昨日の拡大教科書の話。
目の不自由な人に、字を拡大した教科書を、という拡大教科書なんだけど、
ただ、字を大きくすればいいという話ではないようだ。
ここ
拡大コピーではいけないの?
http://www.kakudai.org/node/6
によると(以下斜体は上記サイトより引用)
単純な拡大は、文字の大きさだけではなく、文字間、行間等の全てにおいて拡大されますので、余白の部分が多くなったり、図表等の説明文を探すのに時間がかかったりして、文章の読解や図表の確認などに困難を生することもあります。
さらに、教科書は、ほとんどがカラー化されており、カラフルな色彩が使われてあります。
色彩によって興味や関心を引き、認識能力を高める工夫がなされていますが、弱視児童生徒の中には、細かい色識別が困難な者もおります。
中間色が使われているとその識別が困難になり、学習意欲も向上しにくくなりかねません。
また、一般には、図表の下にその説明が書かれていますが、弱視児童生徒の場合、図表が先にくると、その図表を理解するのに時間がかかります。
これに対して、先に説明文があると、その説明文によって何の図表であるのか予測が立てられます。
教科書は、学習を理解する手段として必要であり、児童生徒にとって分かりやすいものですが、弱視児童生徒にとっては、必ずしも分かりやすいものとはいえません。
単に拡大すれば良いというものではなく、弱視児童生徒のニーズに合わせて編集・拡大することが必要といえます。
とすると、DTPで文章などをXMLで論理的に出力させて、それをXSLTで組みなおしてFO出力、FOPからPDFにするというのが常道だろう。
もちろん、文字組版と平行して、中間色を変換するといった、色変換も必要になってくる。
(ただ、色変換に関しては、カラーユニバーサルデザインの話も含めて、ちょっと考えがあるんだけど、今回は置いておく)
ここで問題なのは、「DTPで文章などをXMLで論理的に出力させて」っていう部分。
DTPのXML出力は、機能的にはあるんだけど、うまくいかないケースがある。
というのも、かならずしも、論理構造にしたがって出してくれるとは、限らないことである。
つまり、
大見出し 3行どり、22ポイント
とか、決めておいた場合でも、見出しが入らず、次ページに送りたくないという場合、この大見出しを2行どりにしてしまう可能性がある。
このように、行どりをつめてしまったりした場合、
機械的に、3行どりは、大見出しとはできない。
ということで、
・まず、論理構造に対応させた、スタイルをきめて、
とりあえず、見出しなどは、スタイル設定をすることで、体裁を決めてから、
もし、追い込み処理などを行いたい場合、そのあとで、行どりなどの調整を行う
・フローティングしない図、写真は、本文の関連箇所や、説明文とのリンクをつける
ということをすれば、論理構造を取り出せる。
しかし、現実的には、そんなのめんどっちいので、論理スタイルをつけないで、物理的に行取りや、文字ポイント変更などを行ってしまう。
そーすると、論理構造がわかんなくなって、論理構造に基づいた再編集ができなくなる。
そこで、セーブするときに、論理構造をつかっているかどうか(たとえば、リンクのない図表はないか、論理構造指定がされていないで、物理的に文字の大きさや行送りをされている行がないか)などをチェックして、もし、問題があれば、エラーにしてセーブできない(までは、酷?)ようにすればいいんだよね!
教科書以外でも、新聞でも何でも、論理構造を取り出して、要約とか、検索とか、再編集・再表示とかしたい場合には、有効な方法だと思うし、ちょっとInDesign持ってないのでわかんないけど、この程度なら、InDesignでも、JavaScriptでチェック可能なんじゃないかなあ・・・)
・・・え、まさか写研つかってるとか・・・(^^;)