梅田望夫『ウェブ進化論』(ちくま新書)
北京旅行中に読んでた本です。
GoogleやAmazonといった企業のどのへんが凄いのか、Web2.0やロングテールとはいったい何かといったことが、非常にわかりやすく説明されてます。ネット社会の将来については見方ちと甘いかなという気もしますが、今までのIT関係の一般書はそのあたり悲観的・批判的な内容のものが多かったので、一冊ぐらい楽観的な見方を貫いた本があってもいいかとも思いました(^^;)
面白かったのは、Wikipediaに関するエピソードです。
この本の著者がメディア企業から講演を頼まれると、必ずWikipediaでその企業の項目を表示させる。するとその企業の幹部が、Wikipediaの記述のどこそこが間違っている。こんな間違いを載せている百科事典は信用できんと怒り出したりする。そこで著者がその間違っている記述をその場で即時に訂正してしまうという話です。Wikipediaに関しては、例え記述に間違いが多いという評価が正しいとしても、はじめからそういうものだと認識して使えば何も問題はないんじゃないかと思います。この本にも同様のツッコミがありますが、紙の百科事典には間違いや偏った見方による記述がないというわけでもないでしょうし。
あと、世間では楽天やライブドアがIT企業の代表のように言われているが、実はこの2つの企業はテクノロジーに対する関心が薄く、YahooやGoogleなどとは業種が異なっている。むしろダイエー、セブンイレブン、TSUTAYA、ユニクロなどと同じく生活密着型サービス企業に属するという指摘にはたいへん納得しました。
情報って、所詮そんなものなんですよね・・・
最初からそのつもりでつきあえばいいのに、「ネット上の情報は当てにならん」とかなんとか。
>実はこの2つの企業はテクノロジーに対する関心が薄く、
IT企業労働者・飯香幻です(爆)。
なんだかネット上で何かを売る人、ネットを通して経済活動をする人と、ネットを含めた電脳インフラをつくる人たちがごっちゃにIT業界人と呼ばれていることに、ずーーーっと違和感もってきました。ほらさ、ビルを建てる人とテナントを同じギョーカイと見るかなあフツー、みたいな?
>ほらさ、ビルを建てる人とテナントを同じギョーカイと見るかなあフツー、みたいな?
あともう2~30年ほどしてネットが物珍しいものじゃなくなった頃に、やっとこさこの辺の区別がついてくるのかなあという気が……