阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

『世界で一番親切な』ミャンマーの人々に続く試練-日本は信頼に応える仲介役を果たせ

2021年02月28日 21時20分21秒 | 政治
 私は70ヵ国以上訪問しましたが、「世界で一番人々が親切な国は?」と聞かれたら躊躇なくミャンマーと答えます。本当にどこに行っても虎視眈々と、見返りを求めずひたすら親切にする機会を狙っているかのような人々。たまたま出会った少年が、翌日、朝5時前に出発するバスに乗る私を家族を連れてお弁当とお土産を持って見送りに来てくれたり、学校に向かう途中の少女が、チェーンが外れた私の自転車を手を真っ黒に汚しながら直してくれたり…。アジアの純真という言葉をあらゆる場面で実感する国なのです。

 ところが、そんなミャンマーの友人から次々に平和なデモに対する治安部隊による発砲、血まみれになった方々、亡くなった方々の映像や写真が届きます。治安部隊によるテロ行為によって昨日は38人の死者が出るなど、平和的なデモを続けている50人以上が殺害されました。昨日無惨に殺された人々の中には19歳の少女と14歳の少年もいました。(彼らが血まみれになって横たわる写真も出回っていますがそれらの写真はアップしません)

 また、クーデターを起こした軍が1日5,000チャット(約400円)を払い、平和的にデモをしている人々に暴力を振る舞う暴力グループの写真も届きます。デモに参加した人々を怒らせるため、投石や刃物、鉄棒を使って暴力的行為をしているようですが、人々は、徹底した非暴力を貫いているようです。ミャンマーの人々の優れた国民性は、それ自体が大きなソフトパワーだと思います。そして、それを踏みにじる行為だけではなく、勇敢に平和的に闘っている人たちがいることを引き続き、国際世論にも訴えたいと思います。

 アメリカ人の友人が送ってくれたASEAN諸国の意識調査によると、ミャンマーの方々が世界平和や安全保障などへの貢献で信頼している国は圧倒的に日本だそうです。ちょうどNHKでも放送されていましたが、日本が76.3%、アメリカが39.7%、EUが37.2%、インドが37.1%、中国は12.1%ですからダントツです。私は紛争の仲介はもっとも価値のある外交だと思います。そして、決して政府だけで行うものではありません。十分な可能性を持った日本が政治、行政、そして民間の力を結集して仲介役を務めることを、何よりミャンマーの方が切実に求めているのです。信頼に応える仲介役を果たすべく各方面に求めていきます。