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観てきました!!
観てきましたって言っても、この映画の感想を書くべきかどうか
結構迷ったんだよな…。
ミニシアターの単館上映だから、今後全国のどこで観れるのかもわからないし
一般の人が観れない作品の感想を書く意味があるのかという葛藤。
まあ映像作品という形に残るものに触れたのだから
そこは割り切って誰かが感想を書かないといかんよな。
母親の失踪を知らされた千代里は通っている東京の高校を休み
実家である新潟の居酒屋に戻る。
そこには店の雇われ料理人であるアサダがいた。
店主の母が不在ながら、アサダと二人三脚で居酒屋を切り盛りしていく。
人生経験皆無の千代里と人生経験豊富に見えて
実はそうでもないアサダが、酸いも甘いも辛いも苦いも織り交ぜて
数々の居酒屋料理とともに時をめぐらせるヒューマンドラマ。
なんにせよ、主演の山田愛奈が超可愛い。
モデル出身だから可愛いのは当たり前として、
喜怒哀楽の表情をきっちり演技として出せているのが実に魅力的。
居酒屋をめぐる人々との関わりで少しずつ人生を悟っていく変化を
色々な場面で対比しているのだけれど
その微妙な変化を抜群の説得力で演じ切る。
そして素の演技がツンデレのツン成分高めのなので
自由奔放な母親を嫌う女子高生役としてピッタリすぎる。
女優としてメチャクチャ有望株だな!!
シナリオもいくつかのパートごとにテーマとなる料理が提示されて
新潟の米の旨さを今一度ありがたく再確認できて嬉しい。
内容に関しては極力触れないでおくけれど
安心のオサレ料理映画かと思っていると、結構な不意打ちがくる。
しかし、監督・脚本の加藤綾佳って
若いのに山田洋次みたいな映画を作るんだなw
抑圧された感情を一気に爆発させて
悲哀のこもったドタバタで盛り上げるのは、いかにも昔ながらの日本映画。
隣のおっさんが号泣してたので
俺はこの映画で泣くにはまだまだ人生経験が足りないのかもしれぬ。
なんにせよ、観客の胸を打つ作品を作れる人は素晴らしいな。
実はこの映画の舞台になったのがめっちゃ地元なので
毎日が聖地巡礼みたいなわけで。
居酒屋の常連を演じる役者たちも「飲み屋の常連の馴れ馴れしさ」を
絶妙に演じ切っていて素晴らしい。
でも地元民としては方言のアクセントがちと微妙w
舞台となった居酒屋も作中と同じ店名で営業しているようなので
暇ができたら飲みに行ってくる。