林語堂著・合山究訳『蘇東坡』上・下(講談社学術文庫、1986年)
タイトル通り北宋の蘇東坡こと蘇軾の伝記で、講談社学術文庫創刊30周年を期に復刊されたものです。
単純に北宋の政治史と蘇東坡の生涯をなぞり、彼の詩作を紹介するだけでなく、彼が平生ヨガ(導引術のことか?)にはまっていたことや、東坡肉に代表されるような新しい料理・酒・医薬を創りだしたことなども詳しく記述している点が特徴です。
あとは杭州に赴任した時に風変わりな裁判をしたり、当時朝廷で実権を握っていた宣仁太后に気に入られていることをいいことに、中央から予算をふんだくって西湖の開浚作業などの土木工事を推し進めたりと、杭州時代の話がなかなかおもしろいです。この時期のエピソードだけで『包公案』ならぬ『蘇公案』というドラマができるかもしれません(^^;)
しかし蘇東坡が旧法党に属するせいか、政敵となる王安石の評価がちと辛すぎるように思います。極度に身なりに気を遣わなかった点などを考えると、人好きのしない変人だったのは確かなんでしょうが……
また、蘇東坡が恐妻家の友人をからかった詩の中で「獅子吼」という言葉を用いたので、以後、「獅子吼」がガミガミとうるさい妻を指す決まり文句となったというエピソードなんかも紹介されていますが、この話を読んでピンときたことがあります。ひょっとして『カンフー・ハッスル』で小龍女が獅子吼を使うのは、この話を踏まえているのでしょうか(^^;)
タイトル通り北宋の蘇東坡こと蘇軾の伝記で、講談社学術文庫創刊30周年を期に復刊されたものです。
単純に北宋の政治史と蘇東坡の生涯をなぞり、彼の詩作を紹介するだけでなく、彼が平生ヨガ(導引術のことか?)にはまっていたことや、東坡肉に代表されるような新しい料理・酒・医薬を創りだしたことなども詳しく記述している点が特徴です。
あとは杭州に赴任した時に風変わりな裁判をしたり、当時朝廷で実権を握っていた宣仁太后に気に入られていることをいいことに、中央から予算をふんだくって西湖の開浚作業などの土木工事を推し進めたりと、杭州時代の話がなかなかおもしろいです。この時期のエピソードだけで『包公案』ならぬ『蘇公案』というドラマができるかもしれません(^^;)
しかし蘇東坡が旧法党に属するせいか、政敵となる王安石の評価がちと辛すぎるように思います。極度に身なりに気を遣わなかった点などを考えると、人好きのしない変人だったのは確かなんでしょうが……
また、蘇東坡が恐妻家の友人をからかった詩の中で「獅子吼」という言葉を用いたので、以後、「獅子吼」がガミガミとうるさい妻を指す決まり文句となったというエピソードなんかも紹介されていますが、この話を読んでピンときたことがあります。ひょっとして『カンフー・ハッスル』で小龍女が獅子吼を使うのは、この話を踏まえているのでしょうか(^^;)