落合淳思『甲骨文字の読み方』(講談社現代新書、2007年8月)
殷代甲骨文字の解読の仕方や文章の読み方を初歩の初歩から解説した入門書です。
甲骨文の入門書としてはよく白川静の『甲骨文の世界』が取り上げられますが、あれはこの本に書いてあるようなことを一通り飲み込んでいる人が読む本で、入門書だと言われると少々違和感があるのも事実。また最近中国で(おそらくは殷墟が世界遺産に登録された関係なんでしょうけど)甲骨文の解説書が出まくってますが、それらも発見史・研究史を解説したものがほとんどで、文字の読み方から解説したものは無いと思います。
ただ、入門書として残念なのは参考文献の紹介が無いことですね。それこそ『甲骨文の世界』の末尾の参考文献欄を見ろということになるんでしょうけど、そちらの方は今から35年も前に出た本ということもあって、『甲骨文合集』などここ2~30年で出版された著録書・工具書については紹介されておりません。やはり21世紀の時点での参考文献一覧が欲しかったところです。
殷代甲骨文字の解読の仕方や文章の読み方を初歩の初歩から解説した入門書です。
甲骨文の入門書としてはよく白川静の『甲骨文の世界』が取り上げられますが、あれはこの本に書いてあるようなことを一通り飲み込んでいる人が読む本で、入門書だと言われると少々違和感があるのも事実。また最近中国で(おそらくは殷墟が世界遺産に登録された関係なんでしょうけど)甲骨文の解説書が出まくってますが、それらも発見史・研究史を解説したものがほとんどで、文字の読み方から解説したものは無いと思います。
ただ、入門書として残念なのは参考文献の紹介が無いことですね。それこそ『甲骨文の世界』の末尾の参考文献欄を見ろということになるんでしょうけど、そちらの方は今から35年も前に出た本ということもあって、『甲骨文合集』などここ2~30年で出版された著録書・工具書については紹介されておりません。やはり21世紀の時点での参考文献一覧が欲しかったところです。
こんにちは。
そんな本が出てるとは知りませんでした。
落合先生というと、帝乙はいなかった、とか言っておられる人ですね。
統計学に信を置いておられるようなので、あまり氏の説は信じていないのですが、新書界に新しい先生登場という訳ですね。
平勢去って落合現る、というところでしょうか。
確かに平勢氏との違いは「漢文(甲骨文)が読める」ということでしょうね・・・
どうもはじめまして。
よそのサイトなどでお名前はよくお見かけしておりました。
実は落合さんには個人的にお世話になっているもので、あんまりその辺はツッコミづらいのですが(^^;)、時期によって殷王の世系は改編されたという発想自体は非常に面白いと思います。
今回の本はごくごく初歩の事柄を扱った入門書という性格上、落合さん独自の説はあんまり反映されてませんよ。
博客 金烏工房さまの存在は、宣和堂さんが相互リンクされている「枕流亭~素人中国史愛好サイト」のアンテナで知ったものでして、
落合先生の世系研究といえば、何年か前に大学で初めて触れた殷代史の論文だったので、懐かしく思っています。
改編説などは異論も出てくると思いますが、異論が出てくる研究こそが大切であると思いますし。
『甲骨文字の読み方』、書店で見てきました。
ありがたいことだと思います。