阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

河野大臣、まさか『原発マフィアの陰謀』はそのままで再稼働?

2021年09月13日 19時43分23秒 | 政治
河野太郎大臣の『原発と日本はこうなる(2011年。講談社)』を再読。『原発マフィアによる陰謀の全貌』として、核燃料サイクルがペテンであることを力説し、『自民党政権下での原子力村の暴走』の項では、甘利明、細田博之、小池百合子らが2001年に提出した『エネルギー政策基本法』が、原子力という言葉を使わずに原子力推進の道具になっていることを暴くなど、利権にまみれた『原子力村に蠢く住人』を激しく攻撃している。渾身の力作だ。

河野大臣とは昨年ノーベル平和賞を受賞した世界食糧計画(WFP)議員連盟の会長と事務局長の間柄だった。事務局長だった私は鳩山由紀夫前会長の引退に伴って、政権与党の議員に会長を引き受けてもらうべきと考え、まずは河野議員の政治的価値観を深く理解しなくてはとこの本を読んだ上で会長就任をお願いに行った。会長を引き受けてもらった後は、WFPから難民キャンプの責任者など幹部が来日するたびに現地の食糧事情などを一緒にヒアリングをしたが、その前後で聞いた原発ゼロを目指す並々ならぬ情熱に大いに感化された。

河野大臣が本書で指摘し、変えるべきと力説しているのは原発を巡るすさまじい利権構造だ。ところが、総裁選出馬会見では持論を封印し、原発再稼働を容認したことに驚いた。この構造を温存したまま原発を再稼働するというなら、それは現実路線の選択ではなく政治的価値観自体の変節と言わざるを得ない。是非、本人にこの点を聞いてみたい。