阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

政治権力が生み出す不条理を明らかにし、その構造を変えることが安倍元総理への弔意の示し方

2022年09月16日 17時09分27秒 | 政治

9月13日は安倍晋三元総理の国葬の出欠連絡の締め切り日だったようです。私のところには案内は届いていません。

私が繰り返し、国葬に反対する意見を示していることが理由ではありません。おそらく、欠席者が相次ぎ、急遽元国会議員を全員招待することになったものの、現住所を短期間に正確に把握するだけの事務的なキャパシティーがなく、案内状は迷子になっているのでは?と思います。行政が政治に振り回されている様子が伝わります。

私は国葬には断固反対ですが、故人を悼み、偲ぶ気持ちの表現の仕方は、あくまでも個人の価値観によって判断すべきです。立憲民主党が議員の出席は本人の判断に任せたこと、そして、泉代表をはじめとする執行部は欠席としたのは妥当な判断だったと思います。しかし、あまりにも判断が遅かったのは残念でした。

安倍元総理とは衆議院予算委員会などで何度か議論をしましたが、最初の議論は『アメリカからの自立』がテーマでした。自民党のタカ派と言われる安倍総理が、アメリカに対しては追従を続けることへの疑問が質問の要諦でした。その後、安倍元総理が銃撃されて亡くなったこと、そして国葬をめぐる政府の稚拙な対応がきっかけで、統一教会と自民党の関係があきらかになり、保守、タカ派を自認する議員の本質が明らかになってきたように思います。安倍総理自身が、霊感商法など詐欺的手法で日本人からお金を集め多くの家庭を不幸に追いやった反日カルト教団の広告塔であり、自民党議員への教団の選挙協力を差配する立場だったことは、彼の政治的主張と完全に矛盾します。『保守』は権力を維持するための方便に過ぎなかったのではないかと感じています。

萩生田光一政調会長、下村博文元政調会長、山際大志郎経済再生大臣など自民党の中核議員は旧統一教会との関係を当初は否定していましたが、選挙協力を通して旧統一教会と深い関係にあることが、次第に明らかになってきました。世論の圧倒的な関心が、安倍政権の元で自由な報道が制約されていたマスコミを動かし、事実を明らかにし、社会を動かしていることを感じます。

東京地検特捜部は受託収賄の疑いで東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の元理事、高橋治之容疑者(78)を逮捕しました。過去に五輪の招致に関わってきた人は、多くが逮捕されているとして誘致への関与を断った高橋容疑者に対し、安倍元総理は「大丈夫です。絶対に高橋さんは捕まらないようにします」と約束したとのことです。安倍政権の元、司法が明らかに政権寄りの不可解な判断をしたことが数多くありました。これまでの政治権力の濫用の実態についても明らかにすべきです。

本来は権力を監視し、権力と闘うのがジャーナリズム、そして司法の使命です。国民の後押しを得ている今こそ、本来の役割を全うして欲しいと思います。

銃弾に倒れた安倍元総理を思う時、今も続くウクライナの戦乱で奪われる命や、様々な社会の不条理によって奪われる命と同じく、命の価値に変わりはなく、理不尽に奪われてもいい命はないことを改めて感じます。一方で、政治権力が生み出す不条理を徹底的に追及し、変えるべきことは変える機会にしなければと強く感じています。国葬への出席は関係なく、それが安倍総理に対する何よりの弔意の示し方だと思います。






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