中原中也の「無題」をモチーフに。
今回はそのパートⅣです。
Ⅱ,Ⅲと飛ばしたんだけど
「無題Ⅰ」で歌った「こひ人」が
どんなにまっすぐな心を持っているか、
そして、その「心」を、決してなくさないでほしいってことを歌った後に
このⅣでは「こひ人」に対する中也の心情を吐露しているので
絵に描きやすかったんであります。
Ⅳ
「私はおまへのことを思つているよ。
いとほしい、なごやかに澄んだ気持ちの中に、
昼も夜も浸つているよ、
まるで自分を罪人ででもあるやうに感じて。
私はおまへを愛しているよ、精一杯だよ。
いろんなことが考へられもするが、考へられても
それはどうにもならないことだしするから、
私は身を棄ててお前に尽さうと思ふよ。
またさうすることのほかには、私にはもはや
希望も目的も見出せないのだから
さうすることは、私に幸福なんだ。
幸福なんだ、世の煩ひのすべてを忘れて、
いかなることとも知らないで、私は
おまへに尽せるんだから幸福だ!」
まるで、ジョンレノンが
オノヨーコに対して歌ってるような
慈愛を感じるよね。
この「こひ人」は、この詩を歌う前には
彼の友人である、小林秀雄のもとに走っちゃったみたいなんだけど・・・。
それまでは空気のように感じてて
いなくなることなんて考えてなかったみたいなんで
きっと、この詩は別れた後の詩だとおもうんだけど、
確証はないです。
まあ、
どちらにしても中也の彼女に対する気持ちが
ひしひしと心に伝わってくる詩ですな。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます