阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

外務委員会での質問-ミャンマーの総選挙について

2010年11月12日 23時10分36秒 | 政治
 今日は外務委員会で、前原誠司外務大臣になってからは初めての質問を行いました。基本的には臨時国会での締結を目指す原子力の平和利用や、自衛隊とオーストラリア国防軍の相互連携に関する協定の関連質問でした。従って、経済外交の推進、すなわち国益の地球が同時に地球益、人類益につながるように、また、人権や民主主義など人類にとって普遍的とされる価値を守ることと両立するための政府の方針について質問しました。その一環として、今、聞くことがどうしても必要だと思ったので、極めて短時間ではありましたがミャンマーの総選挙についても質問をしました。

 1990年の選挙ではアウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)が485議席中392議席を獲得。しかし、軍政は選挙結果を認めず、20年かけて「規律ある民主主義への移行過程」としての軍政支配を確立してきました。今回の総選挙は、その総仕上げとも言えるでしょう。しかし、その過程は、アウンサンスーチー氏をはじめ、「政治犯」である反対政党の有力者が立候補できない選挙法を制定するなど、軍事政権の政党が圧勝する環境作りの過程でした。また、下院の4分の1、上院の4分の1を現役の国軍将校に割り当てており、国軍は将来的な憲法改正に拒否権を行使できます。また、国軍は立法と四方に拘束されないので、議会は国軍の活動に異議を唱えることも不可能です。

 また、国際選挙監視団の受け入れは拒否、外国人ジャーナリストの取材も認めないなど、外国人が選挙の実態を知ることもできませんでした。

 軍事政権は「勝利宣言」をしましたが、多くの国が厳しい反応を示しました。オバマ大統領は「国際的に認められた基準に値しない」と述べ、クリントン国務長官は「欠陥選挙を行うことで民政移管のチャンスを逃した。深く失望した」と声明を発表しました。また、欧州議会のビルマ議連は「EUはビルマの選挙結果を認めるべきではない」との立場を表明しました。一方、中国外務省は「穏やかに、上首尾のうちに終了した」とのコメントでした。

 また、多くの在日ビルマ人の方々が求めるタンシェ議長とアウンサンスーチー氏の対話実現に向けた後押しもお願いしました。(まずは、13日とも言われる解放が先ですが)

 そんな中、前原大臣に日本政府としての考え方を求めたのが、下記のやりとりです。 
 
 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php(衆議院外務委員会インターネット中継。2010年11月12日)

 お互いの目を見ながら意見交換した私には、私たちは基本的な考え方を共有していることを感じました。批判のトーンは控えめながら、今回の選挙の正当性は認められないとの大臣の強い意思を感じましたが、皆さんの心には、どのように映ったでしょうか?