博客 金烏工房

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『浣花洗剣録』その6 偶然にもホドがあるの巻

2008年02月15日 | 武侠ドラマ
『浣花洗剣録』第28~34話まで見ました。

断崖絶壁から飛び降りて追っ手から逃れたものの、街中で行き倒れる大臧。そんな彼を救ったのはたまたま側を通りかかった珠児でありました。一体どんな偶然だよとツッコミたくなるところですが、珠児の匿われている尼寺で療養することに。ここで寺の尼僧が大臧と珠児の恋愛が薛丁山と樊梨花のようにドラマチックだとコメントしますが、大臧は蓬莱人なのでこの例えがよく分かりません(^^;)

一方、宝玉・奔月・脱塵郡主の3人は大漠を抜け出たところで木郎神君に捕らえられてしまいます。ここに来てようやく恋人の木郎が錦衣衛であると信ぜざるを得なくなった郡主ですが、木郎を憎みきることができません。ここでも木郎が朝廷に帰順することを梁紅玉が韓世忠に、穆桂英が楊家将に降ったのと同じようなものだとコメントします。今回この手の例えが頻繁に出て来ますねえ。

下の画像は郡主の突きだした剣を拳で握る木郎。このドラマ、何回か男性が恋人の突き出す刀剣を握りしめるというシチュエーションが出て来ます。これ以外にも結構同じシチュエーションを使い回してます…… 



木郎は宝玉を味方に引き入れようとしますが、当然同意するはずもなく、ともに朝廷に仕える白三空がいよいよ孫の前に姿を現します。実は祖父が生きていたこと、更にその祖父が錦衣衛の一味であることに動揺を隠せない宝玉。(ここで白三空の祖先と岳飛との関わりやら、若き日の白三空と厳崇との出会いが語られます。)結局奔月を解放させるために錦衣衛の一員となることを嫌々承諾。

節を曲げて「朝廷の鷹犬」の一味となることになり、傷心の宝玉は奔月とともに自らの出生の秘密を確かめるべく紫衣侯のもとへと向かいます。その紫衣侯と白水聖母は王巓らの追及を逃れて宝玉らと合流。そして宝玉が実は自分の兄の侯淵の子で、その兄を誤って殺してしまったと過去を自白。今度は自分の師匠が実は叔父で父親の仇だったと知り、ショックを隠せない宝玉。もう何が何だかわからないまま紫衣侯らのもとを離れ、奔月とともに再び旅に出ます。

その旅先でたまたま珠児を発見。いい加減偶然にもホドがあります(^^;) 奔月はめざとく珠児の記憶が戻っていることを突き止めます。実は彼女は大臧との穏やかな暮らしを続けるために、記憶が戻らないふりをしていたのでした。しかしその奔月が木郎に攫われ、「女を解放してほしけりゃ紫衣侯と白水聖母の首を持って来るこったな!」と宣告されます。

一方、珠児と大臧も王巓の襲撃を受けますが、大臧が彼を打ち破り、盟主の証の赤霄宝剣をゲット。二人は残り六本の名剣が納められている川南の剣閣をめざすことに。九つの名剣を集める話をこれで一気に片付けてしまおうということなんでしょうけど、何だか風呂敷を広げるだけ広げて打ち切りが決まったマンガのような展開です(^^;)

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2 コメント

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激しく同意! (孤舟居士)
2008-02-18 17:42:08
確か樊梨花って、西涼の王だか何だかの娘という設定だったよう
ですから、異民族という意味で、蓬莱人の大蔵への喩え、問題は
ないのかな、と、何となく思っていました。

偶然続きの展開には、私も何度となく突っ込んでいます(爆)。
と言うか、同じパターンの使い回しも、ここまで来ると…。

全くの余談ですが、奔月の“傻瓜”という台詞に、陸無双が
重なって、笑えました(苦笑)。
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自覚? (さとうしん)
2008-02-18 20:06:19
>孤舟居士さま
>偶然続きの展開には、私も何度となく突っ込んでいます(爆)。

オープニングの映像で刀剣を握りしめたり、恋人をビンタしたりと似たような場面を集めているのは、制作側もそれを自覚しているからでしょうか(^^;)

>全くの余談ですが、奔月の“傻瓜”という台詞に、陸無双が重なって、笑えました(苦笑)。

そう言えば陸無双と同じ役者さんが演じてますね。キャラクターのタイプも似たり寄ったりですし、陸無双、あるいは『天龍八部』の鍾霊とダブって見えますね。
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