兵庫も好きです。

大和川沿いにに毎年素敵な桜が咲きますが、今はまだ蕾が固いようです。
現在My Profileに載せている桜(去年)なのですが、この木の形は好きなんです。
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