2日目はまずは上海博物館へ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/6d/6e5ed180e4a6f5918d3648b20edf5039.jpg)
開館と同時に入館と気合いたっぷりです(^^;) というのは、昨年ここの入場料が無料になった関係で観光客が殺到するようになったと聞いていたからです。そう言えば昨年10月に行った瀋陽の遼寧省博物館もやっぱり開館前から長蛇の列が出来ていたなあと思い出し、念のために早めにやって来たというわけです。しかしシーズンオフのせいか長蛇の列など出来ておらず、館内はほどほどに空いておりました。
館内の常設展はフラッシュをたかなければ写真撮影はオーケーなので、青銅器コーナーを中心にパシャパシャと撮りまくります。
で、特別展の「首陽吉金」展のコーナーへ。これは在米華人の青銅器収集家胡盈瑩・范季融夫妻のコレクションを展示したコーナーですが、コーナーの看板を撮影した瞬間に警備員がすっ飛んで来ました。よく見ると「撮影禁止」のマークが…… 残念ながら特別展は撮影禁止のようです。
この特別展で気になったのが目録ナンバー35の龍紋盤。これは西周中期の器で、目録には長銘の銘文(冊命金文に類するもの)の拓本も付いています。ところが解説では「疑後刻」とあるものの、その根拠については一切説明されていませんでした。で、今回実物を見てみたところ、盤面の錆が酷い割には銘文はクッキリしており、しかも鋳込んだというよりは何かで刻んだようにも見えなくもありません。このあたりが器は本物だが銘文は後から刻んだものと判断した根拠になっているのかなあと思った次第。
博物館を出た後は福州路に戻り、本屋を冷やかしつつ外灘へ。特に上海で一番デカい上海書城ではDVDコーナーに期待していましたが、あればいいなと期待していた映画『剣蝶』(『武侠梁祝』)のDVDも、CCTVのドキュメンタリー『台北故宮』(こんな番組が制作されるなんて世の中変わったもんです)のDVDもまだ入荷されておらず、はっきり言って失望した!
書籍の収穫は李朝遠の論文集『青銅器学歩集』(文物出版社、2007年8月)、李学勤『走出疑古時代』(長春出版社、2007年10月)、蔡豊明『中国社会民俗史新叢書 遊戯史』(上海文芸出版社、2007年4月)といったところ。何だか書店より上海博物館の書籍売り場の方が充実してましたね……
『走出疑古時代』は以前『帝系新研』のエントリでも言及した問題の書で、初版は1994年。更に1997年に修訂増補本が出版されましたが、一昨年に更に内容を増補した新版が出ていたとは知らず、書店で手に取って驚きました。しかも出したのがよりによって長春の出版社かよ!ちょうどこの2007年あたりからこの本に対する批判や疑問が提示されるようになってきたのですが、それに合わせるかのように新版を出すとは李学勤先生、期を見るに敏すぎます!
『遊戯史』の方は前近代の中国のテーブルゲーム(六博・囲碁・麻雀など)や競技などを解説した本ですが、図版が豊富なので思わず購入。今ではすっかりサッカーの元祖ということになっている蹴鞠(映画『レッドクリフ』でも出たアレです)や、ゴルフの元祖という見解もあるらしい呉竜府捶丸についても言及しています(^^;)
夕方からボラボラと外灘に移動し、租界時代の建築物を見て回ったのですが……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/31/f8bb12b8b34af0b2ea0e4462437df5bd.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/b9/510be2ad405498de5508b607bcf2302d.jpg)
何かどこもかしこも工事しとる!『地球の歩き方 上海・杭州・蘇州』を確認すると、来年の上海万博に向けて2008年3月から修復工事が開始されているとのこと。「老朽化してしまった建築物を、元の歴史的建造物に再現することが目的」なんて書いてますが、オリンピックに向けた修築ですっかり横店化してしまった北京の惨状を思い出すと、どんな具合に「元の歴史的建造物に再現」されるのやら不安で一杯になります(-_-;)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/6d/6e5ed180e4a6f5918d3648b20edf5039.jpg)
開館と同時に入館と気合いたっぷりです(^^;) というのは、昨年ここの入場料が無料になった関係で観光客が殺到するようになったと聞いていたからです。そう言えば昨年10月に行った瀋陽の遼寧省博物館もやっぱり開館前から長蛇の列が出来ていたなあと思い出し、念のために早めにやって来たというわけです。しかしシーズンオフのせいか長蛇の列など出来ておらず、館内はほどほどに空いておりました。
館内の常設展はフラッシュをたかなければ写真撮影はオーケーなので、青銅器コーナーを中心にパシャパシャと撮りまくります。
で、特別展の「首陽吉金」展のコーナーへ。これは在米華人の青銅器収集家胡盈瑩・范季融夫妻のコレクションを展示したコーナーですが、コーナーの看板を撮影した瞬間に警備員がすっ飛んで来ました。よく見ると「撮影禁止」のマークが…… 残念ながら特別展は撮影禁止のようです。
この特別展で気になったのが目録ナンバー35の龍紋盤。これは西周中期の器で、目録には長銘の銘文(冊命金文に類するもの)の拓本も付いています。ところが解説では「疑後刻」とあるものの、その根拠については一切説明されていませんでした。で、今回実物を見てみたところ、盤面の錆が酷い割には銘文はクッキリしており、しかも鋳込んだというよりは何かで刻んだようにも見えなくもありません。このあたりが器は本物だが銘文は後から刻んだものと判断した根拠になっているのかなあと思った次第。
博物館を出た後は福州路に戻り、本屋を冷やかしつつ外灘へ。特に上海で一番デカい上海書城ではDVDコーナーに期待していましたが、あればいいなと期待していた映画『剣蝶』(『武侠梁祝』)のDVDも、CCTVのドキュメンタリー『台北故宮』(こんな番組が制作されるなんて世の中変わったもんです)のDVDもまだ入荷されておらず、はっきり言って失望した!
書籍の収穫は李朝遠の論文集『青銅器学歩集』(文物出版社、2007年8月)、李学勤『走出疑古時代』(長春出版社、2007年10月)、蔡豊明『中国社会民俗史新叢書 遊戯史』(上海文芸出版社、2007年4月)といったところ。何だか書店より上海博物館の書籍売り場の方が充実してましたね……
『走出疑古時代』は以前『帝系新研』のエントリでも言及した問題の書で、初版は1994年。更に1997年に修訂増補本が出版されましたが、一昨年に更に内容を増補した新版が出ていたとは知らず、書店で手に取って驚きました。しかも出したのがよりによって長春の出版社かよ!ちょうどこの2007年あたりからこの本に対する批判や疑問が提示されるようになってきたのですが、それに合わせるかのように新版を出すとは李学勤先生、期を見るに敏すぎます!
『遊戯史』の方は前近代の中国のテーブルゲーム(六博・囲碁・麻雀など)や競技などを解説した本ですが、図版が豊富なので思わず購入。今ではすっかりサッカーの元祖ということになっている蹴鞠(映画『レッドクリフ』でも出たアレです)や、ゴルフの元祖という見解もあるらしい
夕方からボラボラと外灘に移動し、租界時代の建築物を見て回ったのですが……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/31/f8bb12b8b34af0b2ea0e4462437df5bd.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/b9/510be2ad405498de5508b607bcf2302d.jpg)
何かどこもかしこも工事しとる!『地球の歩き方 上海・杭州・蘇州』を確認すると、来年の上海万博に向けて2008年3月から修復工事が開始されているとのこと。「老朽化してしまった建築物を、元の歴史的建造物に再現することが目的」なんて書いてますが、オリンピックに向けた修築ですっかり横店化してしまった北京の惨状を思い出すと、どんな具合に「元の歴史的建造物に再現」されるのやら不安で一杯になります(-_-;)
上海万博の頃にどうなっているのかが見物ですね。嗚呼……
>上海書城
おいらも昔に立ち寄って、品揃えのよくなさに失望したです。
上海書城はやたらとTVBの旧作やら『百家講壇』のDVDが目に付くなあと思ったら、元々DVDには力を入れてないんですか……
『遊戯史』ですが、サイコロ博打についても言及しているものの、残念ながら役の名称などについての詳しい解説はありませんね。
『遊戯史』は面白そうですね!
前から鹿鼎記でやってるサイコロ博打のルールがいまいちわからないのでどこかに載ってないものかと探しているのですが、この本ではどうでしょうか?