博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『山の郵便配達』

2006年06月07日 | 映画
『山の郵便配達』(原題:『那山 那人 那狗』、霍健起監督、劉(リィウ・イエ)主演、1999年、中国)

舞台は中国南方。主人公の青年(リィウ・イエ)は父親から郵便配達の仕事を引き継ぎ、初めて配達に出る日がやってきた。彼の暮らす地域は自動車がほとんど通れない険しい山岳地帯で、二泊三日かけて徒歩で担当区域を回らなければならない。はじめは主人公が飼い犬を引き連れて一人で出発する予定が、引退したはずの父親も息子と同行することになり……

実は今まで気になっていながら何となく見そびれていた作品なんですが、昨日のNHK-BS2での放映でやっとこさ見ることができました。放映を見ながら、何で今までこんな名作を見なかったのだろうとしみじみと後悔しました(^^;)

主人公の青年は、仕事柄家を留守にしがちな父親に何となくわだかまりがありましたが、父親とともに旅をすることで、少しずつそのわだかまりが解けていきます。父親の方も少しずつ息子のことを理解するようになり、また旅を通じて今までの人生を振り返ることになります。

主人公の青年は郵便配達の旅を通じて、都会に出たまま戻ってこない孫の帰りを待つ老婆、父親が密かに青年の結婚相手に見定めているらしい少数民族の娘さん、祖父のもとで働きながら、通信教育を受けて記者を目指す少年など、様々な人と出会います。

最後の記者を目指す少年は、通信教育の添削者からの推薦で奨学金を支給されて都会の学校に進学できることになりますが、この少年が老婆の孫のように都会に出たっきり故郷のことを忘れてしまうのか、それとも主人公の青年との約束を忘れず、記者として彼を取材するために故郷に戻ってて来るのか、興味がひかれるところです。
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