(写真はイランのウルミエで。タクシーの車窓から撮る。)
2010年度 1冊目
『掌の小説』
川端康成 著
新潮文庫
昭和46年3月15日 第1版
平成9年11月15日 第3版
P.599 667円(+税)
『掌の小説』
川端康成著が40年もの愛他に書き『掌の小説』を読む。
川端康成の『掌の小説』は舞台も映画も未だかってみたことは無い。
だが、以前読んだ時よりの映像が鮮明にイメージされ、短編作品がより具体的に舞台と重なって楽しむことが出来た。
『掌の小説』は起承転結がはっきりしており、三次元空間での表現がつくりやすいのではないだろうかとわからないものがわかった風に戯言を述べる頓珍漢さをお許しいただきたい。
『掌の小説』をWikipediaで調べてみた。
短編が丹念に連ねられていたので、こちらから転載させていただいた。
骨拾い
男と女と荷車
日向
弱き器
火に行く彼女
鋸と出産
バッタと鈴虫
時計
指環
髪
金糸雀
港
写真
白い花
敵
月
落日
死顔の出来事
屋根の下の貞操
人間の足音
海
二十年
硝子
お信地蔵
滑り岩
有難う
万歳
胡・子盗人
玉台
夏の靴
母
雀の媒酌
子の立場
心中
竜宮の乙姫
処女の祈り
冬近し
霊柩車
一人の幸福
神います
帽子事件
合掌
屋上の金魚
金銭の道
朝の爪
女
恐しい愛
歴史
馬美人
百合
処女作の祟り
駿河の令嬢
神の骨
夜店の微笑
夫人の探偵
門松を焚く
盲目と少女
母国語の祈祷
故郷
母の眼
三等待合室
叩く子
秋の雷
家庭
時雨の駅
貧者の恋人
笑わぬ男
士族
質屋にて
黒牡丹
日本人アンナ
雪隠成仏
離婚の子
顕微鏡怪談
踊子旅風俗
望遠鏡と電話
鶏と踊子
化粧の天使達
白粉とガソリン
縛られた夫
舞踊靴
楽屋の乳房
眠り癖
雨傘
喧嘩
顔
化粧
妹の着物
死面
舞踊会の夜
眉から
藤の花と苺
秋風の女房
愛犬安産
ざくろ
十七歳
わかめ
小切
さと
水
五拾銭銀貨
さざん花
紅梅
足袋
かけす
夏と冬
笹舟
卵
滝
蛇
秋の雨
手紙
隣人
木の上
乗馬服
かささぎ
不死
月下美人
地
白馬
雪
めずらしい人
作品総数122編。長年にわたって書かれた『掌の小説』の中には、好きなものがいろいろとあった。
しゃれたもの、抽象的なもの、おかしいもの、悲しいもの、切ないもの・・・。
上に連ねた作品を見ると、それぞれが新鮮によみがえる。
122編という多い作品の中でひときわ変わったものがあった。
「雪隠成仏」である。
これにはまいった。
あまりにもおかしいので、家族みんなにまわして読ませ、みんなして笑った。
川端康成は正月に福もたらす作家である。
何の意味かなかなか分かりませんね。ですので、あなたの考えがほしいんです。
たとえば、このタイトルはなぜ母の眼なのか。
最後の部分に書いてる「子守女の顔に何と明るい喜びだ。」ここの意味は何だと思ってますか。
はじめまして
慌てて「母の眼」を読み返してみました。
この小説なら覚えていましたよ。
趣味で読んでいる主婦で頼りないですが、わたしなりに感じたことを書きますね。
時代が合っているかどうかはわかりませんが、
1 子守りの立場を考える必要があります。
子守りについては赤坂憲雄先生の『子守り唄の誕生』 (講談社学術文庫 1742)を参考にして下さい。
簡単な感想はhttp://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/780dd435cae605df8c31892f51ea08ae
2 子守りは1により虐げられた立場にあり,悶々とした日々を過ごしていたのでしょうか。
数多くの盗みがそれを物語っているように思われます。
3 「・・・お母さんを自動車に乗せて病院に通わせた」「二親は・・・受け取った」の女中の会話から、信じてもらえない対場だとわかります。
4 「・・・お会いしましたわ・・・」『ははの眼を覆うた包帯が・・・』で第三者に自分の言動に誠の部分を立証できたのです。
5 おそらく口減らし云々の意味合いもあって奉公に出した親。娘にとって母の眼病は悲しい事実ですが,自分を世間に認めさせることができる母も愛情も無意識に感じ取ったのかもしれません。
6 上45からスルさまの問われる「子守女の顔に何と明るい喜びだ。」に強引につなげて楽しんでいました。また一連を考えると題名もうなずけるのではないでしょうか。
ただ、1を含めて考えると子守りの生活のゆとりが気にかかるところです。
(注意)これらはあくまでもわたしがこの小説を楽しんだもので、正しい間違っているはわかりません。
スルさまのご判断で今一度楽しまれて下さいませ。
スルさま、もしかして7月のレポート対策ですか?
ご意見も追記していただければ嬉しいです。
コメント、ありがとうございました。