阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

紛争地での選挙支援活動

2006年05月15日 22時51分12秒 | ボランティア

 こんにちは。皆さんのコメントへのお返事がなかなか書けず、申し訳なく思っております。しかし皆さんのご意見は、少しずつ、ブログの内容、そして私自身の方向性にも反映させていきたいと思っています。

 はるさん、コメント、そしてブログ、興味深く読ませて頂きました。イキイキした文章でホンジュラスでの毎日を綴った文章に感銘を受けました。とりわけホンジュラスの選挙についての文章は興味深いものでした。選挙。私の人生には本当に縁の深いものになってしまいました。国際協力活動に関わった最初の一歩が国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)での選挙支援活動でしたし、私が衆議院選挙に立候補することになったのも、9ヶ国14回にわたって参加した紛争地での選挙支援活動が大きなきっかけになったと思います。

 http://homepage2.nifty.com/naoto1016/post-conflict/election.htm 

 紛争後の平和構築活動として選挙監理・監視活動を行った経験から実感したこと、それは、撃ち合い、殺し合いによっては覇権を争っていたグループ間には不信感、憎悪に基づいた「紛争の文化」が定着していることです。従って、自分たちにとって有利な選挙戦を展開するためには手段を選ばず、対立政党・候補者、さらに支持者への妨害活動や襲撃事件が頻発します。「勝者が全てを獲る」文化のもとでは、健全な与野党関係はなかなか育ちません。
 
 ホンジュラスも、先生が選挙結果によってクビになってしまうようでは、受益者であるべき国民に対して公正なシステムではありませんね。「選挙に行っても何も変わらない」と思わせる政治も問題ですが、選挙結果によって生活権、生存権まで犯されてしまうようでは、民主主義が定着しているとは言えません。

 私が活動した多くの国でも、独自の選挙文化が定着していました。例えばパキスタンのトライバルエリア(アフガニスタン国境の部族支配地域)では、長老の指示によって村の女性が一切選挙に参加していない村があったり、投票所スタッフが投票箱の目の前に座っていて、投票用紙を強制的にチェックするなど、とても選挙の公平性が担保されているとは言えない状況でした。

 http://homepage2.nifty.com/naoto1016/garally/pakistan.htm

 一方、紛争による社会への影響がさらに深刻だったアフガニスタン選挙では、国際社会の協力によって選挙スタッフに対する教育や意識付けがより進んでいました。投票所でのプロセスが、国連のスタンダードに基づいて管理されているのが印象的でした。

 http://homepage2.nifty.com/naoto1016/garally/Iran200410.htm 
 
 日本の選挙システム自体は、公平で安全と言えるかもしれません。例えば、投票者が壁に向かって記名することを話すと、そんなことで選挙人の安全、投票の秘密が守れるのか? と多くの国で驚かれます。しかし、それ以上に驚かれるのは選挙による政権交代が起こっていないことです。これでは、日本が健全な民主主義国家であると信じてもらえません。そのためには、民主党が「健全な野党」から脱却しなければいけないのですが…!