阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

岩手県山田町の避難所でヒアリング

2011年05月05日 00時49分36秒 | 政治

 一昨日から岩手県山田町の避難所を訪問。被災者の方々と車座になり、じっくり要望や提案を伺うことができました。

 今回は党の災害対策本部のミッションとしての活動でした。すでに大半の議員が物資の提供や汚泥処理、炊き出しなどで数回にわたって被災地を訪問しています。これまでは、ひとりの国民として生活支援に直接寄与することを中心に据え、その上で、現地での問題意識を対策や政策に反映させるスタンスでした。

 しかし、小さな避難所、市や町の中心から離れた避難所と、注目されやすい避難所では支援に格差が生じているとの指摘もあります。地域ごとに避難所の責任議員を決めて継続的にフォローすることでこの問題を解決しようと募集したところ、このGWに80人近くの民主党国会議員が訪問することになりました。私は人と地域の割り振りを担当することになり、党の震災ボランティア室で製作した各被災地の避難所マップに基づき、担当地域を各チームに提示しました。限られた時間の中で行う自己完結の活動ですから、現地に入る準備も大変だと思います。でも、学生ボランティアや秘書さん方の協力で、訪問が必要と思われる避難所へのマッチングを行うことができました。

 さて私は単独で10ヶ所の避難所を訪問しました。最初は邪魔になるのではないかとも思い、遠慮しながら入っていきましたが国会議員の訪問は初めてとのことで、どの避難所でも活発な意見交換ができました。

 食事や入浴については支援がかなり充実してきており、また健康の問題を訴える方も少なかったのですが、仮設住宅の入居時期、そして2年が経過した後の生活の不安は大きな関心事です。「自立を支援する」国のスタンスに賛同するけれど、色々な理由で自立が困難な人にも目配りして欲しいとも再三言われました。人間として尊厳を持って生きるためにも、仕事の機会が失われた地域に仕事を創造するのは国の大きな役割だと思います。また養殖業に携わる方々は、海にたまった瓦礫や油の迅速な処理、また農業と比べると現金収入が入ってくるまでのスパンが長い産業の特性を理解して欲しいとの切実な声を聞かせてくださいました。海辺には再び住むことが不可能なら、その土地を適切な価格で買い取って欲しいとも要請されました。

 私が訪ねた避難所は、全て仕切りがなく被災者の方々はお互いに家族のように暮らしていました。支え合い、相手をより深く理解しながら自立に向けて頑張る人たち。私は携帯電話の番号を渡し、これからもしっかりフォローすることを約束しました。

 岩手県の多くの地域で今、桜が満開です。今年も見事に咲いた桜の美しさ、心に沁みました。「支援ありがとう!」と本当に多くのメッセージが沿道に掲げられていることが、印象的でした。


 写真:避難所の子どもたち。被災者のお年寄りとお話している間、ずっとそばにいて、教科書のお気に入りのページを読んでくれました。子どもたちが安心して勉強できる環境を早く整備しなくてはなりません。