原聖『興亡の世界史07 ケルトの水脈』(講談社、2007年7月)
ケルト人・ケルト文化と言えばアイルランドが思い浮かびますが、本書によるとアイルランドとケルトとの歴史的な関わりは存外に薄く、アイルランド人がそのルーツをケルトに求めるようになったのも20世紀に入ってからとのことです。
またドルイドも本来は古代ギリシアのピュタゴラス派の影響を受けた知識階層であり、現在我々がイメージするような呪術師・魔法使いとしてのドルイドは、本来ドルイドとは無関係であったシャーマンを古代ローマ人などがドルイドと取り違えたことによって作られたイメージであるとしています。
このように本書では我々がケルトに抱いているイメージというか幻想を打ち砕きつつ、古代のケルト人の状況から、近現代のフランス・ブルターニュなどでケルト文化が見出され、注目されるようになる背景を見ていきます。
個人的にはケルト文化を見ていく前提の話で、言語圏と民族の分布が必ずしも一致しないとか、古来の習俗はその継承を支える特別の事情がない限り生き残ることはないといった指摘が面白かったですね。
ケルト人・ケルト文化と言えばアイルランドが思い浮かびますが、本書によるとアイルランドとケルトとの歴史的な関わりは存外に薄く、アイルランド人がそのルーツをケルトに求めるようになったのも20世紀に入ってからとのことです。
またドルイドも本来は古代ギリシアのピュタゴラス派の影響を受けた知識階層であり、現在我々がイメージするような呪術師・魔法使いとしてのドルイドは、本来ドルイドとは無関係であったシャーマンを古代ローマ人などがドルイドと取り違えたことによって作られたイメージであるとしています。
このように本書では我々がケルトに抱いているイメージというか幻想を打ち砕きつつ、古代のケルト人の状況から、近現代のフランス・ブルターニュなどでケルト文化が見出され、注目されるようになる背景を見ていきます。
個人的にはケルト文化を見ていく前提の話で、言語圏と民族の分布が必ずしも一致しないとか、古来の習俗はその継承を支える特別の事情がない限り生き残ることはないといった指摘が面白かったですね。