10日の金曜日に
高1の息子の合唱コンクールを見に行った。
中学時代までは、こういう学校行事に親が来ることに難色を示していた息子だったけど
そういう意識はもう乗り越えたようで、
「行ってもいいかい?」と聞くと
「いいよ。」との返事。
「いやじゃなかったの?」と確認してみると
「いや、もうそういう気持ちは薄まったかな。」とのこと。
両親の離婚も影響があるのかもしれないけど、
そういうのも結局乗り越えていくしかないもんね。
ボクからしたら、
「辛い時こそ一緒に乗り越えていこう」
という感じで彼と接している。
彼もそういう気持ちで頑張っているんじゃないかと思うんだよね。
まあ、
というわけで合唱コンクールの話にもどそう。
彼のクラスは直前にインフルエンザで1週間学級閉鎖となり、
その分だけ他クラスよりも練習時間が少ないというハンデがあったらしく、
さらにクラスのみんながイマイチ乗り気で練習してくれないことにイラついて愚痴をよくこぼしてた。
彼はソロパートを任されるくらいよく声がでるんだけど
そういう周囲の雰囲気で彼自身のやる気もあまり上がってないように見えた。
本番直前の3日間は他クラスに追いつかないので「朝練」をやったんだけど
毎朝「行きたくねぇ~」と言いながら家を出発してた。
だから合唱コンク―ル本番でもあまり期待せずに見ていた。
この合唱コンクールでは課題曲と自由曲の2曲を演ることになってるらしく、
最初の課題曲では彼のクラスは一番最後に演った。
せっかく見に行ったんだからということで
ボクも勝手に「特別審査員」と称して自己採点してみていた。
あとで感想を彼に伝えるときもそれがあると伝えやすいと思ったからね。
彼のクラスは課題曲では1年だけで言うとTOPレベルの合唱を見せてくれた。
2年生はさすがと思わせるくらい1年生とはレベルが違ってた。
課題曲も2年生の方が相当難しい曲だったけど練習の成果がよく出ていた気がする。
でも自由曲になると、がらりと様相が変わった。
各クラス、振り付けをしたり思い思いの衣装で身をまとってたりして楽しんでいるのはわかるけど
合唱自体の出来はどこもイマイチ。
振付の方に意識が飛んでしまっているのか、
振付があるところで声が出ていない。
だけど、
息子のクラスは時間がなかったせいか、衣装はそろいの赤いパーカーを着るだけだし、
振り付けも一切なく、ただ一生懸命合唱するだけ。
でもそれがすごく良かった。
声はすごく出ているし、
ハッキリ言って感動して涙が出るほどだった。
ボクの自己採点の結果だと
課題曲も含めた総合点で1年生では断トツの優勝。
2年生も含めた全体でも4位だった。
でもまあさすがにそうはならないだろうなと思ってたら
成績発表では
なんと、彼のクラスは1年生で優勝!してしまった。
そして、
優勝したクラスは表彰式の後もう一度演壇に登り合唱を披露してくれた。
優勝したせいか子どもたちの自信に満ちた歌声はさらに良く響き、
急きょ決めた振り付けも
曲の最後の方に全員で肩を組みながら歌うというシンプルなもので
これによってさらにクラスの団結感が出ている感じがしてすごく感動した。
やっぱり壁にぶち当たって苦しんだ分だけ、それを乗り越えたときに大きな1歩になるんだなあと
改めて感じさせてくれた。
「冬が厳しい分だけ春が訪れたときの喜びは大きい」
「夜明け前が一番暗い」
などなど壁を乗り越える時の苦しみとそれを乗り越えた後の素晴らしさを表すことわざはたくさんあるけど
本当にその通りだなと実感することができた1日だった。
壁にぶち当たって苦しみたくはないけど、生きてりゃそういう壁をなくすことなんてできないしね。
ボクも苦しい時こそ頑張ってやっていこうという勇気をこの合唱コンクールでもらった気がした。