博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『ブラッド・ブラザース 刺馬』

2007年08月04日 | 映画
久々のショウブラ映画です。『投名状』のタイトルでこれのリメイクが公開予定とのことですが、今回は本家本元の方を鑑賞。

この作品は清末に実際に起こった事件を題材にしているとのことで、主役は狄龍演じる馬新貽、陳観泰演じる黄縦、姜大衛演じる張汶祥の三人です。黄縦・張汶祥の山賊コンビは文武両道の馬新貽と意気投合し、三人力を合わせて山賊の親玉となります。馬新貽が科挙に合格して将軍となった後は二人とも湘軍の軍人として取り立てられ、太平天国の乱の鎮圧に尽力。馬新貽は両江総督にまで出世し、黄・張も相応の出世を果たしますが、張汶祥は馬新貽と黄縦の妻の米蘭とがただならぬ仲になっていることを知ってしまう。一方、馬新貽は米蘭を妻とするために黄縦の暗殺を決意。張汶祥は黄縦を助けに行くが…… といったストーリーです。

狄龍が部下・兄弟思いの好青年であった若き日の馬新貽と、目的のためには手段を選ばない野心家としての側面が肥大した壮年馬新貽とをうまく演じています。

その馬新貽が米蘭との愛をあきらめきれなかったために、馬・黄・張の義兄弟の間で惨劇が繰り広げられることになります。惨劇の直接の原因はこういった女性関係だったわけですが、自らの野心の邪魔になる者は身内でも容赦しないという馬新貽の冷酷さと、軍人となってからも山賊の頃の性根が改まらない黄縦の様子を見てると、米蘭の件が無くとも黄縦はいずれ馬新貽によって粛清され、張汶祥がその仇討ちを謀ることになったのではないかという気がします。

しかし昨今の武侠映画を見てると、この作品のリメイクがどんな感じに仕上がるのか不安になってきます。映像は派手になるものの、ストーリー展開の方はグダグダになり、馬新貽が何をしたいのかよくわからないキャラになっちゃうんじゃないかと(-_-;) 昔の名作は名作ということでそっとしておくのが一番いいんじゃないかと思うのですが……
コメント (4)
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