乱鳥の書きなぐり

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三千院 『虹の間』 下村観山作

2006-12-05 | 美術・文様・展示物

 

 京都の三千院には『虹の間』があります。

 下村観山作の大胆な構図の虹の襖絵で、勢いのよいの虹が鴨居の上から襖に向かって、いっきに勢いよく描かれています。

 この虹の絵には赤は使われてません

 

 

 この『虹の間』の奥は『玉座の間』があります。

 庭から『虹の間』を覗くと『玉座の間』は右に当たります。

 この『玉座の間』がちょうど虹の『赤』にあたるために、赤は除かれているとタクシーの運転手さんがおっしゃってました。

 

 

『玉座の間』の天井は組み木?のようになっており、侵入者を防ぐものだそうです。これがまた美しい天井で、見とれてしまいます。

 また二重にせりあがった台座の上に座布団がひかれ、下から敵の刀が通らないようになっているとのこと。

 よく考えられた御部屋です。

 

 

 『虹の間』と『玉座の間』の境目には簡素な襖四枚で仕切られており、襖は全開されてはおりませんでした。

 左右両方が絶えず三、四十センチ閉じられているそうです。

 この襖を開けることができるのはここまでで、あとの三、四十センチは開かずの襖です

 これも敵がなだれ込む危険を防ぐための工夫ということです。

 

 

 

 掛け軸には『楷書』『行書』『草書』など全てが含まれた勢いのよい『鷲』という文字が掲げられています。これは王義之が書かれたものだそうで、とても嬉しくなってしまいました。

 

 

 『虹の間』『玉座の間』から庭を望むと美しい杉がそびえたっています。

 美と機能性を考えられた二つの間は、見事な出来栄えとしかいいようがありませんでした。

 二間とも趣向の凝らした部屋で、とても楽しむことのできる空間でした。

 

 

 写真は『虹の間』です。

 廊下の外から内側に向かってフラッシュ無しでシャッターを押したのですが、虹が途中まで写ってくれていました。

 

                                                                2006'12'01


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